ラスボスの思想(29)

 

           結婚の意思

 

 ほとんどの近代法治国家には結婚に関する法律があります。結婚法制度は、当然のように思えますが、結婚に関する法律がなければ何か不都合なことが起きるのでしょうか?このようなことを考えたことのある若者は、多いのではないでしょうか?結婚は、当事者男女の合意によって成立するわけですから、結婚そのものは、法律とは無関係に成立します。

 

 法治国家では、結婚によって財産権などの何らかの法的資格が生じます。前述しましたように、結婚は、男女の合意による婚姻契約です。また、婚姻届けを役所に提出することによって法的な権利と義務が発生します。今回は、結婚にかかわる法的な側面はさておき、結婚にいたるまでの男女の意思形成の側面にスポットを当て考えてみましょう。

 

 それでは、結婚の意思とはいかなるものなのでしょうか?端的に言えば、当事者男女が一緒に生活し、家族を作ることをお互い認め合った、ということではないでしょうか。たとえ、一緒の家で同居しなくとも性交関係を継続し、子供を作ることの同意があれば、婚姻関係にあると言えるでしょう。俗に言う、事実婚がそれにあたります。

 

 

 フランスでは、事実婚夫婦が多いと言われています。事実婚によって生まれた子供であっても、精子を提供した男性が、その子供を認知するならば、その子供はその男性を父親と認識することでしょう。と言っても、当事者が常に同居していなかったとするならば、その子供の父親は不確定と言えるでしょう。したがって、この場合はDNA鑑定が必要かもしれません。

 

 

 結婚の定義を考えると、その核となるのは、当事者男女の合意による性交関係にあります。仮に、合意のない性交関係の結婚が現実にあったとしても、ここでは、当事者男女が、性交関係の継続を相互許諾したものを結婚とします。そこで、性交関係の合意に至るまでの過程について考えていきましょう。

 

 当事者男女の性交関係の相互許諾に至るまでには、当事者男女の心の交流が必要になります。成婚までに、当事者男女は、何らかのきっかけで出会い、交際という過程を経験するのです。多くの若者は、出会いを求めて合コンやサークルに参加します。さらに、結婚の出会いを提供する結婚相談所の会員になったりします。そこの会員になれば、入会条件設定がなされていますので、希望にかなった相手と交際できる確率は高くなります。

 

 出会いのきっかけは、千差万別と言えますが、何らかのきっかっけを経て当事者男女は出会うのです。出会ったからと言って必ずしも交際に発展するとは限りません。たとえ交際に発展したとしても性交関係に至るまでに交際が破局する場合もあります。おそらく、この場合のほうが多いと言えます。

 

 多くの若者は、出会いを求めていますが、出会いを求めるにしろ、交際を続けるにしろ、時間とお金と心の余裕が必要になります。若者の未婚率が高くなっていると言われていますが、過酷な労働を強いられている若者には、出会いを求める時間もお金も限られていることでしょう。また、過酷な労働で疲弊していたのでは、出会いを発展させる心の余裕も失っているかもしれません。

 

 

 

 

 

 未婚率が高いということは、性交関係にいたるまでの交際が減少しているわけです。現実的には、出会があってもお互いの条件が交際の障害になります。男女の交際条件は、お互い異なり、さらに、交際中に新たな結婚条件が加味されることも多々あります。そうなれば、婚姻契約までたどり着くには、容易なことではありません。

 

 交際条件として、容姿、体格、趣味、思想、宗教、性格、学歴、社会的地位、経済力、家族構成、国籍、などを考慮したならば、交際相手はかなり限定されてしまいます。男女お互いが、それぞれの条件に頑なにこだわれば、交際は成り立たなくなることでしょう。このように考えると若者の未婚率が年々上昇傾向にあるのは納得できるのです。

 

 できれば、結婚し、子供を作り、楽しい家族を作りたいと若者は望んでいることでしょう。しかしながら、身分が不安定なパート、アルバイト、派遣社員、また、低賃金、長時間労働などの過酷な労働条件下にある若者にとって、結婚への道のりはいばらの道と言えるのかもしれません。今後、出会いも、交際も、結婚も諦めてしまう若者が、年々増加するようなことになれば、ヤマト民族は絶滅することでしょう。

 

 若者が、絶望し、家族愛を失ってしまえば、子孫を残すことはできなくなってしまいます。私たちは、なぜ、結婚するのでしょうか?なぜ、子供を育てるのでしょうか?答えは、各人それぞれかもしれませんが、一つには、子孫を残すことではないでしょうか。きっと、誰しも子孫を残したいと心の底では思っていると思います。だから、どんな困難な状況にあろうとも、子供を育てるのではないでしょうか。

 

  

 若者は、低賃金で長時間労働に耐える両親の悲壮な姿や学生の頃の夜遅くまでの通塾を思い浮かべると、子供を育てることに悲観的になるのではないでしょうか。子供を育てるには、夫婦が精神的に協力しなければなりません。また、子供の将来のための多額の教育費も必要になります。そのようなことを考えたならば、低所得の若者は結婚生活への自信を無くすのではないでしょうか?

 

 高所得の夫婦であれば、多額の教育費を支払ってでも子供たちを私立の中高一貫校、私立大学へ進学させることができるでしょう。そのような夫婦は、ごく少数ではないでしょうか。低所得の共働き夫婦家庭は、私立大学の教育費も支払えないのではないでしょうか。そのような家庭の子供たちは、多額の奨学金で卒業し、さらに、卒業後は、多額の奨学金の返済のために過酷な労働に耐え続けていかなければなりません。

 

 過酷な労働に耐え多額の奨学金を返済しなければならない若者に、心の余裕が生まれるのでしょうか?心の余裕なくして、恋愛ができるのでしょうか?楽しい交際ができるのでしょうか?多くの若者は、低所得と過酷な労働条件に耐え続けながら、その日暮らしを続けていることでしょう。

 

 ドライブでデートを楽しむための自家用車さえ所有できない低所得の若者が増加しています。恋愛と結婚には、心の余裕が不可欠です。心の余裕を生み出すには、文化的な生活を享受できるだけの給与所得が必要です。今、政府がやるべきことは、多くの若者の給与所得を引き上げてやることです。そのためには、身分が不安定な派遣社員中心の企業形態から、身分が安定した正社員中心の企業形態を推進する法律改革を行うことです。

 

      一休閃颯

 

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 *ボケジジ~ 政府が見えず 生き延びる

 

 *ボケジジ~ 虫を怖がり 生き延びる

 

 *アカ政府 コオロギ食わせて サルの駆除

 

 

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 *アカチックン コオロギ食わせて サルの駆除

 

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 *夢を見て 心の旅は 果てしなく

 

 

 *アカ政府 ネズミに米を サルに虫

 

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 *愛してる 女心は 金目当て

 

 

 

春日信彦
作家:春日信彦
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