スラム街の天使

スラム街の天使

 

少女はマフィアから解放され、女優として歩み始めた。臓器を売って子供を育てた母親。麻薬に手を出し、お金ほしさに子供を売った父親。売春宿でエイズになり路上で死んだ姉。スモーキーマウンテンで今でもごみをあさっている弟たち。家族は貧困と言う地獄から抜け出すことはできない。世界中の貧困はいまだ続いている。

 

監督はスアールを親友の映画監督に預け、“スラム街の天使”と題した台本を手渡した。その後、その映画が封切されると、世界中の話題となった。一人の男によって地獄から救われたスラム街の少女は、一躍、時の人となった。インタビューを受けたスアールは涙を流して「ヒカルに会いたい」と一言つぶやいた。そのころ、もはや、AV界ではヒカルの名前は消されていた。また、彼の消息を知るものもいなかった。

春日信彦
作家:春日信彦
スラム街の天使
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