「ところで、十万手に入れたらどうすんの?」
「そっすねー…とりあえずスマホ新しくしたいっすねー」
尋ねられ、笑って答える少年。服は着ておらず全裸で、男達に縄で手足を縛られている。
だが、慌てる様子などは全く無く、むしろ余裕たっぷりの表情をしている少年は、手首と足首を縛り終えた男達が離れるのを見て首をかしげた。
「あれ? これだけっすか? これから脱出したら十万?」
『ゲームに挑戦する男子募集! 成功すれば報酬十万円』
少年は、街で手に入れたチラシを見て、今ここにいる。そして言われたゲーム内容は、一時間以内に拘束された状態から脱出する。という物だった。
「まだだよ。もう少し追加するつもり」
男の一人が笑って言う。男達のその朗らかな雰囲気に、少年は騙されていた。
それに気付いていない少年は、何の警戒も無く返事をする為に口を開いた。
「そっすよねー。これで終わりな訳…んぐっ!?」
少年の言葉を遮ったのは、突然口に詰め込まれた布。驚いた少年は布を取り出そうと口に手を伸ばしたが、その手は男達に抑え付けられてしまった。
「んぅ! んーっ!」
「大人しくしろ!」
豹変した男達に対して少年は必死に抵抗するが、手と足を縛られている上に相手は複数。少年は抵抗むなしく、口の布を吐き出せないようにとガムテープで栓をされてしまった。
「次はこれだ」
「ふぐっ…んぅーっ!」
じたばたと暴れる少年の身体を簡単に制して、男達は拘束を追加した。それは、手錠と足枷。そして、少年の手を握り込んだまま開けなくする、特殊な手袋。手袋には南京錠が付けられており、自力では脱げない仕組みになっていた。
「ふぅ、ふぅ…」
裸のまま言葉も自由も奪われ、床に転がる少年。呼吸を制限された状態で暴れてぐったりとしていたが、男達は休ませはせずにその身体を持ち上げて運ぶ。
何も出来ない以上、されるがままに運ばれるしかない少年。隣の部屋に運ばれる最中に、少年はやっと騙された事に気が付いた。
後悔する少年。その目に、恐ろしい物が入り、耳に恐ろしい言葉が入った。
「ほら、脱出すんのは、あの檻の中からだよ」
「うぅんっ!」
隣の部屋に用意されていたのは、金属で出来た檻。縦に長くて、天井と床の部分には枷が付いていた。
「うーっ! んぅぅぅっ!」
くぐもった叫びを上げて嫌がる少年。そんな反応に構わず男達は少年を檻に入れ、手を天井の枷、足を床の枷に繋げてしまった。
「うぅ、ぐ…」
立ったまま拘束され、苦しげに呻く。高さは何とか届くギリギリにされていて、少年はつま先立ちをしたまま腰を曲げる事も許されない。
手首と足首をそれぞれ縄と二つの鍵付きの枷で封じられ、もはや少年は好き放題をされるしかない。
少年は観念をして脱力をするが、男達は白々しく残酷な事を言い放った。
「これだけじゃ楽に脱出出来るから、ちょっと邪魔をさせてもらうな」
「んっ!?」
まだ、何かをされる?
あまりの恐怖に、少年の身体はカタカタと震えた。それを満足そうに見つめて、男達は新たな器具を取り出す。
実物は初めて見たが、少年はその器具の使い方を知っている。故に、更なる恐怖に襲われた。
その器具の名は、ローター。細かく振動して敏感な場所に性刺激を与える、大人の玩具だ。
「まず、ここな」
「んぅ! うふぅ…」
柔らかいペニスを掴まれ、少年はビクッと跳ねた。そのまま手で扱かれ、少年は流れ込む快感にピクピクと反応する。
拒みたいのに身体は気持ち良さを覚えて、ペニスを勝手に膨らませていく。完全にペニスが勃起したところで、男は亀頭の部分にまだ動いていないローターをくっつけた。
「うぅっ!」
ローターが、ペニスごとコンドームに包まれる。ペニスの先端に淫具を固定するようにゴムを被せて、男が手を離す。
薄紫のゴムの下で桃色の亀頭とローターがクチュクチュと絡み合う。ろくに身動きも取れない状態ではむしり取る事は叶わずに、少年はいつスイッチが入れられるのかと怯えていた。
しかし、それより先に別の刺激が訪れる。
少年が性器に気を取られ、全然見ていなかった背後にいた男が、少年のアナルに異物を差し込んだのだ。
「んぅっ!?」
「そんな不安そうな顔すんなよ。淫乱になって余計な事考えなくて済む薬入れてんだから」
「ふぐぅぅ…!」
後ろの男が指に力を入れた事によって、少年のアナルに薬剤が注がれる。ゆっくり、じっくりと、心を淫らな欲望に叩き落とす催淫剤が、アナルを満たしていく。
それと同時に顔に布が増やされ、鼻と口を覆われた。息苦しさが加速して、アナルには薬を仕込まれ、少年は涙を零した。許しを請う為に自然と落ちた涙は、逆に男達の加虐心を駆り立てる。アナルに薬を入れ終えた男が立ち上がり、ポケットから鍵束を取り出す。他の男も出して、合計三種の鍵束が現れた。
「これは、それぞれ手の鍵と足の鍵と檻の鍵だから。サービスとして、君の近くに置いてあげるよ」
言って、男は鍵束を少年の乳首に近付けた。近付いて少年は束に見慣れない器具が付いている事を知り、それが自分の乳首を狙っているのも知った。その直後。
「っ…! うむぁぁぁっ!」
胸の突起を思いきり挟み込まれ、少年が悶絶する。器具は少年の左乳首を強く挟んで、鍵がぶら下がる状態を作った。
「うぅ、んうぅぅぅっ!」
少年の悲鳴は途切れない。右の乳首にも、同じ事をされたから。
だが、鍵束はあと一つ残っている。その動向を霞んだ目で追っていると、それには短い紐が付いていて。
その紐はきゅっ、と少年のペニスに結び付けられた。
「うぅ、うぅぅ…!」
男の感じる場所は、もうほとんど蹂躙された。プライドも、ボロボロだ。
それでも終わった訳でなく、むしろこれからが始まりだ。
「じゃあ、ローターのスイッチ入れるよ」
非情な声、ワイヤレスローターのスイッチが、カチッと入る音。
途端発生する、理性を削り取る快感。腰をくねらせるくらいしか出来ない少年だが、憐れに悶えて腰を振っている。
それを見て、男は檻から出て鍵をかけ、少年を檻に閉じ込めた。
「それじゃ、今から一時間、そこから脱出出来たら十万だから。頑張ってね」
「うぉ…うぅぅっ!」
もう、お金なんていいから。
お願い、このまま放置して行かないでぇ…っ!
心で叫んでも男達には届かず、部屋は少年一人となった。
当然一時間での脱出など不可能で、罰ゲームと称して弄ばれたのは…言うまでもない事かも知れない。
白い壁と床に囲まれた部屋。窓は無く、大声を出しても外には届かないように作られている。
たとえ助けを呼んだとしても、部屋の中で嬲られている男を救う者は現れない。言葉を奪うギャグボールを噛み締め、必死に呻いたとしても。
「うぅ、う…っ」
閉じられない口から唾液が滴り落ち、男の顔からは汗が垂れ落ちた。
流れる体液を拭いたくても、男は手を後ろに捻り上げられた状態で縛られ首輪に繋がれているので、どうする事も出来ない。
体液を垂れ流し、手の自由は利かず、自分を苦しめている機械や拘束もどうにも出来ない。男は、もう一時間程責め苦を与えられていた。
残酷な機械に従って、男は足を動かす。男の裸体は、ルームランナーの上に乗せられていた。
もちろん、ただ乗せられているだけではない。ルームランナーの取っ手に、首輪の前から伸びた縄が引っ掛けられていて、もう片方の縄の端は…男のペニスに結び付けられている。
「んぐ、ふぅ…っ!」
ペニスを睾丸からくびって絞り出す縄は、少し引っ張るだけで男に強い痛みと快感を生み出す。
つまり男が足をとめると縄が張り、首と性器に圧迫を与える仕組みが施されていて、男は足が疲れても歩きを終わらせる事は許されていなかった。終わらせてしまったら、気を失いそうな苦痛を味わうから。
男はペニスが痛みに晒されない為に足を動かす。しかし、痛みからは逃れられても別の責め苦からは逃れられない。
それは、快感。男のアナルには、ローター。大人の玩具が入れられていて、男の腸の中で振動をして性刺激を送り続けていた。
「おふ! くぅ…っ!」
男が背を反らせて高く喘ぐ。アナルのローターが歩いた事で動き、中の敏感な前立腺を強く抉ったからだ。
足を上げる度、下ろす度に中の肉は勝手に玩具を揉み込んでしまう。体液で濡れた中をぐちょぐちょと掻き回し、休み無い振動を続ける小さな機械に、男は翻弄されていた。
歩かなければ激痛に襲われ、歩くと内側から快感でプライドと精神を壊される。拘束されて逃げ場の無い性拷問に、男は涙を流して喘ぎ、目で助けを求めた。
「んぅ…うぅぅ…っ!」
ルームランナーの横に立ち自分を見張る男に、憐れな男は切羽詰まった視線を向ける。
もう、歩きたくない。許して。
だが、見張りの男はその目を見て残酷な言葉を放つ。
「生意気な目だな…まだこれくらいじゃ足りねーのか?」
「うっ!? んうぅ!」
違う、違う。否定する男に構わず、見張りは鉄球の重りが付いた足枷を取り出し。
男の足に嵌め、しっかりと鍵をかけてしまった。
「おぅ…ぐぅんっ!」
足の動きを阻害され、快楽で震えた足を男は酷使する形になる。
しかし、酷使しても時折間に合わず、縄が張って無慈悲にペニスが絞り出された。
「あぉぉっ!」
悲鳴を上げる男。そんな男を見て見張りは右手を上げ。
「んぐぅぅっ!!」
男の尻を容赦無く叩いた。そして言う。
「ほら、しっかり歩け。じゃないとまた叩くぞ?」
「う、うぅ…」
恐怖に怯えて、男は歩く。痛みと、快感と、疲労と、屈辱で。男の精神と身体はボロボロになっていく。
それでも、男のペニスは硬く勃起して、見張りの目を愉しませる。その姿をより惨めにする為に、見張りは尻を叩いた。
「うぐぅぅ!」
「足がとまってんぞ」
「くぅぅっ!」
「ちゃんと真っすぐ立て!」
「あうぅぅっ!!」
今すぐ舌を噛んでしまいたいくらいの苛烈な性拷問。だが、口に噛まされたギャグボールはそれを許さない。
どんなに屈辱を与えられても、全身を体液で塗れさせても、男は尻を赤く染まる程に叩かれながら歩き続けるしかなかった。