私の精神病は、モーツァルトの意識が幻覚に現れてしまう病気なのです。自分の意思がどこにあるのかわからなくなります。ある意味、私ほど重いマインドコントロールにかかっている患者はいないかもしれません。しかし、その社長さんは、私を救って下さいました。
その方を、仮にIさんとします。Iさんは、「マキさん、モーツァルトをたくさん出そう」と言いました。Iさんは、私の主治医の先生の親友である、訪問看護師の社長さんなのです。Iさんは、精神病の私の幻覚を、私の人格であると認めることで私を治そうとしてくれました。私に、自我をくれました。
ここで、やっと話をもとに戻します。母のことです。母と私。Iさんは、母を、私が憎むことにストップをかけることと、母が義理の父のマインドコントロール下に置かれていることを、一発で見抜きました。母と私がどう違うのか。また、人を動かすことがどういうことなのか、主治医の先生にすらわからないことを見抜いている、世界一の人でした。私自身は、モーツァルトという、目に見えないところの人格?を持っている。それを認めた上で、それだけではだめで、生き方に自信を与えてくれて私を立ち直らせてくれました。しかし、母にはもはや、自分というものがない。義父の支配下に置かれ、義父のためだけに生きている。
しかし、Iさんは、言いました。お母さんはちゃんと君を愛していると。
Iさんは、「モーツァルト」という、人格を、架空のものとはせず、私自身と、認めることによって、私の人格をつくって下さいました。母は義理の父の、「精神病患者は怖い、気持ちが悪い生き物」という考え方に染まり、私を二人で家から追い出して帰ってくることを一生禁じました。義父との生活を守るために。その泥沼から、Iさんは私を救いました。