危険なビキニ

 イサクは、「フュ~~」と口笛を鳴らし、笑顔を作った。「AIと頭脳のコラボか。IQ10000の天才AI脳兵士の誕生ってわけか。素晴らしい。人類史上、最強の天才兵士となるわけだな。でも、天才AI脳兵士がユダヤを裏切るということはないだろうな?」ヤコブは、右口元を引き上げ、少し不安げな表情で答えた。「右脳のAIは、ユダヤAI言語にしたがって作動する。だが、左側半分は、生物の脳だ。その生物脳が突然、ユダヤに反抗することも想定しておいかなければならない」イサクは、不安げな表情で尋ねた。「万が一、AI脳兵士が、ユダヤに反抗した場合、どういう対応をするんだ。AI脳兵士はIQ10000の超天才だぞ。俺たちだって、到底太刀打ちできる相手じゃない」ヤコブは、小さくうなずき返事した。「万が一のことを想定し、AI脳コントローラーで右脳のAIに命令を出す」

 

 イサクは、身を乗り出して尋ねた。「いったい、どんな命令を?」ヤコブは、一呼吸おいて答えた。「左脳へ高電圧を流す命令だ。つまり、左脳のシナプスを破壊する。一瞬にしてシナプスは破壊される。ユダヤにしたがわないAI脳兵士は、脳死してもらう。これが、最も効率的なAI脳兵士の活用だ」イサクは、目を丸くしてうなずいた。「なるほど。ユダヤAI脳兵士が完成すれば、ユダヤ帝国も実現するということだな。実に愉快だ」ヤコブは、大きくうなずき話を続けた。「地球だけではない、宇宙もユダヤが支配できる。ユダヤAI脳兵士は、宇宙に飛び立ち、宇宙基地を建設していく。もはや、宇宙は、ユダヤのものとなる」

 

 イサクは、即座に立ち上がりサイドボードに向かった。「さあ、祝杯をあげようじゃないか。ユダヤ宇宙帝国を祝って」イサクは部屋中いっぱいに張りのあるバリトンボイスを響かせた。そして、二つのグラスを左手にナポレオンを右手にわしづかみにした。ニヤッと笑顔を作り声をかけた。「ホ~ラよ」イサクは、右手のナポレオンをヤコブに向かって放り投げた。ナイスキャッチしたヤコブに向かって右手の親指を立て、ソファーに腰掛けると二つのグラスをテーブルに並べた。イサクは、グラスにコクコクコクッとブランデーを注ぐとヤコブに差し出した。「さあ、乾杯だ」二人はグラスを手に取り持ち上げるとカキ~~ンとグラスを響かせた。

 

 

 

 

 


 イサクは、突然、ソロモンからのメールを思い出した。「そう、T大のソロモンが915日、土曜日に福岡にやってくる。何か、朗報があるみたいだ。楽しみだな」ヤコブは、笑顔で応答した。「そうか。スカウトリストの報告だな。三人で解析しようってわけか。ワクワクするな。そうだ、はるばる博多にやってくるんだ、中州にでも案内して、遊ばせてやるか。あいつ、女には目がないからな。きっと、鼻血ブ~~で喜ぶぞ」ヤコブのワハハ~~という大きな笑い声が響いた。「きっと、噴水のような潮吹きは初めてじゃないか。プラチナのローズ・コジマを紹介してやろう」イサクもワハハ~~とバリトンボイスを響かせた。

 


春日信彦
作家:春日信彦
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