BL短編小説 50作品セット

Sな弟、ドMな兄( 1 / 1 )

「ただいまー。お兄ちゃん、お待たせ」

家に帰り、兄の部屋に入った少年が、テーブルに買った物を置きながら言った。
弟の言葉に対し、兄の返事は無い。それもその筈、兄は今、弟の手によって口を塞がれているのだから。

「う、うぅ…」
「どうしたの? お兄ちゃんのチンコ、大きくなってるよ?」

わざとらしく言われても、兄は布を詰め込まれてガムテープで栓をされた口で呻くのみ。手と足は、兄自身が持っていた枷で、拘束されていた。
手を後ろに回し、足を開かされ、床に座ってベッドに寄りかかる兄に、弟が声を掛ける。

「苛められて嬉しいんでしょ? 何て言ったって、自分で乳首やお尻を指で苛めてたんだもんね」
「うっ…!」

兄が見せられたのは、自分の写真。
弟が帰って来た事に気付かず、淫らな行為に耽っていた…自分の姿が、弟のスマートフォンに映し出されていた。

様々な性の道具を買い揃え、背徳的な自慰に夢中になっている事実を知られた兄は、その日から、脅されて弟の性処理をさせられている。
始めは拒んだが、元々苛められたいという被虐願望から生まれた弱みに付け込まれて弄ばれる度に、兄は弟に逆らえなくなっていった。今日も両親が仕事でいない時に命令され、素直に拘束された。

「この写真のお兄ちゃん、気持ち良さそうにしてるけど…僕に犯されてる時は、もっともっとエッチで、気持ち良さそうにしてるんだよね」

言われて、思わず自分の写真を見る。顔を赤くして、乳首とアナルを弄る自分。それよりも蕩けてる、犯されてる時の自分。
不意にアナルでペニスをくわえ込んだ感覚を思い出してしまい、兄のアナルがヒクついた。それを見逃してやるほど、優しい弟じゃない。

「あれ? お兄ちゃんのお尻、今ヒクヒクしてたけど…僕の気のせいだったかな」
「んっ!?」

まるで確かめるように、弟の指がアナルに触れた。それだけでも、ひどく感じてしまう。
全身を震わせる兄。だが、弟は更に兄を責める。

「あっ? お兄ちゃんのここ、ぐしょぐしょに濡れてるよっ! 病気かも知れないから、調べてあげるね」
「んぐぅぅ!」

既にほぐれていたアナルに、弟が躊躇いも無く指を突き入れた。乱暴な挿入なのに、兄の淫乱な身体はその乱暴さに興奮してしまう。

中指と人差し指が中を拡げ、柔らかな腸壁を擦る。兄の反応を愉しみ、弟は前立腺を指の腹で強く押し上げた。

「うぅぅっ!」

脳天まで届く衝撃に、兄は目を向いて身悶える。同時に、充分硬かったペニスが天に向かってよりふくらんだ。
喘ぎ鳴く兄のアナルを探る弟が、目当ての物を見付けた。

「ん? 何か入ってるね。指じゃ届かないな」
「んぐっ!」

アナルの奥に入っていた物体を指で突かれ、兄は塞がれた口で悲鳴を上げる。
耳に心地良い濡れた悲鳴を聞いて、弟は中の物を残したまま指を抜いた。
そして、命令をする。

「僕の力じゃ出してあげられないから、お兄ちゃんが自分で出してよ…出来るでしょ?」

無邪気な言い方だが、残酷な命令だ。
イヤだと拒みたくても、握られた弱みはあまりに大きい。
兄は目に涙を浮かべて…中の異物を自力で出し始める。

「むぅ、くぅ…ん!」

拘束された状態で、兄は肛門周りの筋肉に力を込める。濡れそぼったアナルがヒクヒクと蠢いて、いやらしく開閉を繰り返した。
淫猥な華が淫らに咲く様子を、じっくりと眺める弟。さっきまで羞恥を与える言葉を浴びせていたのに、何も言わない。

そのせいで、兄は自分のはしたない行為を余計に意識させられて、身体が高ぶっていく。
恥ずかしい瞬間を弟に視姦されても、兄は表情を溶かして感じていた。

「んぐ、うふぅぅーっ…!」

じゅぽん、と間抜けな音を立てて、兄のアナルから排出がされた。それは、ピンク色のローター。
弟に拘束され、捻じ込まれた、淫具。

人としての尊厳も失いそうな行為で興奮を抑えられない兄に、弟が冷たく言った。

「こんなので感じるなんて…ホントドMだね」

侮辱されてるのに、身体は悦ぶ。年下の、しかも弟にいいようにされても、兄の心と身体は快感に従順だ。

「もっともっとお兄ちゃんが変態になれるように…僕が、おかしくなるまで苛めてあげるよ」
「んふ、んふぅ…」

凌辱を予告されても、兄の中には期待しかない。
背中で拘束された手を握って、アナルをパクパクさせて。

兄は次の責めを、今か今かと待ち構えていた。

淫魔君との性生活( 1 / 1 )

一人の男が仕事から帰り、自室の扉を開け、玄関から、室内に声を掛ける。

「ただいまー」

呼んだ相手がやって来るまでに、男は靴を脱ぎ、鞄を置いて…。
ズボンのチャックを下ろし、すでに半勃ちになっているペニスを取り出した。
玄関前の廊下に姿を現した、男の帰りを待っていた存在はふらふらとした足取りで男に近付く。

「はぁぁ…ご主人、様…」

それは、靴下以外何も身に着けていない少年。だが、その年齢は三桁を超えており、頭には短い角。尻の谷間の少し上には、細くて長い尻尾が付いていた。
少年の正体は、人間では、ない。その正体は淫魔、男の精力を食事とする生き物。

「ったく…服くらい着ろって言ったろ?」
「あぅ…だって、ご主人様のせーえきが飲めるって思ったら、待ち切れなかったんですぅ…」

言いながら、少年は男の前にひざまずいた。男の子でありながら、精液を求めて表情を淫らに溶かしている。
指で自分の乳首を弄り、少年は男のペニスにむしゃぶりつこうとした。が。

「待て」
「ふぇっ?」

舌が触れる寸前、男が少年を止めた。驚愕を浮かべて、少年は男を見上げた。
本当に目と鼻の先にペニスがあり、呼吸をすれば汗で蒸れた男根の香りが少年の体内に吸入される。
直前で焦らされた少年は、見る見るうちに発情を加速させていく。息は熱くなり、もどかしそうに腰をくねらせる。

「しゃぶりたい…ぺろぺろしたいでふぅ…」

はしたなくねだる少年に、男は言った。

「おいで」
「あ…っ」

ペニスを出したまま、男は少年を誘導するように後ろ向きで歩く。それにつられて、少年は四つん這いで歩き始めた。

「あふ、はふぅ…」

発情した身体で、目の前のペニスを追い掛けるように歩く少年。自分の汗と、触られてもいないのにペニスから零れている先走りで床を汚しながら進む姿は、とても淫らで愛らしい。
エッチで可愛い淫魔の少年を一人占めしている幸せに浸りつつ、男はリビングのソファーに座った。少年も、主人の足の間に座り込み、ペニスの匂いを一生懸命嗅いでいる。
そして、少年の待ち望んでいた言葉が与えられる。

「…よし」
「っ! んむ、ふむぅぅ…!」

ようやく許可を出され、少年はペニスにむしゃぶりついた。一気に根元までくわえ込み、卑猥な水音をじゅぽじゅぽとリビング中に響かせる。

「足を伸ばして…お尻を上げて」
「んむ、ふっ…」

言い付けに従い、少年は尻を上げる。淫魔特有の尻尾を揺らして、むっちりと張った尻が男に捧げられた。
男は左手で尻を揉み拡げ、右の指で少年のアナルに触れた。

「お前のケツマンコ、汁垂れ流しだな。コレも、楽に入るぜ」
「ふきゅ…!? んふ、んふぅっ!」

昨夜使って、消毒したままソファーに置かれていたバイブを、アナルに突き込まれた。冷たい淫具に中を掻き回され、少年はペニスをくわえたまま全身をくねらせた。

「俺のチンコくわえて、ケツでバイブくわえて…嬉しいだろ?」
「ふぐ…! うれ、ひ、れふぅぅ!」

口に入っているモノを喉で絞め付け、少年は答えた。主人が自分のペニスに少年を押し付ける動きでバイブを出し入れしている為、少年の身体は上の口も下の口も塞がれたまま、何処にも逃げる事は出来ない。
息苦しさで涙が流れても、少年の表情は愉悦で満たされている。その頭の角を男が撫でてやると、淫魔の少年はまた蕩けた。もう何をしても快感に変わる状態だ。

「それだけ嬉しいなら、もうケツはバイブだけで良いのかもな」
「ん…ひやぁ。それは…ひや…」

少年の怯える反応を見て、男はバイブを抜き取り、少年の頭を優しく掴んでペニスを引き抜いた。

「んじゃ、どうして欲しいんだ? その可愛い口で…言えよ」

可愛いと褒められ、少年の身体がきゅぅんと疼く。少年は小さく立ってテーブルにうつ伏せになり、自分の尻を手で左右に拡げた。
少年の愛液に汚れたアナルが、主人に余すところ無く晒される。皺の一本一本も、主人のペニスを求めて淫猥にヒクつく様子も、何もかも丸見えだ。

「僕の…ケツマンコに、ごひゅじん、ひゃまのおちんぽぉ…いれへ、くらしゃい…」

回らない舌で男性器をねだる少年。もう、主人も意地悪をする気は無かった。

「よく言えたな。ほら、お前の大好きなモノだ」
「んぁ…あぁぁぁんっ!」

奥の奥まで貫かれ、少年は一撃で果てる。テーブルの下のフローリングに、精液が放出された。

「出しちまったのか? 淫魔にとって大事な生命力なのに?」

軽く責める口調。本当に怒っている訳でなく、少年の口から更なる淫乱な言葉を聞き出す為の物だ。

「はいぃ…出しちゃったから。ごしゅじんしゃまのせーえきを…僕に…いっぱいっ、らしてくらひゃいっ」
「分かったよ。入りきらないくらい、注ぎ込んでやる」
「んぁぁぁ!」

中の敏感な場所を主人のペニスで責められ、淫魔の少年は舌を突き出して大きく喘いだ。
食事と称して激しく身体を重ねる二人。普通とは違う、種族も全く違うけれど、確かな愛情が二人には通っていた。

「可愛いぜ、もっと、メチャクチャにしてやりたい…!」
「あぅぅ…ひて、僕を、メチャクチャに犯ひてぇぇっ!」

体育倉庫で監禁されて( 1 / 1 )

とある高校の、もう使われていない体育倉庫。
体育館の裏側の誰も訪れないような場所に、一人の男子生徒がいた。

「あぁ…あぁぁ」

髪を金色に染め、耳にピアスを開けた不良生徒だ。その不良は、天井を見上げて苦しげに呻いている。
不良は、中身が空になったバスケットボールの籠に、背中から入れられている。手足は籠の口の部分にピンと張られた縄で繋がれ、身動きが取れない。

下にはクッションが敷かれているが、蓋を閉められ鍵をかけられている。簡易的な檻だが脱出は困難で、入れられている不良のプライドはズタズタだ。
更に、そのプライドは身体に施された責め苦でじわじわと壊されていく。

「縄、解いて…! 乳首、乳首触りてぇよぉ…ケツも…おかしくなっちまうぅ…!」

不良は今制服を剥ぎ取られ、代わりに体操服を着せられている。それも、女子用、しかも乳首を股間を晒させるよう、大きく布を切り取られた物だ。
そして、丸出しにしたまま隠せない乳首とアナルには、特殊な薬剤が塗られている。塗られた場所に強烈な疼きを発生させる、残酷な薬剤。

「誰か、誰か…たひゅ、けへ…」

苦しげに身悶え、不良は手足の縄を外そうとするが、ビクともしない。乳首もアナルもじくじく疼いて刺激を求めるが、その欲求は身体の中を駆け巡るだけで決して満たされはしない。
ピンピンに尖った乳首は赤く染まり、少し顔を起こすとイヤでも視界に入る。アナルは不良自身の意思とは関係無しに、ひっきりなしにヒクついていた。

「あ、あぁ…誰かぁ…!」

涙を零しながら、不良が叫んだ。すると、それに応えるように体育倉庫の扉が開く。
一瞬助けが来たと安心した不良だったが、その表情はすぐに歪んだ。

入って来たのは、自分を拘束した奴ら。自分が今まで脅して金を差し出させてきた、優等生の男達三人だ。

「良い顔になってるね。とっても無様だ」
「どう? 自分が金を出させてた奴らに捕まって、性拷問を受ける気分は?」

不良は三人に金を出す、と呼び出され、薬を嗅がされて拘束された。
騙された自分にも拘束した男達にも腹が立つが、今は口答えする余裕は無い。

「頼む…解いてくれ…乳首、おかしくなるから…」

気が狂いそうな疼きに、不良は必死で懇願する。それを見て、優等生は鼻で笑った。

「あんなに威張ってたのに、情けないね。いつもみたいに大声出せば?」
「あぅぅ…っ」

絶望に染まる不良を見て、一人が籠の鍵を外し、蓋を開けた。

「そこまで言ってやるなよ。こいつ、乳首こんなになってんだぜ?」
「あぁぁぁんっ!」

蓋を開けた手が、そのまま右の乳首を押し潰すように摘んだ。強い刺激に襲われたが、待ち望んでいた快感に不良は不自由な身体をビクビクと痙攣させた。

「うわ、すっごい反応」
「淫乱だな…こっちも弄ってやるよ」
「ひっ!」

左の乳首に、別の手が伸びる。親指と人差し指が、不良の乳首を捉えた。

「やぁ…だめ、やめ…っ」

快感への恐怖を感じながらも、同時に期待を感じている不良。それを見逃さなかった優等生達は、乳首から手を離した。
困惑する不良に、優等生達が意地悪く言う。

「だめなんでしょ? ならやらないよ」
「やめて欲しいって言われたからやめたんだよ。もちろん、して欲しいって言うならしてあげるけど…」

言いたくない。そんな事、絶対に言いたくない。
けれど、乳首は一旦刺激を与えられた事で更なる疼きを発生させている。一度味わった快楽が忘れられずに、もっともっとと喚いている。
ほっておかれているアナルの疼きも合わせて、不良の少年は耐えきれなくなっていく。

「ほら、言うんならこっちにね」

スマートフォンのカメラを向けられても、口は勝手に動く。この先ずっと、映像として残るはしたないおねだりが、不良少年の口から放たれた。

「俺の…乳首と、ケツマンコぉ……いっぱい、弄って。気持ち良くしてくださいぃ…!」

屈服させた事を目と耳で確認した優等生達は、用意しておいた道具を取り出した。

「じゃあ、これで弄ってあげるよ」
「あ、あぁ…」

その道具は、大人の玩具。テキパキと、三人が不良の身体に淫具を固定する。

「ついでに、口も塞いでやるよ。ほら」
「んぐ!? むぅぅぅ…!」

口に丸めたハンカチを詰め込まれ、言葉を奪われる。これでもう、反論も、助けを呼ぶ事も、悲鳴さえもままならない。
不良が呻く間に、左右の乳首にはローターが貼り付けられ、硬く勃起したペニスには二つのローターが固定された。

そして、最後のプライド。不良少年のアナルに、バイブがあてられる。

「入れるよー?」
「うぅ、うっ…」

嬉しそうに言う声と、絶望の唸りが体育倉庫内に響き、バイブは一息にその全てが腸内に埋まった。

「んおぉぉぉ!」
「そんなに気持ち良いんだ? なら、もっと良くしてあげるよっ!」

声と共に乳首、ペニス、アナルの淫具のスイッチがいっぺんにオンにされる。
不良少年の性感帯が、意思を持たない残酷な器具によって容赦無く抉られる。

「んもっ、おぐっ…ふぐぅぅっ!」

檻の中で拘束された手足を震わせて悶え感じるその姿は、淫乱で惨め。
かつて自分達を脅していた相手が男の尊厳も無く喘ぎ狂う様子をしばらく目で愉しんで、優等生達は不良を入れた籠の鍵をかけ直した。するとおもむろに扉に向かい、こう告げた。

「俺達は午後の授業があるから、一人で愉しんでてな」
「放課後になったらまた来るから、それまで楽しみに待っててね」

そのまま、呼び止める間も無く三人は倉庫の外に出て、倉庫の鍵もしっかりと閉めてしまった。
これで本当に、誰も助けに入らない。

「ふむ、むぅ…うぐうぅっ…!」

涙を零しながら、不良少年は射精を迎える。白い体育服に、淫らな白が混ざった。

「むぉ、んふぅぅ…」

放課後に、また嬲られる。動画まで撮られてしまったから、これからは逆らえず…きっと、気まぐれにも嬲られる。
そんな未来に絶望を感じきる余裕も与えず、淫具は憐れな不良少年の身体を、これでもかといたぶり続けていた。

別荘のベランダで愛情調教( 1 / 1 )

「あぁ…あぁんっ!」

避暑地として名高い地域にある森の中。その森の別荘のベランダで、一人の青年が喘ぎ声を上げていた。

「あふ、はぅ…ご主人様…」
「何? アキラ」

自分の名を呼びながらビクビクと震えている全裸のアキラを、主人は木製のチェアーに座って眺めていた。
その視線から、アキラは逃れる事は出来ない。ベランダの柵に、手足を拘束されているから。
手は大きく拡げた状態で柵にピンクのファーが付いた手枷で繋がれている。足も同じタイプの枷で、大きく開いて拘束されていた。

手や足に負担をかけない素材で作られた枷に、柔らかな木製の柵。痛みや苦しさは全く無いが、その分、アキラは意識を強制的に羞恥と快感に集中させられていた。
他の別荘とは距離が離れている為、誰かに見られる心配は無いに等しい。だが、それでもベランダは遮る物の無い空間であり、アキラは見られるかも知れない不安に襲われていた。

「もう…や…です。外で、こんな…っ!」
「大丈夫だよ。私以外にアキラのエッチで可愛い姿を見たりはしない」
「で、も…」

反論をしつつも、アキラは大好きな主人に可愛いと言われて身体を熱くしていた。
ふくらんでいたペニスも、興奮でより体積を増した。

「気持ち良さに溺れて、そんな心配は忘れてしまいなさい」

立ち上がり、主人がポケットに入れていたスイッチを操作する。
すると。

「あぁ!? バイブ…強く…ぅ!」

アキラのアナルに嵌り込んでいた男根を模したバイブが、その動きを激しくした。
主人によって性器に変えられたアキラの腸内は、意思を持たない淫具に付いた無数の突起で掻き毟られ、途方も無い快感を発生させた。

「あぁーっ、あんぅっ! ご主人様、ごひゅじんしゃまぁ…!」

さっきまで屋外だからと抑えられていた声が、一際甘く、高く、大きくなる。
繋がれた手足を必死にもがかせ、ペニスを振り乱しながら身をくねらせるアキラの姿は…とても淫らで。
主人のアキラへの愛しさと欲情を、強く刺激した。

「いやらしいよ…アキラ」
「はむっ、んむ、ふぅ…」

少し屈んだ主人が、アキラのあごを優しく掴んで唇を重ねた。物理的にも逃れられない状況ではあったが、アキラの脳内にキスを拒む発想なんてありはしなかった。
快楽に乱された息が苦しくなっても、舌を差し込まれても。鼻から濡れた息を吐いてアキラは自分から主人の舌に舌を絡み付かせていく。
ぶちゅ、ちゅぱ。淫らな口付けの音が、森の中に消えていく。もう、アキラはここに誰かが来る事は考えていない。

ただ、主人に愛されたい。主人を愛したい。
主人の手で、おかしくなるまで気持ち良くされたい。

「アキラ…イきたい?」
「は、ひっ! イきたいれふっ…!」

優しく問われて、アキラは素直に答えた。主人は嬉しそうに微笑み、アキラの張り詰めたペニスを手で扱き始める。

「あぁっ、あぁんっ! イく、イく、すぐイっちゃいまふぅっ!」

恥も無く絶頂を伝えるアキラ。その表情は涙と汗でぐちゃぐちゃだったが、これ以上無い幸せを浮かべている。
それを見て、主人はより可愛らしい表情を見る為に、ペニスを擦る手を早めた。

「イぐ、イぐ…っ!」
「いいよ。たくさん出して、エッチな顔…私に見せて」
「んぁ…んあぁぁぁーっ!!」

言い付け通りにアキラは主人を見たまま、射精をした。主人の服に精液が染みを作る間も、アキラは絶頂の余韻に浸る姿を主人に捧げていた。
舌をだらしなく垂らし、身体中を快感で震わせているアキラ。涙で潤んだ目はトロンと蕩けて、主人だけを映し出していた。

その様子を見つつ、主人はアキラと柵を繋いでいた手枷を外す。力の抜けた身体は、主人に向かってドサッと倒れた。

「気持ち良かった?」

アキラを受け止めた主人が、アキラのうなじを撫でながら尋ねた。くすぐったそうに身を捩り、アキラは返事をする。

「はい…でも、あの…」

顔を赤くしてもじもじしているアキラの口を、主人が人差し指で塞いだ。言いたい事は、もう分かっているから。

「でも…もっと気持ち良くなりたいんでしょ? 私も…もっとアキラの事を可愛がって、声がかれるまで喘がせたい」

主人の願望に、アキラは自分の全てで応えたくなった。だから、告げる。

「はい…もっと気持ち良くして、可愛がって…いっぱい、俺を喘がせて下さい」

淫らなおねだりを聞いて、主人はアキラの尻を撫でる。それは、これから始まる愛ある調教の入口。

「愛しているよ。私の大切な、アキラ」

邪魔の入らない別荘で、二人は部屋に入る間も惜しく、ベランダで愛を確かめ合う。
その行為の音は、木々の中に静かに、消えていくのだった。
五月雨時雨
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