BL短編小説 50作品セット

盗賊少年にお薬を( 1 / 1 )

「くそっ! 外せよっ!」

カーペットの上で、一人の少年が吠えていた。
語気は強いが、今の状態では何の威力も無い。少年は手も足も拘束され、無様に転がされているから。

それも、膝を抱えさせられたままの状態で手に短い鎖の枷を嵌められ、足は後ろにでんぐり返りをするように上げられたまま、足首と首輪を繋がれている。
着ていた服は引き裂かれ、乳首やまだ幼いペニスを露出している。それを隠したくとも、少年は苦しい体勢で置物のように転がる事しか出来ない。

「外せ、外せぇっ!」

剥き出しの尻を掴み、腹から声を出して騒ぐ少年。そこに、少年を拘束した男が部屋に入って来た。

「てめぇ…!」

悔しそうに自分を睨み付ける少年に、男は嘲笑を浴びせてやる。

「盗賊とやらも、手も足も出なきゃただのうるさい猿だな」

少年の仕事は盗賊。男は商人。
少年は男の豪邸に盗みに入って運悪く捕まり、今屈辱を与えられている。

「しかも、自分の立場が分かっちゃいない馬鹿な猿だ」
「いぎっ…!」

近くにしゃがんだ男に尻を叩かれ、少年は痛みに呻く。
だが、すぐにまた男を睨み、敵意をぶつけた。拘束を解かれたなら、間を置かずして少年は男に殴りかかるだろう。

それほどの強い怒りを向けられながらも、男は涼しい顔だ。それもそうだろう、幾ら少年が男に怒ったところで、少年は情けなく転がったまま何も抵抗が出来ないのだから。
男は黒く笑って、少年のあごを掴む。

「どうする? 今素直に謝れば許してやらなくもないが…」
「黙れっ! てめぇふざけてんじゃねーぞっ!」

男の言葉が終わるより先に、少年が怒鳴った。完全にそれが男の予想通りだなんて知る由も無く。

「なら…謝りたくなるまでお仕置きが必要だな。盗賊なんて放っておいたら、世の中の為にならない」

言って、男は持って来ていた木の箱を床に置く。そして、右の親指と人差し指で…中から小さな粒を取り出した。
その粒は丸く、ピンク色をしている。しかし、あまりの小ささで指に隠れ、少年には何も見えていない。

「な…何だってんだよ」

何をする気か分からず、少年が少しだけうろたえた。その表情を見つつ、男は粒を持った指を少年の股間に運んでいく。
隠す事も許されず男の目に晒されている、淡い色のアナル。そこに近付いていく指。やっと恐れを感じた少年は逃れようともがくが、左手一本に抑え付けられるだけでそのあがきは無にされる。

「まずは、一つ目だ」
「おい、やめ…あぅっ!?」

小さな粒が、少年のアナルに押し込まれた。濡らされも慣らされもせず入れられた異物だが、その小ささ故に少年のアナルは入れられた物を簡単に飲み込んでしまった。

「一体…何を入れた…?」
「ふふ、商品の媚薬だ。中に入れると体温で溶け、そして…」

男の言葉に合わせるように、中にあった異物感が溶けて消え、無くなる。代わりに、より強烈な感覚が少年を襲った。

「うぁ…何、これぇ…?」

中で薬剤が拡がった部分が、じんじんと疼く。熱くて、焼けてしまいそうなもどかしさに少年は思わず届きもしない手でアナルに触れようとした。
それを目ざとく見つけた男は、少年に尋ねる。

「どうだ? 尻穴が疼いて堪らないだろう?」
「ンな訳…」

言ってから、しまったと口をつぐむ少年。だが、もう手遅れだ。

「これだけじゃ足りないか。じゃあ、もっと入れてやろう」
「あぅぅ!」

男の指が、次々と媚薬の粒を盗賊少年のアナルに挿入する。直前に入れた粒を押し込むように入れられ、少年は中を擦られてビクビクと震えた。

「だめ、やめ…あぁ!」
「何が駄目なんだ? お前のペニスは硬くなってるから、嬉しいんじゃないのか」
「ち、がぁぁっ!」

嫌がる間も、否定する間も、媚薬は間断無く入ってくる。手足の拘束をじゃらじゃらと鳴らして、少年は荒く息を吐いて蠕動する。
その身体が、一際強く跳ねた。奥で、粒が弾けたのだ。

「あぁぁ…薬、溶けてりゅ…! あんぅ、ケツ穴、うずうずするぅぅ!」

アナルの奥で媚薬が猛威を奮い、少年は淫猥な欲望に支配され始める。
少年にもうプライドは無く、必死に助けを求めて男を見るが、男はそれを無視して媚薬を押し込み続けた。

残酷な責め。腸内を無慈悲な薬剤で満たされる拷問。その拷問に、一旦の終わりが訪れる。

「あぅぅ…腹、パンパン。死ぬ、ひんじゃう…」

アナルの中が媚薬で膨らみ、入口からは最後に入れられた粒が出そうになっている。見えていない中では幾つもの粒が溶けて、少年の精神をも焦がしていた。
涙を流して切なさに悶える少年。憐れな姿だが、男はまだまだ少年を解放する気は無い。

「まだ反省してないだろ。反省できるように、ここに栓してやるよ」
「うぁぁっ!」

男は箱から淫具を取り出し、少年のアナルに差し込んだ。
それはアナルプラグ。肛門に栓をして、中の物を出せないようにされて、少年は泣き叫んだ。

「やめでぇ…ぬいでぇ、ゆるし…んぐっ!?」

許しを請う少年の口に、布が詰め込まれた。言葉も抵抗も奪われ、これでもう少年は性の責め苦にのたうつしか無い。
絶望を覚える少年の耳に、男が囁いた。

「実は常連から淫乱な雄の奴隷が欲しいって依頼があってな…良い所に来てくれたよ」
「っ…!」

商人の男は、性奴隷として盗賊の少年を調教し、売り飛ばすつもりだ。
それを知って、少年は震え、口の布を噛み締めた。

どんなに怯えても、拒んでも、少年はもう逃げられない。
疼くアナルをヒクつかせながら…少年は性奴隷の未来に、ただただ恐怖する事しか出来なかった。

スパイ達は調教の虜( 1 / 1 )

都内に本社を構える、大企業のビル。
その最上階、街を見下ろす社長室の窓際に、その二人はいた。

「んふ、んぅ…」
「おぅぅ…くふっ」

全身から汗を噴き出させながら高く喘ぐ二人の男は、どちらも服を着ていない。絨毯の上で裸体を晒し、快感に身悶えている。その快感の源は、アナルに突き入れられたバイブだ。

二人はバイブを抜き取りたくとも、出来ない。右の手首と足首、左の手首と足首を、それぞれ鎖で繋いだ革の枷で腕を後ろに回して繋がれているからだ。
床に膝を突き、背筋を反らせた状態で拘束された二人。動きを制限された手が届きもしないバイブへ必死に手を伸ばす度、バイブの容赦無い首振りでアナルが掻き混ぜられる度に、枷の鎖がじゃらじゃらと鳴った。

その金属音は重く厳重な拘束の証だったが、男達は音なんて比べ物にならないくらいの拘束感をひっきりなしに感じさせられている。

「あぅ…はぉぉ」
「んぐ、むっ」

二人の言葉を奪う一つの口枷、太く短い金属のリングに、二本の革ベルトが付いている。つまり、リング一つが男達の口を閉ざす事を封じた上で口を繋げ、呼吸すらも大きく制限している。
口で呼吸をすると相手の口内に吐息が入り、もう一人を苦しめてしまう。二人は快感の息苦しさと闘い、鼻を使って必死に息をする。

口枷によって接近させられている、もう一人の顔が快感で蕩けるのを間近で見つめながら。

「ひぐ、ひぐぅぅ…!」

一人が拘束された身体を跳ねさせ、射精をした。それに合わせて、もう一人が悲鳴を上げる。

「あぅぅ! ひんこ、こひゅりつけ…ないれ…」

口と同じように、男達はペニスも連結されていた。亀頭の下に小さな枷を嵌め、二本のペニスは先端を触れ合わせたまま離れる事が出来ない。
お互いに動かなければペニスの擦り付け合いは起こらないのだが、アナルに入れられている非情な淫具はそれを許さないかのように中を掻き回し続ける。

厳重に拘束されてはいるが、腰をくねらせるくらいの遊びはある。いや、正確にはその遊びはわざと作られた物だ。
長時間嬲られて身体中が重いのに、ペニスをぶつけ合う腰の動きをとめられない。そんな屈辱を男達に与える為に、拘束した人間が計算して作った物だ。

「んもぉ…ひやらぁ…」
「たふ、けへ。たふけ…っ!」

涙を流して身悶える男達。そこに、一人の男が訪れる。
男達を拘束した張本人で、部屋の主。社長である若い男。

「気分はどうだい? スパイ君達」

全身から体液を撒き散らす憐れな男達に、社長は言った。
男達は、この企業を標的にして送り込まれた…産業スパイ。それを見抜かれ、捕まり。今、社長室で性の仕置きを受けていた。

「あぁ、そうだ。君達の雇い主達に電話して聞いたら、関係無いから好きにしていいと言われたよ」
「んぅっ!?」
「しょ…んな…っ!」

自分達が見捨てられた事を思い知らされ、絶望する元スパイ達。その様子を眺めて、社長の男は自分のズボンに手を伸ばす。

「もう君達には居場所は無いだろう? 快感に堕ちれば、私の家で性奴隷として飼ってあげよう」

社長はズボンのファスナーを下ろして、自分の逞しいペニスを取り出し。そして、拘束された二人の鼻先に、そのペニスを突き出した。
途端、精臭に鼻を犯されて二人は呼吸をとめるが、口を繋がれて顔を背ける事も出来ず、呼吸をしなければ死んでしまうのでどうあがいても男根の香りからは逃れられない。

「んぅーっ、ふぅぅ…!」
「ひゃめ…あたま、ぼーっとすりゅ…」

一呼吸ごとに神経が欲情に蝕まれ、肉体もバイブの刺激で快楽に溺れさせられる。
二人はもう、言う通りに狂い、乱れるしか道は無い。

「ふふ…良い目になってきたね。君達は淫乱になれるよ」

そんな恐ろしい褒め言葉も…もはや、二人の耳には聞こえてなどいなかった。

山での露出は雄犬と( 1 / 1 )

整備された山道を、一匹の犬とその飼い主の男が歩いている。
赤い首輪に繋がれたリードを持った飼い主の前を、犬は四つ這いで進んでいた。

「ふぅ、んん…」

ふらふらと左右によろけながら歩く犬。ペットの青年は、噛まされた骨型の口枷の隙間から、熱い吐息を漏らしている。
人間の尊厳も無く動物扱いされている青年の目は、黒布で目隠しをされていた。それでも歩けるのは、足元にある誘導の突起を、地面に着かされた手足で確認しているから。

しかし、触覚で進む道は分かっても、目には何も見えない。
服を着せられず、茶色をした犬の耳と尻尾を装着されて山の中を歩かされて、他人の目を気にして青年は不安になる。誰かが、この姿を見ているかも知れない。そんな恐怖に青年は襲われていた。

だが、意地悪な飼い主は更なる羞恥を犬に与える。

「いやらしいね。後ろから見てると、君のカチカチのペニスも尻尾を嬉しそうにくわえてるお尻も、全部丸見えだよ?」
「ふ、うぅん!」

犬のように手足で歩く青年の後ろを進む飼い主の目には、全てが見えていた。
断続的に貼り付けたローターで刺激され勃起しっぱなしのペニスも、犬の尻尾付きの太いバイブがアナルを掻き回し、犬のアナルがヒクついて体液を溢れさせる様子も、何もかも全てが。

「お尻から出た愛液が、地面に染みを作ってるよ。それを見て誰かが染みを追い掛けて来たら…大変だね」
「んぅぅ…っ」

もしそんな事になったら、今の自分を見られてしまう。恥ずかしい格好で歩かされ、感じている自分を。
恐ろしい想像。であるべきなのに、青年は見られる事を想像して、ついバイブを絞め付けてしまった。

「おや? 君のお尻、今ヒクついたよ。もしかして…見て欲しいのかな?」

そんな事無い。青年がそう否定を示そうとするより先に、飼い主が言葉を続ける。

「犬の格好で、男なのにアンアン喘がされて。気持ち良さそうにしてるところを、たくさんの男が見てる。私に犯されて、大好きなペニスでお尻の穴を掻き回されているところをみんなが凝視してる。そんなのが良いのかい?」

淫らな状況を耳に流し込まれ、視覚が封じられている分その想像は頭の中で勝手にふくらんでいく。
飼い主に躾をされた身体は、妄想でも感度を高められるように育てられていた。淫乱な自分を見も知らない男達にさらけ出し、犯されるイメージに、青年は興奮して全身を火照らせていく。

山の中を通り過ぎる風にさえ快感を覚え、拒んでいたはずの露出が次第に悦びに変わっていく。
ペニスを突き込まれる想像をしていた青年は、アナルを疼かせてもどかしそうに腰をくねらせる。

発情しながら歩く淫猥なペットとの散歩。それは、目的地に着いた事で不意に終わる。

「ここにベンチがあるから。前足を乗せて、お尻を突き出しなさい」
「うぅ、んっ」

指示通りに手を突き、青年は尻を突き出す。目隠しで見えないが、その瞳は期待と性の欲望でとろとろに蕩けていた。

「良い子だ」
「んぉ…おんぅぅ…っ!」

飼い主が尻尾を掴み引っ張ると、アナルに嵌り込んでいたバイブがずぽっと抜ける。淫らな粘液塗れの淫具を脇に置き、飼い主はペットの腰を掴む。硬くなった自分のペニスを、淋しそうに開閉するペットのアナルにあてながら。

「君の大好きなモノだ。たっぷり味わいなさい」
「んおぉんっ!」

一気に入れられた快感で、本物の犬のように鳴く青年。口枷の端からはだらだらと涎が零れ、荒い息を吐いていた。
もはや人間である事を忘れたみたいに快感に悶えるペットに、飼い主は更に意地悪をした。目隠しと口枷を、素早く取り外したのだ。

「うぁっ…?」

突然に目隠しを取られ、目をつぶる青年。後ろから激しく犯されつつも目を慣らし、ここが何処なのかが見えた。見えてしまった。

「あ、ぁ…」

今自分が犯されているのは、街を見下ろす山の休憩所。青年は全裸で犬の耳を付けられ、アナルをほじられて感じている姿を街に見せ付ける体勢にされていた。

「あんぅ…やぁ、見られちゃうぅ…っ!」
「いいじゃない。街の人に君のいやらしいところ、見せてあげなよ」

言うと、飼い主は青年が目を逸らせないように、あごを掴んで街を見せ続ける。
実際は望遠鏡でも使わない限りは二人が何をしているかなんて絶対に分からないくらいの距離があるのだが、冷静に考える余裕なんて、もう青年にありはしない。

「あうぅ…みんなに見られたら、もうここに住めないよぉ…!」

そう言いながら、青年は全身をゾクゾクと震わせる。露出の悦びに溺れていく青年は、知らず知らずの内に街に見せ付ける為に胸を突き出し、舌を垂らして腰を振っていた。
完全に性の欲望に支配されたペットに、飼い主が笑う。

「もし住めなくなったら、私が一生飼って、可愛がってあげよう」
「はぁんっ…ありがとう、ございまひゅ…」

呂律の回らなくなった舌で、自分を凌辱する相手に感謝まで述べる青年。
それは、彼が身も心も雄犬に堕ちた事を示していた。

少年は騙されて檻の中( 1 / 1 )

「ところで、十万手に入れたらどうすんの?」
「そっすねー…とりあえずスマホ新しくしたいっすねー」

尋ねられ、笑って答える少年。服は着ておらず全裸で、男達に縄で手足を縛られている。
だが、慌てる様子などは全く無く、むしろ余裕たっぷりの表情をしている少年は、手首と足首を縛り終えた男達が離れるのを見て首をかしげた。

「あれ? これだけっすか? これから脱出したら十万?」

『ゲームに挑戦する男子募集! 成功すれば報酬十万円』
少年は、街で手に入れたチラシを見て、今ここにいる。そして言われたゲーム内容は、一時間以内に拘束された状態から脱出する。という物だった。

「まだだよ。もう少し追加するつもり」

男の一人が笑って言う。男達のその朗らかな雰囲気に、少年は騙されていた。
それに気付いていない少年は、何の警戒も無く返事をする為に口を開いた。

「そっすよねー。これで終わりな訳…んぐっ!?」

少年の言葉を遮ったのは、突然口に詰め込まれた布。驚いた少年は布を取り出そうと口に手を伸ばしたが、その手は男達に抑え付けられてしまった。

「んぅ! んーっ!」
「大人しくしろ!」

豹変した男達に対して少年は必死に抵抗するが、手と足を縛られている上に相手は複数。少年は抵抗むなしく、口の布を吐き出せないようにとガムテープで栓をされてしまった。

「次はこれだ」
「ふぐっ…んぅーっ!」

じたばたと暴れる少年の身体を簡単に制して、男達は拘束を追加した。それは、手錠と足枷。そして、少年の手を握り込んだまま開けなくする、特殊な手袋。手袋には南京錠が付けられており、自力では脱げない仕組みになっていた。

「ふぅ、ふぅ…」

裸のまま言葉も自由も奪われ、床に転がる少年。呼吸を制限された状態で暴れてぐったりとしていたが、男達は休ませはせずにその身体を持ち上げて運ぶ。
何も出来ない以上、されるがままに運ばれるしかない少年。隣の部屋に運ばれる最中に、少年はやっと騙された事に気が付いた。

後悔する少年。その目に、恐ろしい物が入り、耳に恐ろしい言葉が入った。

「ほら、脱出すんのは、あの檻の中からだよ」
「うぅんっ!」

隣の部屋に用意されていたのは、金属で出来た檻。縦に長くて、天井と床の部分には枷が付いていた。

「うーっ! んぅぅぅっ!」

くぐもった叫びを上げて嫌がる少年。そんな反応に構わず男達は少年を檻に入れ、手を天井の枷、足を床の枷に繋げてしまった。

「うぅ、ぐ…」

立ったまま拘束され、苦しげに呻く。高さは何とか届くギリギリにされていて、少年はつま先立ちをしたまま腰を曲げる事も許されない。
手首と足首をそれぞれ縄と二つの鍵付きの枷で封じられ、もはや少年は好き放題をされるしかない。

少年は観念をして脱力をするが、男達は白々しく残酷な事を言い放った。

「これだけじゃ楽に脱出出来るから、ちょっと邪魔をさせてもらうな」
「んっ!?」

まだ、何かをされる?

あまりの恐怖に、少年の身体はカタカタと震えた。それを満足そうに見つめて、男達は新たな器具を取り出す。
実物は初めて見たが、少年はその器具の使い方を知っている。故に、更なる恐怖に襲われた。

その器具の名は、ローター。細かく振動して敏感な場所に性刺激を与える、大人の玩具だ。

「まず、ここな」
「んぅ! うふぅ…」

柔らかいペニスを掴まれ、少年はビクッと跳ねた。そのまま手で扱かれ、少年は流れ込む快感にピクピクと反応する。
拒みたいのに身体は気持ち良さを覚えて、ペニスを勝手に膨らませていく。完全にペニスが勃起したところで、男は亀頭の部分にまだ動いていないローターをくっつけた。

「うぅっ!」

ローターが、ペニスごとコンドームに包まれる。ペニスの先端に淫具を固定するようにゴムを被せて、男が手を離す。
薄紫のゴムの下で桃色の亀頭とローターがクチュクチュと絡み合う。ろくに身動きも取れない状態ではむしり取る事は叶わずに、少年はいつスイッチが入れられるのかと怯えていた。

しかし、それより先に別の刺激が訪れる。
少年が性器に気を取られ、全然見ていなかった背後にいた男が、少年のアナルに異物を差し込んだのだ。

「んぅっ!?」
「そんな不安そうな顔すんなよ。淫乱になって余計な事考えなくて済む薬入れてんだから」
「ふぐぅぅ…!」

後ろの男が指に力を入れた事によって、少年のアナルに薬剤が注がれる。ゆっくり、じっくりと、心を淫らな欲望に叩き落とす催淫剤が、アナルを満たしていく。
それと同時に顔に布が増やされ、鼻と口を覆われた。息苦しさが加速して、アナルには薬を仕込まれ、少年は涙を零した。許しを請う為に自然と落ちた涙は、逆に男達の加虐心を駆り立てる。アナルに薬を入れ終えた男が立ち上がり、ポケットから鍵束を取り出す。他の男も出して、合計三種の鍵束が現れた。

「これは、それぞれ手の鍵と足の鍵と檻の鍵だから。サービスとして、君の近くに置いてあげるよ」

言って、男は鍵束を少年の乳首に近付けた。近付いて少年は束に見慣れない器具が付いている事を知り、それが自分の乳首を狙っているのも知った。その直後。

「っ…! うむぁぁぁっ!」

胸の突起を思いきり挟み込まれ、少年が悶絶する。器具は少年の左乳首を強く挟んで、鍵がぶら下がる状態を作った。

「うぅ、んうぅぅぅっ!」

少年の悲鳴は途切れない。右の乳首にも、同じ事をされたから。
だが、鍵束はあと一つ残っている。その動向を霞んだ目で追っていると、それには短い紐が付いていて。

その紐はきゅっ、と少年のペニスに結び付けられた。

「うぅ、うぅぅ…!」

男の感じる場所は、もうほとんど蹂躙された。プライドも、ボロボロだ。
それでも終わった訳でなく、むしろこれからが始まりだ。

「じゃあ、ローターのスイッチ入れるよ」

非情な声、ワイヤレスローターのスイッチが、カチッと入る音。
途端発生する、理性を削り取る快感。腰をくねらせるくらいしか出来ない少年だが、憐れに悶えて腰を振っている。
それを見て、男は檻から出て鍵をかけ、少年を檻に閉じ込めた。

「それじゃ、今から一時間、そこから脱出出来たら十万だから。頑張ってね」
「うぉ…うぅぅっ!」

もう、お金なんていいから。
お願い、このまま放置して行かないでぇ…っ!

心で叫んでも男達には届かず、部屋は少年一人となった。
当然一時間での脱出など不可能で、罰ゲームと称して弄ばれたのは…言うまでもない事かも知れない。

五月雨時雨
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