「それはできません。唇を開けば呼吸できる可能性があるのです。生存する可能性が1パーセントでもあれば、命を救う義務が医者にはあるのです。奇形児でも立派な人間なのです。私も全力を尽くします。一緒に育てましょう。勇気を出してください、八神さん」
「T大の御用学者にはできないのです。奇形児のために将来を失ってしまう。私にはできない。死産にしてください。いくら払えばいいのですか!先生」
笙子はもうわかったでしょう。結局、横山先生が私の命を救ってくれたのです。八神教授、実の父は私を見殺しにしようとしたのです。実の父は、私に対し殺意を抱いたのです。だから、私も・・・
私は20歳まで生きてこられたことに感謝しています。そして、私を理解してくれたただ一人の親友、笙子を決して忘れません。さようなら。