小説の未来(17)

 

                               有限と無限

 

 今一度、有限と無限について述べます。ある事象は、条件設定されることにより有限となり、条件を変更することにより無限となります。

 

 例えば、完成された一つの家があるとします。今あるこの家は、依頼主の条件のもとに建てられた有限な家となります。さらに、依頼主が新たな条件を提出し、改築を行います。そうすれば、新たな家が建ったことになります。このように新たな条件を設定し続ければ、無限に新たな家に改築され続けていきます。

 

 人間は生物としては有限であり物質としては無限です。言い換えると、人間は、脳死という条件が設定された時点で非生物となります。でも、たとえ死体が焼却されたとしても物質的変化は起きますが、自然界に物質としては存在します。

 

 作家は、自分なりの条件を設定し、作品を完結させます。でも、新たな条件を設定すれば、作品は再構成され新たな作品となります。このように条件設定によって有限と無限が生まれるのです。


春日信彦
作家:春日信彦
小説の未来(17)
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