迫り来る危機への備え 9
コロナ危機は序章にすぎない
新型コロナウイルスの猛威は、エピセンター(震源)の中国でこそ、些(いささ)かなりとも落ち着きを見せながら、世界各地に広がるその勢いこそは、さらにも弥増(いやま)すばかりの、実に由々(ゆゆ)しき増長ぶりです。
さては、その健康面での被害のみならず、感染症ゆえの人の交流・交渉の、その差し障(さわ)りにして障害こその、歴史上かつて無くも、甚大(じんだい)この上なくも思い遣(や)られてなりません。
科学技術の進歩発展にもより、年々歳々(ねんねんさいさい)時空の短縮は著(いちじる)しく、世界とは言え、近隣(きんりん)諸国は言うに及ばず、対蹠面(たいしょめん)の地球の裏側の国々さえ、より身近に想えてもならないほど、文字通りにもグローバルな、まさしく地球規模の一体感さえが、交通・通信を始め、今を生きる私たち現代人に、もはや当然のごとくに思い知らされてもならないほどです。
それが故(ゆえ)に、今般のコロナ危機の一件にせよ、発生源の中国の武漢のみに止(とど)まらず、瞬く間にも中国全土に広がるばかりか、地理的には遠く離れながらも、人的交流による関係も密接な、イタリア・韓国・イラン等の諸外国までへも、時を置かずに移り広がりさえしたのです。