知識の健康
健康と言えば、身体的なことが第一ですが、健康とは、心、知識についても言えることなのです。健全なる体に健全なる心が宿ると言いますが、「健全なる知識」も必要と考えられます。健全なる知識とは、いかなるものでしょうか?それは、「自分の知識を盲信しない」という知識です。
つまり、役に立つ知識というものは、条件的なのです。条件思考と確立思考についてすでに述べましたが、この思考方法を使うことによって、健全な知識となっていきます。この思考を深めるには、何度も言いましたが、「疑う」ことが必要です。
ところが、人は、疑うより信じる方が心が安定します。だから、ほとんどの人は、信じる傾向に流されていきます。信じることによって救われることもありますが、そういう場合はごくまれなのです。
私たちは、テレビや新聞から多くの情報を得ています。また、会社の指示や学校の指示に基づいて行動しています。でも、その情報の真偽を確かめず、会社の指示だから、学校の指示だから、政府の方針だから、という理由で行動しています。
ほとんどの人は、団体組織の指示に従って行動します。もし、指示に反すれば、罰を受けるような気がするからです。現実に罰を受ける場合もありますが、すべてではありません。でも、罰を受けることがなくとも、指示に反対することを恐れます。
仮に、団体の指示が間違っていたとしましょう。でも、周りの人は、指示にしたがっています。あなたは、みんなと同じように指示に従うべきでしょうか? まず、あなたがすべきことは、指示の真偽を「調べる」ことです。
そして、指示が誤っているとするならば、あなたは、どのような行動をとるべきでしょうか?誤っていることがわかっていても、指示に反対すれば、罰を受けるような気がして、指示に従うでしょうか?それとも、勇気をもって、団体組織の指示に反抗するでしょうか?
団体組織の指示に反抗するには、勇気と確固たる信念が必要になります。また、団体組織と闘うだけの専門的な知識も必要になります。個人は、団体組織と比較すれば、はるかに弱者です。弱者が、強大な団体組織と闘うことは身を削ることになります。
あくまでも、強大な団体組織と闘い続ける。あるいは、その団体組織から離脱して誤った指示を回避する。どちらが、有益かは、一概には言えません。でも、その誤った指示が命にかかわるものとしましょう。そうであるならば、その団体組織との闘いが、無理だと判断したならば、そこから離脱してでも、自分の命を守るべきでしょう。