在宅看護師のいけない関係

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「それなら、三百万。三百万出そう」
「さ、三百万!?」
「昔から初物は、高い値がつくもんなんだ」
「……」
 確かに三百万もあれば、当面の生活、弟の学費の心配もなくなる。
「それに、妻はもう死んでこの世にはいない。あんたを好いて恋愛感情を持ち、金銭面で援助したところで、誰に文句を言われる筋合いでもないんだ」
「つまり、私が好きっていうこと、ですか?」
「そうだ、好きだ。入院してた時から、あんたのことが瞼から離れんのだよ」
 老人のストレートな求愛に、なぜか動揺した。
 トキメキのようなものさえ、感じている。信じられないけれど。 
 それにこの人は、そんな大金を払ってまでも私を求めている。つまり必要とされているのだ。
「ホントにおっぱい、触るだけでいいんですか?」
「ああ、怖がらせるようなことは絶対にしない」
 どちらにしても下半身が麻痺しているので、この人に男としての機能は備わっていない。つまりセックスはできないということだ。触ったり、舐めたり、それが限界なのだ。
 提示された金額が衝撃的だったのも事実だけど、私はそれ以上に、この哀れな老人の願いを聞き入れてあげたいと純粋に思った。
「そんなに私のことを?」
「ああ、そうだよ、山本さん。あんたが好きだ。あんたのおっぱいを触れるなら、今すぐ死んでも後悔しないよ」
 見ると、藤堂会長は目にうっすら涙を溜めている。この気持ちは嘘ではないようだ。
 今なら、一緒に暮らす息子の秀明さんは会社だし、彼の妻である祥子さんも出かけている。この豪邸には、台所を任されたコックとヨシさんという家政婦しかいない。 
 昼食が終わったこの時間なら、大声で呼びでもしない限り、絶対に部屋には入ってこないだろう。
 私は念のため、ドアロックした。
「いいのかね」
 私は静かに頷いた。
「本当は少し、怖いです。何の経験もないので。でも、こんなに思っていただけているんだから、勇気を出します」
 そういうと私は、白衣のボタンを上から一つずつ外していった。上半身、ブラだけになる。
 少しだけ肌寒さを感じたが、それよりも恥ずかしい感情の方が勝っていた。
 老人は、ブラに包まれた深い胸の谷間に顔を近づけ、
「おぉ」
 と感嘆の声をあげる。
 そして、羞恥に消えてしまいたい私の胸元に視線を釘づけたまま、
「ベッドを起こしてくれ」
 と静かに言った。
 リモコンのボタンを押す。
 指示通りの角度にベッドの背を立てると、会長は足を投げ出し、座ったような姿勢になった。
「ここへ来てくれ」
 指示されたベッドサイドに向かう。
「若くてきれいな肌だ、美しいよ」
 そういうとその老いた指は、ブラのヒモをなぞるように動き出した。かと思うと、胸の谷間からズブリと中に手を差し込んだ。
「あ……」
 ブラの中でもぞもぞと動く、年老いた手。
 何かに焦ることもなく、これまで弄んできた数々の女を思い出すかのように、ゆっくりと私を気持ちよくさせていく。
「ここは、どうかな?」
「や……」
 乳輪の淵を虫が這うようになぞられて、ジワジワと快感が昇ってくる。
 私の神経は真ん中にある突起に集中していた。なのに、そこには触れてくれない。
 女の下半身はそのもどかしさからか、なぜかゾクゾクと疼き始めた。
「これが、感じているようだね。気持ちいいかい?」
「は、はい……」
 静かな官能の波。
 老人は一気に、私のブラをお腹の下まで摺り下げた。
「キャッ……」
 ぷりんとした乳白色のたわわな乳房が、その人の目の前に露出する。中心にはきれいな桃色に発色した乳首。
「嬉しいよ、ありがとう、山本さん……」
 そういうと会長は両手両指を使い、柔らかな私のおっぱいをむにゅむにゅとカタチを変えながら、揉みしだいた。
 極度の緊張状態にありながらも、私の息はあがっていく。
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オリオンブックス
作家:早瀬らいむ
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