女子会

 校長は、話を続けた。「この仕事は、危険が伴うわ。だから、7人が、うまく業務分担して、危険を避ける必要があるの。だから、みんなの力が必要なの」横山が、手を挙げて、質問した。「一か月後には、私は、アメリカに帰ります。お役に立てませんが」校長は、横山にも大切な役割があることを話し始めた。「横山にも大切な役割があります。横山には、アメリカのトップ大学の研究状況を調べてほしい。その情報を北原に送ってほしい。北原は、小島に送ってちょうだい」

 

 横山が、言語について触れた。「英語で情報を流すんですか?それとも翻訳しますか?」校長は、即座に返事した。「可能な限り、翻訳してください。こちらでは、わからない専門用語があると思うから」横山は、うなずいた。校長は、ちょっと間をおいて話を続けた。「できれば、国防相とCIAに関する情報があれば流してください。それと、麻薬関係も。今後、麻薬の密輸が増加すると予測されているから」

 

 さらに、校長は北原の業務について話し始めた。「北原は、中継以外に日本の大学の研究について調べてほしい。今後、日本の大学もアメリカの大学と共同して化学兵器の研究をやるはず。くれぐれも、警戒は怠らないように」ほかに、何か質問は?」校長は、峰岸に目線を向けた。「峰岸は、警察内部の情報を流してほしい。手に入れた情報をタイムリーに小島に流して。北原が手を挙げた。「校長は、これらの情報をどうなされるのですか?誰かに売られるのですか?」核心を突いた質問をされて校長は、真剣なまなざしで答えた。

 

 「もはや、日本は、アメリカの後を追うように麻薬国家に突き進んでいます。また、人身売買の拠点になることも予想されます。麻薬はマフィアだけでなく、CIAの収入源でもあるのです。このまま日本が無防備であるなら、日本も麻薬で崩壊するでしょう。だから、我々が戦わねばならないのです。みんなが集めた情報は、ある方に流します。でも、その方の正体を明かすことはできません。私を信じて。この情報は、決して悪用はしない。命がけで手に入れた情報は、必ず日本の防衛に使います。みんな、信じて」

 

 北原は、うなずいたが、ゆう子が手を挙げた。「校長のためなら、やってみます。でも、リノは、仕事に追われ、峰岸は、駆け出しの婦人警官です。横山、北原は、学生です。活動する時間も限られています。それでもいいのですか?」校長は、うなずいた。「みんなのできる限りの力を貸してもらえればいいの。当然、危険を伴うわけだから、それなりの報酬は、約束します。むしろ、みんなは何も知らないほうが、安全なの。ほかに、質問は?」

 

 質問がないことを確認した校長は、締めに入った。「今回の話は、決して他言しないこと。すべての連絡は、今、言ったルートを使うこと。直接私に連絡してこないこと。小島が情報を集約し、私が小島に指示を出します。そうすれば、私たちの存在は、表面化しません。日本のために、一致団結して頑張りましょう」話を締めくくった校長は、ふすまを開いて話をオープンにした。リビングのソファーでは、花提灯を膨らませたマリリンが笑顔でぐっすり寝ていた。

 

 

春日信彦
作家:春日信彦
女子会
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