秀樹は、気絶しそうになった。万が一、桂会長に気いられなかったら、二度と生きて帰られなくなるんじゃないかと思えて、全身が震えだした。「ボ、ボクハ、いいです。そんな、大金持ちとは、お会できません。僕は、貧乏人ですから。もう帰らせていただきます。ハンバーグ、ご馳走様でした。亜紀姫、これからもよろしく。それじゃ」秀樹は、すっと立ち上がり、夢遊病にかかったようにぼんやりと歩き出した。
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