はじめに( 1 / 2 )
は じ め に
先(ま)ずは 『 新約聖書 』 を、イエスの生涯にも亘(わた)って、およそにも読み解(と)いて行くことから始めます。
そして、その文面から、思い当たられる疑問の逐一(ちくいち)を、その都度(つど)にも挙げ列(つら)ねて、その疑惑や矛盾を、糺(ただ)していくこととなります。
しかし、取り敢(あ)えずは、その一つ一つの真偽(しんぎ)について明かすことはしないで、全体を総括(そうかつ)すればこその正確さに努めるためにも、一通りに疑惑・矛盾(むじゅん)の出し尽(つ)くされもした、その後に纏(まと)めて明かすこととします。
ですから、指摘される疑惑や矛盾のその都度にも、どうかあなたご自身で、その事の真偽ついて、自由に推理を働かせていただきたいのです。
はたしてそうもすれば、あなたが、キリスト教を信じていようといまいと、聖書を知ろうと知るまいと、イエスその人に関心があろうとなかろうと、あたかも推理小説を読み解くかのように、推理の冴(さ)えを験(ため)しては、神の教えとされる、聖書の真実を解き明かす、その大胆な試(こころ)みに加わることともなるのですから。
さて、どのような真相こその明かされるのか?
あなたの推理の、どれ程(ほど)までにも想い通りに、正しくも的(まと)を射(い)たものとなるのか?
まずは、そんな推理小説を愉(たの)しむような軽い気持ちで、本書 『 イエスの真実 』 に挑戦されてはいかがでしょうか?
はじめに( 2 / 2 )
しかし、これも予(あらかじ)めお断りしておきますが、けして並大抵(なみたいてい)な推理小説のレベルではありません!
おそらくは、かなり難解(なんかい)な、いささか高レベルにも思われるかもしれません。
それでもしかし、そんな真実解明の愉(たの)しみにも加えて、実に2千年に亘(わた)って覆(おお)い隠(かく)され続けた、まさに歴史の真相の暴(あば)き出される、その意外な驚きこそに、少々の難解さなど何のそのとばかりに、むしろついつい惹(ひ)き込まれては、気付けばすっかり魅了(みりょう)し尽くされていた、なんてことにもなりかねません!
またそればかりか、すでに久しくも世界に冠(かん)たる宗教の、そのそもそもの発祥(はっしょう)に秘められた経緯(けいい)こその、同時に知れようことともなるのです!
ですから、さながらあのベストセラ-の 『 ダ・ヴィンチ・コード 』 ほどに、たとえスリルとサスペンスの点では及(およ)ばなくとも、読後の目から鱗(うろこ)の、驚きの事実を知る意義深さと、その真実に迫(せま)るノンフィクションならではの読後の充実感は、それこそ高が創作のフィクションなどを遙(はる)かに凌(しの)いで、しかもその上なお余(あま)りあるほど、はたして人生をどう生きるかにさえ資(し)するまでにも、必ずや大いなる助けにして、またと無い多き実りを齎(もたら)そうことともなろうに、違いないことの請(う)け合いなのです!
さあ、では論より証拠、まずはあなたの、推理の冴えを研(と)ぎ澄ませて、これから始まる難解事件を、ものの見事に解き明かすつもりで、どうかチャレンジしてみてください!
きっと、その真相の、あまりの意外さに驚かされ、嘘偽(うそいつわ)りのない真実こその尊さを、改めても熟(つくづく)と思い知らされようこととなりましょうから!
著 者 主 代 宗 元