BL短編小説 50作品セット

捕らわれた人狼( 1 / 1 )

「うぅっ…」

窓の無い部屋で、一頭の狼が、鉄製の檻に入れられていた。
銀色の体毛をまとった体には、拘束具が取り付けられている。首には黒い革の首輪。手足には、首輪と同じ革でできた枷が嵌められ、檻の床に鎖で繋がれていた。
ふいに、狼が口を開いた。

「もう…ここから出してくれよぉ…っ」

口から出たのは獣の声でなく、人間の男の声だ。この狼は、実は狼じゃない。
かといって、人間でもない。この男はいわゆる狼男…人狼という存在だった。
満月を見る事で人間と狼の姿へ交互に変身する生物、人狼。この人狼は、狼の姿の時に運悪く罠にかかり、非道な人間に捕らえられてしまった。
どの世界にも、悪趣味な人間はいる。人狼を捕らえた人間は、人間と同じ思考を持った人狼。特に雄の人狼を狼の状態で捕らえ続け、閉じ込め続け。人狼に屈辱と恥辱を与える事を楽しみとしていた。
事実、この人狼はもう二カ月以上狼の姿のままだ。
満月を見れば人間に戻れるのだが、この部屋には窓が無い。月の見える所まで行きたくても、枷で拘束され、檻に入れられてはどうしようもない。
加えて、人狼には狼の体であるが故の辱めが施されていた。

「ひぐ…っ。また、イぐ…っ!」

人狼のペニスには、淫らな玩具が取り付けられている。
ペニスの根元近くで、左右から挟むように、二つのローター。先端で、上下から挟んで二つのローター。計四つのローターが、人狼のペニスにはテープで固定されていた。それら全てが振動し、刺激を送り込んでいる。
白い体液が噴き出したのに、人狼のペニスがまた勃つ。人間の体でなく、狼だからだ。何度イっても、またイってしまう。人間ならすでにイきすぎで苦しくなってるのに、狼はまだまだ快感を極められる。しかし、心は人間。

「イヤだ…も、死ぬ…っ!」

快感を受けて勝手に感じる自分の体を恨めしく思いながら、人間の理性が欲望に堕ちまいとふんばる。
そのあがきが、自分を苛む男を煽るなんて、知らないまま。

「ひ…っ!」

人狼の後ろ、檻の入口が開いた。振り返ると、男がいる。
自分に凌辱をしている相手が近づき、人狼は怯えた。必死で手足を動かすが、鎖の擦れる音がするのみ。男から、逃れる事はできない。

「あーあー。床、こんなに汚しやがって」

人狼の精液で汚れた床を、男が見下ろす。黒い檻の床は、人狼のペニスの下だけ牛乳を零したように真っ白だった。

「こんなにしといてまだイけるなんて、とんでもねぇ淫乱狼だな」
「違う…オレは、狼じゃない…!」

自分は、人間。狼じゃなくて、人間だ。
そう言い返す人狼に、男が意地悪く笑った。そして、新たな責め具を取り出す。

「生意気な狼だな。ちゃんと躾して、自分が淫乱な獣だって、思い知らせてやるよ」
「ひがっ!…ぅあぁ…っ!」

男が人狼のペニスに付いているローターの合間を縫って、その責め具を付けた。
それは、赤い革のベルト。ギュッ、とペニスを絞め付けられ、人狼は呻いた。

「これで、お前の狼チンコはイけないなぁ」
「うぁ、あ」

人間と形の違う狼ペニスの先端を擦られ、人狼は身悶える。
性感を高められ、ローターで刺激され続けたペニスが、射精を禁じられた。イきたくないと言いはしたが、快感を与えられたままでイけなくされたら、それは拷問だ。

「外し…あっ、イく、イけない! イきたいぃっ!」
「オレは……です。って言ったら、外してやるよ」

耳元で囁かれた言葉は、人狼のプライドを自ら叩き割るように仕向ける物。
絶対に言わない。言いたくない。と人狼は拒否を示した。そんな反応も、男は予想済み。
さらなる責めを、男は用意していた。

「これ、何だか分かるよなぁ?」
「ひっ! イヤ、だ…!」

男が取り出したのは、一本の棒。人の男性器を模したバイブだった。
人狼は、それに恐怖を覚える。むしろ、恐怖しかない。
何度そのバイブに絶望させられたか、理性を堕とされたか、もう数えきれないくらいだからだ。
これから、また屈辱を与えられる。意思も熱も持たない、たった一本の棒によって。

「あぐ…っ」
「すんなり入ってくなぁ、エロ狼」

すでに慣れてしまっている人狼のアナルは、勝手にバイブを受け入れる。
イヤなのに淫らなオモチャを呑み込んで、イヤなのに感じる体。自分の中が心とは裏腹に悦んで、バイブをしゃぶるのも分かってしまった。

「ひぃ…っ!」

男が人狼の首輪をつかんで引っ張る。首に輪が喰い込んで、息がしにくくなった。
その瞬間を狙って、男がバイブのリモコンを操作する。全ての自由を取り上げられた人狼のアナルに、中を掻き回す動きが加えられた。

「あぁーっ…! っ、えほっ、あがぁっ! うぇ…おぁ」

息苦しいけど、気持ち良い。屈辱なのに、気持ち良すぎる。
でも、こんなに良いのにベルトのせいでイけない。

「うぁ…イきた…」
「じゃあ、言えよ」

それはイヤだと首を振る。すると、男は人狼をさらに追い込んだ。
アナルのバイブを右足で踏んで押し込み、首輪を引いた。首が圧迫され、息をするのすらやっとになる。
ヒクヒクと唇を震わせる人狼に、男はどちらを選んでも終わりの選択をさせる。

「どうする? さっきの言うか、それともこのまま呼吸困難で死ぬか」
「い、う…言い、ます……」

人狼が答えると、男は首輪から手を離した。呼吸が楽になり、人狼は空気を吸い込む。
そんな小休止さえ、男は許さない。バイブを押さえた足で、バイブをぐるぐると動かし始めた。

「やぁっ! やめ、や…」
「だったら、早く言え。もっと、ヒデー事されたいか?」
「うぅ…」

人狼は涙を流す。悔しさに震えながら、その言葉を口にした。

「オレは…獣です。淫乱な雄狼ですっ!」

望んでいた言葉を聞き、男が不敵に笑う。

「なるほど、だからこんな人間じゃあり得ないくらいエロくイき狂ってんのか」

それは、人狼の人間の心を挫く言葉だが、人狼が苦しみから逃れるには言うしかない。

「はい…狼だから、エロいんです。オレ、狼だから、イき狂ってんですぅっ!」

自分で自分を貶める。その中で、人狼は確実に正常な思考を破壊された。

狼だから、イってもいい。こんなに感じてるのも、しょうがない。心が、だんだんと快感を肯定する。

「じゃあ、もっとイかせてやるよ」

言って、男は人狼のペニスを戒めていたベルトを外した。パンパンになった性器がブルンッ、と跳ねて。

「ひあぁぁぁっ!」

人狼の体が、絶頂を迎えた。痙攣しながら白い体液を噴き出させ、人狼が崩れ落ちそうになる。その前に、男の右足がバイブを動かした。

「あっ、あぁっ」

力の抜けかけてたペニスが起き、ローターが人狼をまた熱くさせた。
本人は気づいていないが、人狼はアナルのバイブを動かすように自分で腰を振っている。
その姿は…ホントに盛りのついた狼のようで。

「あぅっ、もっとぉ」
「くくくっ、マジで淫乱だな」

男の蔑む声を浴びながら、人狼は人間である事を捨て。
深い快楽へと、拘束された体をもがかせながら溺れていった。

エッチなサプライズバースデー( 1 / 1 )

「遅くなっちゃったなぁ…」

自分の部屋の前で、男が呟いた。今日は誕生日だというのに仕事が遅くなり、返ってこれたのは十一時半過ぎ。あと数十分で日付が変わる。
一人暮らしなら誕生日に一喜一憂する年齢ではないが、男には同居人がいた。しかも、恋人。
今日、誕生日を祝ってくれると言っていた、可愛い男の恋人だ。

「ただいま…」

そっと、男が入った。本来なら九時頃には帰る予定で、恋人にもそう告げていた。でも、帰れなくて。
電話を十時くらいに入れたのだが、出てはくれなくて。もしかしたら怒って出てってかも知れない、とも思ってしまう。せっかく自分の為にバースデーの準備をしてくれた恋人をこんなに待たせたのだ。怒られる覚悟はできている。
しかし、帰りのあいさつへの返事は無かった。やっぱり怒らせたのか、と男が肩を落としかけた時だった。

「ん、んん…」
「…駆?」

部屋の中から、恋人の声。何故かくぐもった声に、男は語尾を上げて名前を呼んだ。すると。

「んぐ…うぅ、むぅ」

苦しそうな呻きがした。男はすぐに異常事態を察知し、恋人の声がしたリビングに向かう。
勢いよくドアを開けると、目を疑う光景が飛び込んできた。

「駆…!?」

そこには、ほぼ全裸で、口にガムテープを貼られて床に転がっている恋人の姿。男を見て、駆と呼ばれた相手は縋るような目線を向けた。
男は慌てて近づき、駆の口のガムテープをはがす。近づいて気づいたが、駆の手は背中の後ろでピンクのファーがついた手枷で拘束されている。
テープを取ってもらい、駆は息をぷぱっと吐いた。そして、大丈夫かい? と尋ねようとした男に対し。

「んんっ…!」

自分から、キスを仕かけてきた。男は面食らうが、すぐに自分からもキスを返す。強盗が入ったのかと思ったけど、ならこんなキスを会話より先にする訳がない。そう悟ったから。
キスをしてくる駆の目を見て、発情しきってるのを感じ取ったから。

「んは…はっ」
「大丈夫か?…何があったんだ?」

キスで力の抜けた駆を、男がしっかりと支える。優しく、駆に尋ねながら。

「あ…康介さ…プレゼント、準備、誕生日の…っ」
「焦らなくていいよ。待ってるから」

息を切らしてしゃべろうとする駆を制し。康介と呼ばれた男は駆の頭を撫でてやる。
ゆっくりと、犬を可愛がるように撫でる。すると、駆は嬉しそうに目を細め、呼吸も落ち着いていった。
そろそろ、しゃべれるかな。頃合を見計らい、康介はさっきと同じ質問をした。
ニュアンスと口調を、とびきり甘やかす物に変えて。

「駆…何があったの? どうして、こんな格好をしてたの?」

こんな格好。と言いながら、康介は駆の体を見る。手は後ろで繋がれていて、服を着てない体には、代わりに装飾が施されていた。それは、リボン。赤いリボンが、体に少し巻かれていた。
リボンが巻かれているのは、本当に少しだけ。胸と、可愛い駆のペニス。
胸のリボンは横一直線。乳首の上を通るように一本巻かれている。リボンの途中で、二ヶ所浮き上がっているところがあった。それは紛れもなく、駆の乳首。赤いリボン越しに強調された二つの突起は、直接見るのとは違ったエロティカルを味わわせてくれる。
そして、ペニスのリボンは、幹の部分で蝶結びを作っていた。その色は、胸のよりも深い赤。しかし、同じリボン。そう分かるのは、駆のペニスが大量の涙を零し続けているから。その濡れようから、駆の体液で色が変わったんだと分かった。
拘束されて、恥ずかしい場所をリボンでアピールしている駆の体。どうしてこうなっているのか。康介はそう尋ねたが、実は二回目の質問をした時には理由に気づいていた。直前に「誕生日」と「プレゼント」のキーワードを聞いていたから。

「オレ…オレ、康介さんにプレゼントをしたくて。それで、自分で…」
「僕の誕生日に、可愛い駆をプレゼントしようとしてくれたの?」

自分の代わりに続きを話され、駆は赤面してうつむく。ここまで演出しといて、駆は恥ずかしがっている。康介に、その様子が愛おしく映らない理由は無かった。

「ありがとう、嬉しいよ」

抱きしめると、駆がほぅ、とため息を吐く。

「オレ…ずっと待ってて。康介さんが帰ってこなかったら…どう、しよ…って……っ!」

だんだんと涙声になる駆。こんな格好で、助けも呼べない状態でいたんだ。その心情が分からない訳はない。

「ごめん…恐かったよね」
「オレこそ、ごめんなさい…。電話も出れなくて。自分でやった事なのに、こんな…」

情けないのか、恥ずかしいのか。駆が泣きそうになる。それを見て、康介は。
駆が泣くより先に、唇をキスで塞いだ。

「ん…っ」

駆の心をほぐすような、優しくて甘いキス。その効果は抜群で、目から落ちそうになっていた涙は、スーッと引いていった。
様子を確認しつつ、康介は駆を押し倒す。背中を床につけさせながら、キスをゆっくり終わらせる。

「…あ、手のやつ、外してなかったね」

体の下敷きになっている、駆の手。それを拘束する手枷を外そうと、康介は手を伸ばした。

「待っ、てください」
「ん?」

動きをとめられ、康介は駆と目を合わせた。

「このまま…してください」
「…腕、痛くないの?」

正直、すぐに駆を欲しいと思っていたが、恐い思いをした駆に痛い思いまでさせたくない。そう想って、康介は口にした。
返ってきたのは、欲情を加速させる言葉。

「いい、です。オレ…早く、康介さんにプレゼントしたい…」
「…駆」

平常心を保ちつつ、左手でズボンのジッパーを下ろし、右手で駆の下の口に触れる。
駆のアナルは、まだ触れてないのに湿っていた。

「康介さん…慣らさなくて、平気です。もう、自分で…」
「そこまで…してくれたの?」

興奮しながらも、何とか気遣いする。
次の言葉でその気遣いは壊され、康介の中の駆への愛しさと欲望は破裂した。

「はい…。帰ってきた康介さんに、オレをプレゼントして、食べてもらいたかったから」
「駆、君は…どこまで可愛い事を言うんだい?」
「んぁぁっ!」

掠れた声で可愛いと褒めて、康介は硬くなっていた自身のペニスを駆に突き込む。
駆の言う通り、中はもうとろとろになっていた。押さえきれず、かなり急に入れたのに、苦しそうな様子はない。

「あんっ、康介さ、ぁあっん!」
「美味しいよ、駆」

誕生日に、自分の手でエッチなサプライズをしてくれた。淫乱で、可愛くて、いじらしくて。
世界一大事な、恋人を味わって。康介は幸福を覚えていた。

「嬉しいよ」
「あぁっ、オレもぉっ!」

まるで自分の幸福感が流れ込んでいるかのように、駆もあえいで笑っている。その顔は、さっきまで出そうになっていたのとは違う意味の涙が出ていた。
涙と、口から垂れた涎で駆の顔は汚れていたが、表情はとても淫らに砕けている。
駆の体が、ビクビクと震え出す。中も、合わせて康介のペニスを絞める動きをした。

「イく…オレ、あぁ!」
「もう少し、待って。僕ももうすぐだから」

出し入れするペースを早めながら、康介は駆のペニスに巻き付いたリボンをいつでも解けるようにつまむ。
リボンはモノをきつく縛って、駆がイけないようにしている。さっきから、何度も射精なしでイっているみたいだ。

「うぁ、こ…すけさんっ」
「うん。一緒にイこう」

言って、康介がリボンをピッ、と引く。結び目が解かれ、そして。

「ふぁぁ…イくっ。あぁ、中にも康介さん…のが…」
「駆の中、ピクピクしてるね」

駆は射精し、大量の精液を出す。同時に康介の精液が中に注がれた。
吐き出して、注がれつつ。駆は小さくイき続ける。康介が手枷を取ってくれる時の動きにさえ、絶頂を極めてしまった。

「あぅ…康介さん。んむ…」

自由になった手で康介の首に抱きつき、キスをする。進んで舌を絡め、音を立てた。
すると、当然のように二人のペニスはまた大きくなる。体の中で再び大きくなる康介に、駆はゾクゾクした。

「プレゼント、ありがとう」
「まだ、です。康介さんに、もっと誕生日プレゼントしたい…」

駆の言葉に、康介は困ったように笑う。

「僕の誕生日…もう過ぎてるよ?」

時計は十二時を回って、康介の誕生日は昨日になっていた。でも、構わない。

「オレは、今日一日康介さんへのプレゼントです」

今日は、康介にとって休日。二人きりの、約二十四時間。
一日中ずっとセックスしていても、誰もとがめはしない。

「じゃあ…プレゼントの可愛い駆。じっくり楽しませてもらうよ」
「んあぁ!」

ズン、と入れられたモノで、駆が声を上げる。
恋人同士。一日遅れのエッチでラブラブなバースデーパーティーは、まだまだ始まったばかり。

部長は部下に捕われる( 1 / 1 )

「部長の家に来るのは久しぶりですね」

マンションの廊下で、スーツ姿の男が呟き、玄関を開ける。先に中に入る男を、部長と呼ばれた男が見つめていた。
その瞳は潤み、顔も赤く息が荒い。一見したら具合が悪いと思うだろう。しかし、その正体を知っている男は、悠然と微笑み声を掛ける。

「ほら…いつまでもそこにいると、怪しまれちゃいますよ? 裕太、自分で、歩いて来て下さい」

部下に呼び捨てにされても、裕太は怒らないし怒れない。プライベートではこの部下…和哉の方が立場が上だからだ。
だから、逆らえない。裕太は足を震わせながら、一歩ずつ進んでいく。その動きはこれ以上無い程にぎこちなく、動きの度に裕太の息は熱を帯び、声が出始める。

「っふ…んぁ、ぁう…」
「もう少し、ここまで来れたら、ご褒美ですよ」

まるで飼い犬を呼び寄せる様に、和哉は上司である裕太を呼ぶ。その異常な状況にありながら、裕太は自分を抱き締める為に腕を広げて待っている和哉を見て、目を輝かせていた。
よろよろと歩き、つまずきつつも裕太は和哉の元に辿り着く。

「和哉…オレ、着いた…褒めてぇ…」

涙を浮かべて、十近く年下の男に甘える裕太。普段部長として部下を取り仕切っている強い男の仮面は外れ、淫らな本性がむき出しになり出した。
和哉だけが知っている、本当の裕太。

「良い子ですね、裕太は。ご褒美をあげましょうか」

言って、和哉はポケットに入っているリモコンを操作する。すると裕太の中でわずかにしていた駆動音が一気に大きくなった。

「ひぁぁっ! んぁっ」
「はい。ズボンを脱ぎましょうか」

ガクガク震えて和哉にしがみ付く裕太。その喘ぎに気を良くしながら和哉は、裕太のズボンを下ろした。

「もうびしょびしょですね。駅のトイレでお尻にローターを入れたのはついさっきなのに」

和哉の言う通り、まだ十分程しか経っていない。だが、和哉の調教で開発された身体には十分あれば充分だ。その証拠に、裕太のパンツは濡れている。
ローターの入ったアナルの周りをパンツの上から捏ねただけで、裕太は感じまくった。

「エッチですね、裕太は。プロジェクトが忙しくてご無沙汰でしたから、今日が待ち切れなかったんですよね」
「そう…オレ、待ち切れなかったぁ…。和哉に、触られたくて。苛めてほしくてぇっ!」

大きなプロジェクトがある時は二人きりになる時間さえ作れなかった。触る事も、それ以上ももちろん出来なくて。
和哉に育てられた淫乱な身体は、和哉を我慢せず独占出来る状況が、待ちに待った日が来て、朝から疼いていたのだ。

「お望み通り…たっぷり苛めてあげますよ。気が狂う程の快感で…裕太を泣かせてあげる」
「んんっ…んんーっ!」

耳元で囁かれた甘い誘惑の言葉で、裕太の背筋が震える。ローターで責められるアナルも指で擦られてヒクヒクと動いた。
そして、裕太の喘ぎは身体と共に大きく跳ねた。

「イくうぅぅっ! オレ、っあ、ぁっ」
「おや、僕の許可無しでイったんですか? 悪い子ですね」

悪い子、のフレーズに裕太は反応する。この後の言葉には、きっと。

「床も服も汚れちゃったし、お仕置きをしないとダメだな」

お仕置きという期待通りの言葉を聞いて、裕太は期待を膨らませた。
どれだけ、和哉に苛めてもらえるんだろう、と。

「まずは…お風呂場で綺麗に洗いましょうか」






「良い格好ですね。裕太」
「あ…和哉ぁ」

風呂場に移動して、タイルの床に寝転がっている裕太を和哉は見下ろしている。
見下ろされた裕太の身体は、全裸にされて何も抵抗が出来ないよう拘束されていた。
両腕を背中に回し黒い拘束具で繋がれ、更にそこには手首を拘束する黒革の手錠の鎖がナンバー式のシリンダー錠によって括り付けられている。これでは、裕太は手を使う事など出来はしない。
足も同じく拘束されている。右の足首と太もも、左の足首と太ももが、それぞれ足枷で繋がれていた。そのせいで裕太は大きく足を開いたまま閉じる事を許されない。恥ずかしく勃起したペニスも、その下で恥辱にヒクついているアナルも、和哉の目から逃れる事は出来ない。
これだけでも充分過ぎる程の拘束を施されているのだが、まだ拘束がある。ペニスを絞め付け射精を禁じているベルトと、首輪だ。
首輪には鎖が付いており、その鎖はタオルを掛ける為の取っ手に繋がれている。首輪に付いた鎖の音と重みは、裕太に自分を和哉のペットであると錯覚させた。
年下の男に全身を拘束され、痴態を晒して興奮する裕太を、和哉は愛しげに、しかしサディズムを込めた目で見つめる。その目で裕太は苛めてもらえる事への期待を膨らませ、背筋をゾクゾクと震わせてしまった。

「裕太には、やっぱり黒の拘束具が似合いますね。硬くなった乳首の赤とのギャップがいやらしいですよ」
「んぁぁっ!」

右の乳首を指できゅっと抓まれる。幾度となく弄られて大きく育った尖りは、和哉の指を悦んでより硬くなる。その感触を愉しみながら、和哉が右手でシャワーを取り、コックを回す。シャワーヘッドから、勢い良く湯が溢れ出した。
溢れる湯をしばらく眺めてから、和哉がクスリと笑った。

「裕太の淫乱な乳首なら…コレだけでも気持ち良いでしょうね」
「んひっ!? お湯…だめぇ!」

左の乳首に、シャワーの湯があてられる。和哉の言う通り、裕太の身体は意思の無い液体での刺激も、堪らない快感として認識してしまう。

「あぁぁ…指、イイっ! お湯も…イイよぉ…」

右の乳首は、和哉の長い指で丁寧に捏ねられ、ねちっこく抓られる。たまに強く引っ張られると乳首に自分の体重がかかって、生まれる苦痛と悦楽に、裕太は拘束された身体を激しくのたうち、舌を突き出し喉を反らせて喘いだ。
一方左の乳首は湯による大雑把で稚拙な責めを受ける。快感は入るが、指の刺激に比べたら当然弱い。同じようにしてほしくて、もどかしさに裕太は左乳首を疼かせた。

「あぁんっ…弄ってぇ! こっちも、和哉の指でっ!」

乳首を突き出して、裕太は和哉に訴える。そんな淫猥なおねだりを無視し、和哉派同じ責めを続けた。
届かないおねだりをする間にも、裕太の身体は限界に近付く。そうなるよう開発した和哉が、それを見逃す訳は無い。

「イくっ…イくぅっ…!」
「乳首だけでイくんですか?」

この…ド淫乱。

自身を貶める囁きを耳元でされ、裕太は一気に追い立てられた。

「ひぁぁっ…! イくぅぅっ!」

不自由な身体を陸に上がった魚の如く跳ねさせ、裕太が達する。激しい絶頂だったが、裕太のペニスは精液を出せない。根元を縛めるベルトがあるからだ。

「お願い、和哉。イきたい、イかせてぇ…」

無意識に腰を振りながら、トロンとした瞳と甘えたな口調で裕太はねだる。その趣味の無い男でも唾を飲みそうな仕草だったが、和哉は冷たく言い放つ。

「和哉。これがお仕置きだって、忘れたんですか?」

ビクッ、と怯える裕太に、和哉は続けて言った。

「これは、おあずけが必要かな」
「ひっ…!」

おあずけ、を裕太はひどく怖がる。それは、以前にされた時の事を思い出したから。
和哉の言うおあずけとは、何もしない事。前におあずけされた時は、裕太がどんなに体が切なくなっても、どんなにはしたなく必死にねだっても、和哉は何もせずに裕太を観察していた。
視姦されて、触られる事無く自身の淫乱さで堕とされる責め苦は辛い。だから、何とかして回避しようと拒む。

「お願い。おあずけはやだぁ。何でも…するから…」

裕太のその言葉を待っていた和哉は、意地悪く笑う。そして、シャワーを止めて床に置くと、立ち上がりボクサーパンツを脱いだ。
ブルンッ、と揺れて和哉のペニスが現れる。何度も自分を快感の果てに連れて行った肉の棒に、裕太の身体がじゅんと熱くなった。
アナルをヒクつかせながら物欲しそうにペニスを見る裕太に、和哉は命令を下す。

「さ…立って」
「う、ん」

寝返りを打ってうつ伏せになった後、風呂場の壁や浴槽の縁を使って裕太は拘束された身体を命令通り立たせ始める。
手も足も動かせない裕太が苦戦しても、和哉は手を貸さない。しかし、急がせる事もしない。ただじっと裕太を待っている。
最初は命令された事だが、待たれている事で急がなきゃという気持ちになり、だんだんと命令から自発的に『和哉の為に早く立たなきゃ』という意識に変わった。

「は…ぁ、立った…」
「ふふ…良く出来ました」

頭を撫でられて、裕太は目を細める。心地よさに身をよじる様子を見つつ、悪戯な表情を浮かべて和哉はシャワーを手に取った。

「コレは…ココに、ね」
「はぅっ!?」

正面から股間の下にシャワーを差し込まれ、裕太は声を上げた。
膝立ちになった裕太の下にあるシャワーは、縛られ動かせない裕太自身の足でがっちりと固定されている。そして、シャワーヘッドの先は…裕太のアナルに向けられていた。

これで…お湯、出されたら。

思わず想像し、裕太はペニスを反応させてしまう。和哉はそれを見て小さく笑うと、期待に応えるべく再びシャワーを出した。一瞬の間を置いて、湯が裕太の敏感なアナル。和哉に性器へと作り変えられた場所を打ち始めた。

「あぁっ、あぁんっ! 逃げられないぃっ…」

どんなにもがいても、自分の足が挟み込んでいるシャワーは外れない。感じまくる度に、射精を封じられたペニスから先走りが流れ湯と混じっていった。

「裕太、ほら。裕太の大好きなモノですよ」
「あっ…」

顔の少し前に、たくましく太い和哉のペニスが突き出された。
鼻に入ってくるすえた雄の匂い。そして湯で体温が上がりぽやぽやとした頭が、裕太のわずかな理性を溶かしていく。

舐めたい。和哉のチンコ、舐めたい。

欲望に駆られて、裕太はペニスに自ら近付く。シャワーの刺激で震え、拘束された身体で前へと進む。

「はあぅ…和哉の、チンコ…」

ついにペニスの前に辿り着いた裕太は、恍惚の表情で舌を垂らし、息使いの荒い口を大きく開けて、和哉のペニスをくわえ込もうとした。
そんな裕太の動きが、本人の意思に反して止まる。

「え…っ?」

裕太は驚いて振り向く。後少しで届くのに、本当に目と鼻の先なのに。首輪の鎖がピンと張ってしまい、それ以上近付けない。
全て、和哉の目論見通りだ。

「裕太、しゃぶって」
「無理ぃっ…届かな、いぃっ!?」

裕太が甘い悲鳴を上げる。和哉がシャワーの勢いを最大にしたのだ。

「あふっ…くぁっ。やめへっ、お湯らめぇっ」
「止めてほしかったら、しゃぶりなさい」

無茶な命令だけれど、反論まで頭が回らない。裕太は必死で舌を伸ばし、首輪で繋がれてる事も忘れてペニスをしゃぶろうとする。
泣き顔を晒しながら逃れられない刺激に悶える愛しい上司の姿に、主人である部下は満足げに笑い、言った。

「ほら、お仕置きなんですから、しゃぶらないと。それとも、もっとヒドいお仕置きをしてほしいんですか?」
「やら…お仕置き、やだぁ…」

お仕置きから逃げる為に裕太は身体を振り乱して拘束を解こうとするが、その身体はもう限界を迎えていた。ペニスに熱が集まり、絶頂を抗う事は出来ない。

「イくっ…イく! オレっ、イく…ぅぅっ!」

射精を伴わない二度目の絶頂。それを見て、和哉は裕太の足の間からシャワーを抜いた。

「ご主人様のをしゃぶりもせず自分だけイくなんて、これはお仕置きしか無いな」
「許してぇ。もう、許して」
「いいえ、許しません」

和哉の言葉に裕太は絶望する。が、それはすぐに喜びに変わった。

「罰として、裕太には可愛いアナルで僕のペニスをしゃぶってもらいます。どんなに泣いて感じようが、僕が満足するまで」
「あ…ぁんっ」

喜びに打ち震える裕太は、膝立ちの状態から優しく仰向けに倒された。その大きく開かされたアナルに、熱くて硬いペニスが押しあてられる。熱っぽい視線を向けてくる和哉に、裕太の身体はきゅんきゅんと疼いた。

「反省をしてるなら、裕太に飢えてる僕にいやらしく感じた顔を晒して、はしたなくイき狂って下さい」
「ぁん…分かった。っん! あぁっ、入ってきたぁっ!」

何の遠慮も無く突き入れられたペニスを、裕太の中は悦んで絞め付ける。

「裕太のアナルは良い子ですね。僕のをはむはむとしゃぶって、グネグネと揉み込んでる」
「ふぁぁっ! 嬉し、ひっ」

褒められた嬉しさは中の動きに直結して、ペニスをぎゅうぎゅう絞めた。その事により中が強く抉られ、堪らない快感に裕太は身体をビクビクと蠕動させる。
手足を拘束されて、支配される屈辱すらも快感にする裕太は、もう年上の男としてのプライドなんて欠片も持ち合わせてはいない。
主人である和哉から与えられる全部に悦び、望み通りの反応を返す一匹の淫らな雄犬だ。

「気持ち良さそうですね。いっその事、会社の皆にも今の裕太を見てもらいましょうか?」
「やだぁ…和哉以外に、あっ、なんてぇ」
「冗談ですよ。僕もこんな可愛い裕太を僕以外に見せたくない。出来るなら二十四時間監禁して閉じ込めて、ずっと可愛がっていたいくらいですよ」
「あぁ…っ」

和哉の願望が語られ、裕太は少ししてほしいと思う。
和哉に監禁されて、毎日和哉の事を考えて、和哉に苛めてもらえる。
何もかもを握られたペットの生活を想像し、裕太は興奮してしまう。

「っ…! 急に、絞め付けが強くなりましたよ」
「あぁ…和哉に監禁されたいって思ったら、つい。…んん、いいよ。オレ、監禁されてもっ」

きっと、幸せになれる。そう思って口にした。

「…そんな事、しませんよ」
「え…っ?」

苦笑して、和哉は裕太に顔を寄せた。

「僕は和哉の事が大好きで、大事ですから。裕太の人生を奪うような事はしたくありません」

これだ。
どんなに苛めてきても、裕太は和哉にこれ以上無いくらいに愛されている。これだから、抜け出せない。この年下の男に、自分から捕らわれてしまう。

「あぅ、和哉。好きぃ…」
「僕もです。嬉しい事を言ってくれたごほうびに、中にたっぷり出してあげます。裕太も、たくさん射精して下さいね」
「は、ぁんっ!」

ペニスのベルトが外され、勢い良くはじけ飛んだ。せき止める物が無くなり、裕太のペニスは熱さを増していく。
容赦無くアナルを和哉のペニスで擦られ、裕太は涙を零して甘い悲鳴を上げた。

「イくぅっ。アナルで…イくっ! あぁ、おかしくなるぅっ!」
「おかしくなりなさい。僕の可愛い、裕太」

名前を呼ばれて、熱い塊が裕太の最奥を突いた。意識を丸ごと押し上げられるような快感が全身を駆け巡り、そして。

「んはぁぁっ! イく、イくぅぅっ!」

裕太はアナルだけで精液を吐き出した。我慢させられた分、大量の精液が裕太の腹を汚した。

「僕も、イきます。中に…」
「あぁっ、あはぁっ。オレの中に、和哉の精液…」

中に注ぎ込まれる体液に、裕太はまた感じた。その可愛らしい蕩けた顔に、和哉はキスをする。

「裕太…」
「んむっ、ふぅっ。かず…や」

チュパチュパと舌が絡み合う卑猥な水音が、裕太の耳を犯す。
上の口をキスで塞がれ、下の口はまた硬くなっていく和哉のペニスでみちみちに塞がれていく。

「あんっ、和哉。もっとしてぇ…」
「もちろん。これはお仕置きですからね」

腰を揺すっておねだりをする裕太に、和哉は拘束を外しながら笑う。

「僕が満足するまで、明日も明後日も付き合ってもらいますよ。僕の、可愛い裕太」

こうは言ってるが、きっと満足なんてあり得ない。
本当に大好きで、和哉も裕太も、お互いを求める欲望に際限なんて無いんだから。

「和哉…ご主人様ぁ。もっとオレを苛めて、おかしくして…っ」

自由になった腕で和哉に抱き付き、キスをし合う。

明日からは土日。誰にも邪魔されず求められる。
愛し合う二人の甘い夜は…まだまだ、始まったばかり。

ヒーローは淫らに復讐される( 1 / 1 )

「くそっ! 離せっ!」

牢屋の中で、一人の男が吠えていた。男の両手両足は大の字に広げられ、牢の壁に鎖で繋がれている。男を捕らえたのは、普段男に懲らしめられている悪人達。男は復讐の為に捕らえられてしまったヒーローだ。
身動き出来ない男を見つめる悪人達。その手に握られた道具は、すべて男を辱める性具だ。
それらの性具を持って、悪がヒーローに近付く。

「な…やめ、んんっ!」

ヒーローの口に、言葉を封じるギャグボールが嵌められた。吐き出そうとする動きに対し、固定する為のベルトが頭の後ろで絞められた。容赦の無い拘束具の圧迫に、ヒーローは呻いた。
そんなヒーローに悪人達は淡々と作業を続けた。服を強く掴み、引き裂く。

「んうっ! うーっ!」

もがく男。しかし、服が破られる事を止められず、ヒーローは千切れた布を身に付けた無惨な裸体を晒された。
淡い色の乳首も、毛の薄いペニスも、悪人の目に露わになった。その乳首とペニスに淫らな細工が施される。ゴムチューブの付いた試験管のような器具。それが、二つの乳首とペニスを覆う形で取り付けられた。

「んっ? う…」

何をされるか分からず、ヒーローは眉をひそめる。悪人の一人が器具のスイッチを入れた途端、ヒーローの表情が一変した。声も怒りを込めた唸りが、甘さの混じった悲鳴となる。器具が掃除機のように、乳首とペニスを吸い上げ始めたからだ。

「んんっ! んぐぅーっ!」

ヒーローは性感帯を苛む淫具を外そうと暴れるが、吸い込む力が強く離れない。
残酷に責め立てられるペニスが、憐れに揺れるだけだった。身悶えるヒーローから、悪人達が手を離す。
そして背を向け、牢屋を後にし始める。

「うぅっ!? うぅーっ! ぐぅっ!」

ふざけるな。俺をこのままにするつもりか。

塞がれた口で必死に叫ぶが、反応は無い。

このままにされ、放っとかれたら。
このまま、機械に嬲られ続けたら。

想像が、ヒーローを支配していく。快感への恐怖が、プライドを粉々にする。

嫌だ。嫌だ

「うっ…うううううううっっ!!!」

恥も捨てた、懇願の絶叫。
だが、ヒーローを辱める者は、誰一人として振り返りはしなかった。

「んぐっ、んっ、ぐおっ」

一人になった牢屋の中で、ヒーローが悲痛に喘ぎ、泣き叫ぶ。
助けは来ない。快感からは逃れられない。絶望が頭をよぎる。

ヒーローへの復讐は、まだまだ始まったばかりだった…。

五月雨時雨
BL短編小説 50作品セット
10
  • 0円
  • ダウンロード

2 / 50