BL短編小説 50作品セット

歩き続けて嬲られ続ける( 1 / 1 )

白い壁と床に囲まれた部屋。窓は無く、大声を出しても外には届かないように作られている。
たとえ助けを呼んだとしても、部屋の中で嬲られている男を救う者は現れない。言葉を奪うギャグボールを噛み締め、必死に呻いたとしても。

「うぅ、う…っ」

閉じられない口から唾液が滴り落ち、男の顔からは汗が垂れ落ちた。
流れる体液を拭いたくても、男は手を後ろに捻り上げられた状態で縛られ首輪に繋がれているので、どうする事も出来ない。

体液を垂れ流し、手の自由は利かず、自分を苦しめている機械や拘束もどうにも出来ない。男は、もう一時間程責め苦を与えられていた。
残酷な機械に従って、男は足を動かす。男の裸体は、ルームランナーの上に乗せられていた。

もちろん、ただ乗せられているだけではない。ルームランナーの取っ手に、首輪の前から伸びた縄が引っ掛けられていて、もう片方の縄の端は…男のペニスに結び付けられている。

「んぐ、ふぅ…っ!」

ペニスを睾丸からくびって絞り出す縄は、少し引っ張るだけで男に強い痛みと快感を生み出す。
つまり男が足をとめると縄が張り、首と性器に圧迫を与える仕組みが施されていて、男は足が疲れても歩きを終わらせる事は許されていなかった。終わらせてしまったら、気を失いそうな苦痛を味わうから。

男はペニスが痛みに晒されない為に足を動かす。しかし、痛みからは逃れられても別の責め苦からは逃れられない。
それは、快感。男のアナルには、ローター。大人の玩具が入れられていて、男の腸の中で振動をして性刺激を送り続けていた。

「おふ! くぅ…っ!」

男が背を反らせて高く喘ぐ。アナルのローターが歩いた事で動き、中の敏感な前立腺を強く抉ったからだ。
足を上げる度、下ろす度に中の肉は勝手に玩具を揉み込んでしまう。体液で濡れた中をぐちょぐちょと掻き回し、休み無い振動を続ける小さな機械に、男は翻弄されていた。

歩かなければ激痛に襲われ、歩くと内側から快感でプライドと精神を壊される。拘束されて逃げ場の無い性拷問に、男は涙を流して喘ぎ、目で助けを求めた。

「んぅ…うぅぅ…っ!」

ルームランナーの横に立ち自分を見張る男に、憐れな男は切羽詰まった視線を向ける。


もう、歩きたくない。許して。


だが、見張りの男はその目を見て残酷な言葉を放つ。

「生意気な目だな…まだこれくらいじゃ足りねーのか?」
「うっ!? んうぅ!」

違う、違う。否定する男に構わず、見張りは鉄球の重りが付いた足枷を取り出し。
男の足に嵌め、しっかりと鍵をかけてしまった。

「おぅ…ぐぅんっ!」

足の動きを阻害され、快楽で震えた足を男は酷使する形になる。
しかし、酷使しても時折間に合わず、縄が張って無慈悲にペニスが絞り出された。

「あぉぉっ!」

悲鳴を上げる男。そんな男を見て見張りは右手を上げ。

「んぐぅぅっ!!」

男の尻を容赦無く叩いた。そして言う。

「ほら、しっかり歩け。じゃないとまた叩くぞ?」
「う、うぅ…」

恐怖に怯えて、男は歩く。痛みと、快感と、疲労と、屈辱で。男の精神と身体はボロボロになっていく。
それでも、男のペニスは硬く勃起して、見張りの目を愉しませる。その姿をより惨めにする為に、見張りは尻を叩いた。

「うぐぅぅ!」
「足がとまってんぞ」
「くぅぅっ!」
「ちゃんと真っすぐ立て!」
「あうぅぅっ!!」

今すぐ舌を噛んでしまいたいくらいの苛烈な性拷問。だが、口に噛まされたギャグボールはそれを許さない。
どんなに屈辱を与えられても、全身を体液で塗れさせても、男は尻を赤く染まる程に叩かれながら歩き続けるしかなかった。

鬼少年を牢屋で征服( 1 / 1 )

山奥の、目立たない場所にある洞窟の中。本来ならば光など存在しない洞窟の突き当たりの天井に、電球がぶら下がっていた。
そのわずかな光源は、入口からは想像の付かない、洞窟奥の開けた空間を照らし出している。

岩の地面に置かれた椅子やテーブル。そして、鉄格子の牢屋の中にいる…人ならざる少年を。

「うぅ…くふぅ」

頭部の左右に二本の角を生やした、鬼の少年。口に噛まされた縄に言葉を奪われて呻く少年は、薄い赤色をした鬼の肌を、服を着せられず空気に晒していた。
その手には重く頑丈な石の枷。鬼の力を以てしても壊せないその枷は、鎖によって地面の金具と繋がれていた。

少年は手枷のせいで自由に動く事も出来ず、自分の火照った身体を慰められない。鬼の少年は赤い顔をして、もどかしそうに腰をくねらせていた。

「ふっ、ふぅっ!」

快感を得る為に、少年は自身の勃ち上がったペニスを地面に擦り付ける。だが、ペニスを包み込むように貼り付いた札は少年がどんなに感じたとしても、決して射精は出来ないように縛めてしまっていた。同じ札は少年の両乳首、そしてアナルの口を塞いで貼り付いている。

その札には鬼少年を拘束し閉じ込めた人間の男が霊力を込めており、男以外、誰にも剥がせないようになっている。
更に札は細やかな振動をして、少年の敏感な場所を容赦無く責め立てていた。特に、イきたくてもイけない状態のペニスを幹も裏筋も先端も、余すところ無く全て刺激されるのはもはや拷問だった。

「あぉ…ふぅん…」

もどかしい性刺激に狂い、いやらしく腰を振り続ける鬼の少年の理性は、崩れる寸前だ。
絶頂を極めたくて、精液を吐き出したい。その欲求に支配された頭は、自分を凌辱に浸した男が牢屋の前に立っても怒りを生めず。ただ解放されたくて懇願の唸りを上げさせた。

「くふ、うぅん」
「エロい顔だな。ほんの数日前は殺してやる。って俺を睨んでたのにな」
「ふはっ…んあぁ」

牢屋の中に入った男に口の縄を解かれ、押し込められていた少年の喘ぎが溢れる。同時に溜まっていた唾液が垂れ落ちて、茶色の地面に染み込んでいった。

「もぉ…射精させて…っ! 俺、イきたいよぉ…」

少年とはいえ、人間よりも遥かに強い存在である鬼が、快楽に表情を蕩けさせ涙を零して許しを請う。その征服感に満足しながらも、男は冷たく言った。

「『淫乱ではしたない鬼を、情けなく射精させて下さい』…だろ?」
「ひぐっ…しょん、な…」

嗚咽を零して驚愕する少年。これ以上尊厳を壊されるなんて、嫌だ。
そんな心の抵抗すら、男は許さない。

「嫌か? じゃ、しゃーねーな」

男が右の人差し指を口の前にあて、小さく呪文を唱えた。すると。

「うぁ!? だめだめらめぇっ! 乳首もチンコもけひゅ穴もいやぁぁっ!」

性感帯に貼られていた札が全て、男の意思に沿ってより激しい振動を始めた。快感に追い立てられて、手枷をガチャガチャと鳴らす鬼少年の姿を見て、男は先程外したばかりの縄を、再び少年の口に噛ませようとする。

「言いたくないなら、ちゃんと言えるようになるまでまた放置してやるよ。明日の夜にはまた来てやるから」

今でさえ気が狂いそうに射精がしたいのに、言わなきゃ…明日までこのまま?

そんなの、絶対におかしくなる。プライドと恐怖を秤にかけて…少年は。

「淫乱ではしたない鬼の俺をぉっ! なしゃけなく射精させてくらひゃいぃっ! 言った、いいまひたぁっ。お願い、放置しないれぇっ」

悲痛な叫びに、男の縄を持つ手が止まり、口元は意地悪く笑った。

「よく言えたな。ご褒美に、俺に犯されながら射精させてやるよ」
「あうっ」

四つ這いの身体の左脇腹を持ち上げられ、鬼少年は仰向けに転がされる。素早く少年の足元に回った男は少年の細い足首を掴み、大きく拡げさせた。
全体に巻かれた札を先走りでぐしょぐしょにしているペニスと、同じ札で封印をされたアナルが、男の目に晒された。

「エロい香りさせてんなぁ。この淫乱」

罵倒されても、ついさっき自分で言った事だから反論出来ない。下手に何か言ったら、さっきのは嘘だったと言われて何をされるか分からない。少年は確実に、男の指示に逆らえなくされていく。

「俺のを入れる為に、ケツのを取ってやるよ」
「あぅっ!」

男の右手が、アナルを塞ぐ札を手で覆うようにして叩いた。敏感な場所を叩かれ、少年は甘い悲鳴を上げた。その声を耳で愉しみ、男は手を離す。男の霊力が抜かれた札が貼り付く力を失い、溢れ出す液体の力で剥がれ落ちていく。

「あぁ…出ちゃ、うぅ」

少年の中から出てきたのは、昨夜男に注ぎ込まれた大量の精液。留めたくても長時間の責めで弛緩してしまった穴は、淫らな白をとろとろと吐き出してしまう。
その意にそぐわない排出ですら、今の少年には堪らない快楽となった。

「あーあ、出ちまってるよ。こりゃまた入れてやんないとな」
「ふ、あぁ」

流れる精液を塞き止めるように、男が自身の男根で少年のアナルの入口を押さえる。
少し力を入れれば簡単に中に入る。それなのに、男はいつまでたっても少年を犯さない。

ペニスで腸を掻き回される快感を覚えてしまった身体は切なく疼き、少年に、ねだりを強要した。

「お願い…しまひゅ。俺の、ケツに…チンコ入れて、ずぽずぽひてくらしゃいぃっ!!」
「そんなはしたなく言うんなら仕方ねーな」

自ら性欲に溺れ始めた少年をあざ笑い、男は硬く張り詰めたペニスを一気に挿入した。太く熱い肉の塊に串刺され、少年は大きな鳴き声を上げる。

「ふぁぁぁぁっ! 入ってりゅぅ…チンコで、中、抉られるぅっ!」
「どうだ? 自分を捕まえた、たかが人間に犯されてる気分は」
「気持ち良いれふ…あぁ! もっとおかひてぇ…!」

全身をガクガクと痙攣させて喘ぐ鬼の少年。舌を突き出し、赤い肌を更に赤く染め、男のペニスをきゅうきゅうと絞め付けていた。
散々焦らされた身体は、一方的な快感でも悦び、少年を絶頂の縁に追い立てていく。

「あぁ…イぐ、イぎまひゅ…っ!」
「いいぜ。淫乱鬼っ! 犯されてイっちまえっ!」

男が叫んで、少年のペニスを札の上から指で弾く。それを合図に、札がぱらりと取れ。
そして。

「んぁぁぁぁっ!!! イぐイぐぅっ! しぇーえきたくさんでりゅのぉぉっ!」

少年はようやく許された射精を、悦びの表情で味わう。噴き出す体液は少年は顔や胸に飛び散り、赤い肌を淫らな白で染め上げた。

「はぁ、は…んぅぅっ!?」

射精の余韻に浸り、息を整える暇も与えず、男は腰を奮い続ける。

「誰が休んでいいって言った? ご主人様を満足させてからだろ」
「あぅぅ! ごめ、んなひゃ…い」

山奥にある、全く他の存在の寄り付かない洞窟の奥で。
憐れな鬼の少年の喘ぎは、外に漏れる事無く冷たい岩に反響し続けていた…。

逆さ吊りでバイブ責め( 1 / 1 )

「あぁんっ、っうぁ! イく、イくぅっ!」

ホテルの一室で青年が背を反らし、ペニスから精液を吐き出した。その精液は足ではなく、青年の顔に落ちていく。理由は、青年が縛られ、逆さに吊られているから。
両足首と両膝、そこに巻き付けられた縄と腕の自由を奪っている身体の縄。計五本の縄が天井や壁に繋がり、青年を大股開きの状態で逆さ吊りにしていた。

縄を解けず、目隠しの下の表情は歪んでいる。だが、青年は痛み以上に恥辱を与えられていた。
逆さにされた身体は、服を着ていない全くの裸体で、開かされた股間は隠す物無く丸見えだ。勃起したままのペニスも、アナルに突き込まれた極太のバイブさえも。

抜き取る事も出来ず、乱暴にアナルを掻き回す淫具。その刺激で出た精液や体液は全て青年の顔へと流れていき、涙や唾液と合わせて整った顔立ちを見るも無残に汚していた。

「あぅ…うぁぁ。助けて、下ろして…」

頭に血が上り、虚ろになった思考で青年は助けを呼ぶ。しかし、当然のように助けは来ない。何故なら…このホテルは、そういうホテルなのだ。
助けは来ない。来るとしたら、従業員と、選ばれた客の男だけ。

「こちらでございます。どうぞごゆっくり」
「んっ!?」

突然聞こえた声に、青年は怯える。目隠しで見えてはいないが、客が訪れたのだ。
スーツを着た、若い客の男。歪んだ性癖を持った…この特別なホテルの会員だ。ここに来る客は全て、男を嬲る事に興奮を覚える者ばかり。
この客は事前に電話を入れ、逆さ吊りの男を用意させていた。

「ふむ…なかなかだな」

品定めの呟きが、吊られた男に聞こえた。顔も見えない相手に痴態を晒す屈辱に塗れながらも、男は助けを求めた。

「お願い、っです…もう、下ろし、て…」
「私はまだ、来たばかりなのにかい?」

必死の懇願は、笑い混じりの返事で一蹴された。心が折れそうになるが、諦めずにもう一度頼もうとする男。

「んぐっ?」

頼む為に開かれた口は、塞がれてしまう。何も見えなくとも、何度もこのホテルでさせられた経験から、男はそれが何かが分かってしまった。
そして客の男が、命令を下す。

「しゃぶりなさい。その可愛い口で」

入れられたモノは、太く逞しい男根。吐き出そうとしても、吊るされた身体では逃げられなくて、男は言う通りにくわえ、舌で舐めしゃぶるしかない。

「んむ、ふちゅ…っ」
「上手だね。君のペニスとお尻も、いやらしくヒクついていて良い眺めだ」

頭を下にされた格好で、嬲られている股間を観察されながら男性器に口で奉仕をさせられて、男はだんだんと恥辱に耐えられず、知らず知らずの内に心が現実から目を背けた。
快感を否定するのではなく、悦んで。強制されているフェラチオも、望んでやっている。そんな風に、男は考え出す。

「んちゅ、ふむぅっ」

不自由な身体をくねらせてペニスを喉の奥まで受け入れ、一生懸命に舌を這わせる男の姿に、客は微笑んだ。

「良い子だ。ほら、ご褒美をあげよう」

客の男はそう言っておもむろに。

「うぐ!? んふぅぅっ!」

アナルのバイブを掴んで、より中を掻き乱す為に出し入れを始める。ぐぽっ、ぐぽっと卑猥な水音が部屋に響き、同時に吊られた男のくぐもった悲鳴が甘く跳ね上がる。

「それから、これはお返しだよ」
「んもっ、んぐぅぅぅっ!!」

その上ペニスをくわえ返されて、吊られた男は激し過ぎる性刺激に身悶えた。
ビクビクと身体の震えが止まらない。震える度に縄が軋んで肌に食い込む。ぼうっとしている頭には断続的に自分が分泌したすえた香りの体液が降って来て、上の口も下の口も淫らな物体で蹂躙されてペニスは熱く濡れた舌で愛撫される。

おかしくなりそうな悦楽。いや…もう男は壊れていた。そう言い切れるくらいに男は蕩けた反応をしていて、拒んでいた時の様子はもはや見る影も無い。

「イぐ…んちゅっ。イぎまふぅぅっ!!!」

舌での奉仕を途切れさせずに、男は絶頂を伝えた。

「私もイくよ…! 全部、飲み干しなさい」

掠れた声での指示に、男はペニスを強くくわえ直してこくこくと頷いた。

「くっ…!」
「ふぉっ、おぷっ、んむぉぉぉっ!」

吊られた男の口に、客が射精した。大量の精液が、男の口を満たしていく。

「んぐ、んぐ、んっ…」

精液を喉を鳴らして飲む男。激しく身悶えたせいで目隠しは外れていた。晒された表情は心から飲精を悦んで、一滴残らず飲み干そうとして一心不乱にペニスに吸い付いている。
淫猥な男の痴態に目を奪われ、客は男が出した精液を口に含む事さえ忘れていた。

はっとした男は、しばらく考えてポケットからスマートフォンを取り出す。電話を掛けて、会話を始めた。

「あぁ、私だ。すまないが…この後の予定は別の日に回してくれないか? あぁ…頼む」

部下に連絡して、客は男の口からペニスを抜く。

「ふぁ…んっ」

不満気に声を漏らす男から離れ、客は部屋の内線でフロントに言った。

「もしもし?…そうだ、一晩に変更したい。それと、道具も用意してほしい」

一晩に変更、それを聞いて男の身体は嬉しさで疼いた。
一晩中、苛めてもらえる。たくさん、気持ち良くしてもらえる。

期待だけで、男のペニスは硬さを取り戻していた。

「お待たせ。さぁ、下ろしてあげるよ。その後…たっぷり犯して喘がせてあげる」
「あぁ…ありがとう、ございまふ…っ」

心の底から凌辱の宣言に対しお礼を述べる、淫乱な男。
雄の性奴隷として見本とも言えるべき憐れな姿を晒して、男は笑って、悦んでいた。
舌を犬のように突き出し、アナルをヒクつかせながら。

幸せになれるお仕置き( 1 / 1 )

休みの日の、体育館の倉庫。入り口から最も遠く奥まったその場所に、数人の男子生徒がいた。
それは、運動系の部活の先輩達と、一人の後輩。パイプ椅子に座ってくつろいでいた先輩が、後輩に話し掛けた。

「どうよ? ちったぁ反省したか?」
「んぐっ! うーっ!」

問い掛けられて、後輩は丸めたハンカチを詰め込まれた口で唸り声を上げる。後輩は今、怒りを買った先輩に捕まり、反省を促されていた。
倉庫に置いてあった一つのマット。前転をする時に使う物ではなく、高い位置から着地した人間を受け止める為の、分厚いクッションの入ったマットだ。

そのマットの側面に付いた運ぶ為の持ち手。その持ち手に、後輩はX字に拡げられた手足をロープで縛り付けられていた。この拘束を施された後輩は手足を伸ばしたまま曲げられず、抵抗も出来ない。
暴れたところでその力はクッションに吸収され、何の意味も無かった。

「うーっ! うぅっ!」

無駄な抵抗を続ける後輩を、先輩はせせら笑う。

「ンな事したって効果はねーよ。俺らが口だけでお前に真面目にやるよう言ってたみてーにな」
「んぐっ!」

皮肉を言われ、後輩は悔しそうに表情を歪める。
幾度注意をしても態度が悪く、挙句の果てに部室で喫煙までしていた後輩。そして今日堪忍袋の緒が切れた先輩数人に呼び出されて押さえ付けられ、この体育倉庫で縛り上げられている。
調子に乗っていた後輩への仕置き。その目的で集まった先輩は様々な用意をしていた。

「口だけじゃ無駄ってよーく分かったからよ。お前の身体に教え込んでやるわ」
「う…っ?」

一人の先輩が、ハサミを取り出す。何をされるか理解できない後輩は、首をかしげた。
だが、ハサミの使い道はすぐに教えられた。自分が着ている服に、刃がかけられたから。

「んぅっ…ぐっ!?」

暴れて逃げようとした後輩の首を、別の先輩が手で掴む。少し力を入れられたら呼吸が止められる状態にされて、後輩は一気に大人しくなった。

「良い子にしてねーと、間違って大事なところをちょん切っちまうぞ?」
「…………」

脅し文句に怯えて、後輩は小さくうなずいた。それを確認した先輩は、気兼ね無くハサミで服を切り裂いていく。

「う、うぅ」

冷たい刃が肌を滑りながら、後輩のシャツが切られる。へその近くから首までが縦に切られ、後輩の胸と腹を空気に晒す。
続いて、ズボンが切られていく。

「お前のチンコとケツ穴が丸出しになるように、キレイに切ってやるよ」

言って、股間の部分の布が丸く切り取られていく。ペニスの近くを鋭利な刃物が動き回っていて、生意気な後輩は恐怖で震えていた。
その表情を見て、一人が耳元で告げた。

「最初から言う事聞いときゃこんな目に遭わなかったのになぁ」

恐怖を煽る言葉に、確実に後輩の反抗する気力は奪われる。許してと言いたくても口は塞がれているので、後輩は与えられる物全てを拒めない。
ハサミを使い終えた先輩達が、次の道具を使う事も。

「ほら、これが何か分かんだろ?」
「んぅ…」

分かる、分かってしまった。見せられたのは、大人の玩具で、ピンク色のローター。
振動して性刺激を与える淫具が、テープで後輩の左右の乳首に貼り付けられた。

「んじゃ、スイッチオン」

躊躇いも無く、淫具のリモコンが操作される。ダイヤル式のスイッチが右に回され、そして。

「ふっ…うぅっ…」

後輩の乳首が、弱い振動で責められ始めた。
初めての感覚に後輩は戸惑うが、その感覚は紛れも無い快感で。心は嫌がっても身体は素直に反応を見せて熱くなっていく。
露出させられたペニスも、天を向き出した。

「おいおい、お前乳首弄られて感じてんのかよ。変態だな」
「ん、ふぐぅ」

違うと思っても、自分の意志では勃起していくのを抑えられず、ついにはペニスが完全にふくらみ、その姿を先輩達に見せ付けた。

「お前大悦びじゃねーか。これじゃお仕置きにならねーな」
「そんなに腰揺らして、気持ち良いのか?」

指摘され、後輩は自分の腰がくねっている事を知る。乳首の快感と連動してるその動きは、マットを軋ませて先輩の目を愉しませる。

「んふ、んふぅ…」

目を潤ませている後輩は、いつものふてぶてしい態度が消え去っていて、鼻から甘い息を漏らしている。
その様子を見て、先輩は別の道具を取り出す。紫色の半透明で、柔らかい素材で出来た筒。いわゆる、ペニスを扱く為に使うオナホールという物。
すでにローションで濡れているオナホールは、先輩の手によって動かされ、カチカチにそそり立った後輩のペニスをその中に包み込んだ。

「おぅ、むふぅっ!」

敏感な性器を柔らかく覆われ、後輩は気持ち良さにビクビクと腰を跳ねさせた。
縛られた手足がぶるぶると震えて、マットが音を立てる。

「気持ち良いのが好きなら、おかしくなるまで気持ち良くしてやるよっ」

オナホールを持った先輩の手が、後輩のペニスを扱き出す。訪れた激しい快楽に、後輩は全身を痙攣させて悲鳴に近い喘ぎを上げる。

「んぅーっ! ふむ、むふぅぅぅんっ!!」

口に詰め込まれたハンカチを強く噛み締め、涙を零して身悶える後輩。
そのペニスからは断続的に先走りが零れ、オナホールの隙間から溢れ出していく。
ローターで責められている乳首も赤く立ち上がり、見るだけでいやらしいと思える変化を遂げていた。

「こいつ…エロすぎだろ」

快感に苦しむ後輩を罵倒しようとしていた先輩は、全員が後輩の痴態に釘付けになり言葉を失っていた。

「んふ…くふぅぅっ」

大きく腰を反らせて、後輩が射精をした。先輩が後輩の口から詰め物を出し、尋ねる。

「どうだ、気分は」

何とか最初の目的に戻ろうとして出された問い。だが、蕩けた後輩は真っ赤な顔ではしたなくねだる。

「んっ、もっろぉ…してぇ…」

その言葉で、先輩全員の理性が飛ぶ。一人は自身のペニスを後輩の顔の前に突き出し舐めさせ、またある一人はローションを指に付け後輩のアナルに差し込む。
そんな風にして、後輩をひどい目に遭わせようとしていた先輩は後輩の淫乱さにあてられ、後輩の身体を貪り出す。

「あぁんっ、めちゃめちゃ…いいよぉ」
「どうする? 俺らの言う事聞くなら、もっともっと気持ち良くしてやるぞ」
「あぁっ、聞くぅ、聞きまひゅっ! だから、もっと、もっろぉ…!」

最初は制裁のはずが、いつの間にか乱交に変わり、目的も達成されていた。
幸せな性奴隷となった後輩と、逆に病み付きにされてしまった先輩をも作り出して。
五月雨時雨
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