亡くなってみると、いい親父でしたという風に成るのだろう、いくら余り良いイメージが無くても。
思い返してみれば、鬼みたいな男で誉められたイメージがない、いつも厳しい顔をしていて笑っている印象がない、まさしく親の背中を見て歩んで来た感じがする。
世の中が厳しいから、この育てられ方が合っているのかも・・・!?
俺は、最後に《今までありがとうございました》と言うのであろうか、《お疲れさんでした》と言うのであろうか!?
病院に届け物をしに訪れると夕食が終わっていた。
「おっ、ありがとうな」
会話をし合っていく、母親が親父のひげを剃る、歯磨きの道具を渡す、持って来た下着を渡し、洗濯をするのに下着を袋に入れる。
「ご飯 食べたんか?」
「イヤッ、まだ」
「そうか、これっ食べろや」
そう言って先生に見つかったチョコレートと黒飴を出してくれた。
「隠れて食べていたのに先生に見つかっちゃった」
先生は、
「おっ、チョコレートを食べられるように成ったか」
と言う話しだった。
机の上には、買ったお茶とミネラルウォーターがあった。
「おまんらに来て貰うと嬉しいよ」
そう言っていた。
院内の廊下にある棚に、食事のトレイを入れに歩いて来た。
「ほらっ、もうちょっとナースステーションまで」
俺は、気合いの言葉を吐き捨てるとエレベーターの所までプッ、プッ、プッと昔のポンポン船みたいに屁をしりながら、痩せた親父が歩いて来た。
こいつ元気いいな~と俺は、思った。
エレベーターの扉が開く、そして母と俺は、乗り込んだ。
「ま・た・な」
お互いに顔を見合った。
扉が閉まる。
駐車場の車に乗る時に夜空の星達を見上げた。
反りが合わない親父。
(・・・親父が長生きしますように・・・)
(・・・いつしか、そちらに行ったら、親父、また一緒にウォーキングをしようぜ・・・)
m(;;)m
(・・・また一緒に呑もうぜ・・・)
m(._.)m
(・・・また一緒に家族で銭湯に入ろうぜ・・・)
m(_ _)m
あなたは、俺を男にしてくれた。
貴方達は、人間として家族を守るのか・・・!?
それとも、孤独に死んで行くのか・・・!?
人のせいにするな、選択を決めるのは、貴方一人だ。
ああ・・・っ、この人達に神!?の導きを・・・・・・。