そこにいるみんなが、ひとつになり、温かい気持ちでアンパンをほおばっていると、
暗くなりかけていた空から、ピカ~っとものすごい光の玉が、調理実習室に飛び込んできました。
ピカリです。
ピカリは、みんなで焼き上げたアンパンに手を伸ばすと
「元気くん、あんこの大切さわかった?」
とアンパンにかじりつきました。
「わかったよ!ピカリ!友達は宝だよ。この世の宝だよ!」
「そうだよ!あんこもともだちも、このよのたからだよ。わすれないで」
と言うと、くるりと一回転して、光の粉を舞き散らしながら
♪ともだち ともだち このよのたから
♪いいことばいに わるいことは はんぶんに
♪ともだち ともだち たいせつに
と、みんなの頭の上を飛び跳ね、踊りました。
みんなもつられて踊ります。
子供たちも、先生も、おじいちゃんも、おじさんも
みんなでみんなで踊ります。
すると、ピカリは、
「あんぱん、ごちそうさま!」
と言って、またピカ~っと光をはなって、空の彼方に飛んでいってしまいました。
そのひ、小さな町には、あんぱんの雨が降ってきて
町中、甘~い匂いに包まれました。
誰でも、みんな、幸せそうに アンパンを食べていて
空には、星がピカリと光っていたんだって。