知性
宇宙には物質が存在します。動物は脳という生きていくうえで不可欠な物質を持っています。特に人間の脳は、記号中枢において他の動物のそれと比較してきわめて優秀と言えるでしょう。また、記号を具現化する手指の機能においてもきわめて優秀と言えるでしょう。
記号中枢を中心とする知性は、地球上の天然物質を加工し新たなる実用物質を創造してきました。また、さらに物質の流通を効率化するために貨幣を作り出しました。貨幣は経済の発展に大いに貢献してきましたが、一方、兵器の開発と量産、さらにその売買を促進するために経済戦争をも拡大してきました。貨幣は、日常生活を豊かにする道具として生み出されたはずなのに、いつの間にか、人類を悲劇に陥れる貨幣ゲームも作り出したのです。
知性は貨幣を作り出し、貨幣は知性を高度化していきました。知性は国家、企業、学校、飛行機、車、など、なくてはならない手段を作り出しました。我々は、知性を尊敬し、さらに、神のごとく信仰するまでになってしまいました。そのため、多くの凡人は、学歴のある知識人を信用し、尊敬し、彼らの言動に従うようになっていきました。
確かに、知性は人類に貢献してきました。でも、一方では、人類を悲劇に陥れてきたことも忘れてはなりません。知性は、我々を幸せにすると同時に、不幸にもするのです。知性を過信し、知識人を盲信することは、非常に危険なことなのです。凡人は、知識人を尊敬しても、盲信して、彼らの言いなりになってはなりません。彼らは、必ずしも凡人を幸せにするとは限らないのです。
凡人は、高度な知識も行政上の権力も持ち合わせていません。だからこそ、よりいっそう、知識人に対する警戒心を持つ必要があるのです。例えば、政治家、医者、学者の発言を盲信してはいけないということです。凡人にも自分を守るための知性はあるのです。我々凡人は、食品添加物の有害性を認識し、原因不明の病気を生み出している医薬品への依存を軽減していかなければなりません。私たちの心と体の健康を維持しているのは、医薬品ではありません。それは、私自身が生まれながらに持っている免疫機能です。
凡人は、知性で勝負できません。でも、冷静になって不必要な欲を客観的に見つめることはできます。今、現代人に必要なことは、金銭欲、名誉欲、権力欲、を冷静に見つめなおし、自分の命、他人の命を尊重する心をはぐくむことです。そうすれば、心が健康になり、周りの人たちの心も健康にできるようになるのです。