なんの為に、という感覚は、とっくの昔に捨て去った。
まともな職歴もない、学歴もない、そんな37才の男が
「人並みの生活」
を送ることなど不可能だからだ。
0
いや・・・正確には不可能ではない。
人の何倍も賢く、何倍も努力をしたり、人の何倍も汚いことをすれば・・・
だが、そんな気力はない。
一度、絶望に浸ってしまった心は時間の流れを狂わせる。
ドラマのような逆転劇は、宝くじの1等を当てることよりも難しいことなのだ。
オレはいま、「未来」という言葉の意味を思い出すことが出来ない。
23 / 125