マンションの、とある一室。
そのリビングで、一人の男が寝転がっていた。服は、身に着けていない。
身に着けているのは、犬のようなふわふわした茶色の毛が付いたブーツを、両手足に一つずつ。首には、赤い首輪。
そして、ブーツと同じ色をしたイヌミミカチューシャと…アナルに入っている、尻尾付きのアナルパールだった。
それらは全て、男が飼われている事を表していた。男は床に寝ながら、主人の帰りを待っている。
そこに、玄関からの音が聞こえた。まるで本物の犬のように、男は玄関に出迎えに行く。
二足歩行でなく、四つ足で進みながら。
「良い子にしてたかい?」
自分を出迎えた愛しいペットの頭を、主人の男が撫でる。
「くぅん」
撫でられたペットは嬉しそうに鳴き、自分の尻尾を左右に揺らしながら主人にすり寄った。
男の位置からだと、尻尾と繋がっているオモチャをくわえ込んだアナルがヒクつくのも。その下のペニスが、ベルトを嵌められ、射精管理をされたペニスが、ゆらゆらと揺れるのも、良く見えていた。
「…おや?」
男がある事に気づき、語尾を上げた。
「床を汚して…悪い子だ」
言われて、ペットは床を見る。
ペニスが揺れていた、ちょうど真下。そこに、小さな水たまりがある。
それは、ペットの零した、先走りの液に他ならない。
「わ、ぅん」
怒られたペットが、体を縮込ませる。
「悪い子には、お仕置きが必要だな」
お仕置き。
普通なら受けたくないものだが、このペットにとっては、お仕置きはむしろご褒美だった。
期待した雄犬が、体を疼かせ始めるのを見逃す主人じゃない。
「こっちにお尻を向けて、自分が汚した床を舐めなさい」
穏やかだが、有無を言わせない命令口調。主人に絶対の服従心を持っている雄犬は、ためらう事無く男に尻を突き出した。
そして、指示通りに、自分が汚したフローリングを舐め始める。
「んぅ…んふ」
わずかなしょっぱさを舌に感じながら、ペットは自身が出した透明な体液を舐め取っていく。
まるでミルクを飲む仔犬のような仕草を見せる愛しいペットを見て、主人はさらにお仕置きを課す。
「んぅ!? わぅ!」
雄犬が、大きく喘ぐ。尻に入っている尻尾を、少し抜かれたからだ。
ぶぽ…っ、と音を立て、一つパールがアナルから飛び出た。淡いピンク色をした球体は、犬の体液でぬらぬらと輝いている。
それを確認して、男は再びパールを中に戻した。
「あ、んぅぅ」
犬が体を震わせる。元々主人が出かけている間、ずっと淫具を詰められ、もどかしさを感じて敏感になっていた中だ。
そんな事をされて、高ぶらない訳が無い。雄犬は腰を振って、刺激に身悶える。
「こら、舌が止まってるぞ」
「あっ!? くぅぅ!」
叱られ、アナルの淫具を今度は続いて出し入れされる。
同時にベルトで射精を禁じられたペニスをしごかれ、ペットは涙を流して喘いだ。
何とか舌を動かそうとするけど、力無く下唇に付いたままで、床の液体を舐める事は不可能だ。
「全く…淫乱な子だ」
「あぅぅ!」
アナルパールが、不意打ちで抜かれた。せき止められてなかったら、ペニスからは白濁が吐き出されていた事だろう。
本物の犬の如く浅く荒い息を繰り返す雄犬ペット。男はそのペットのアナルに向けて、自身のペニスをあてがう。
「あん」
ペットが、主人の肉棒の熱さに、体を疼かせる。吐息と瞳が期待でいっぱいになり、自らアナルにペニスを擦り付けた。
「こんなに可愛くて淫乱な子には、特別なお仕置きだ」
「あぁぁんっ!」
主人は一気に、ペニスを突き込んだ。雄犬はガクガクと震え、射精する事無く達する。
ペットが絶頂を迎えた事を知りながら、主人はわざとイイところを重点的に責めてやる。すると、ペットはいやらしく腰をくねらせて、可愛い鳴き声を出した。
「きゃうん! ひゃう…わぉんっ!」
反応から察するに、もう何度もイったらしい。もしかしたら、一回の出し入れで何度もイってるのかも知れない。
しかし、射精はできない。絶頂を極める事は、できない。ペットの中の人間の理性は、だんだんと刈り取られていく。
もう少し可愛い姿を見たかったが、主人はペットを壊したい訳じゃない。ペットの耳元で、救済の指示を出す。
「イきたい?」
「わぉ…んぅ!」
「じゃあ、五回。できるだけエッチに…わんっ、って鳴きなさい」
主人がベルトに手をかけ、何時でも外せる準備をする。
こういう場面で、自分を騙す主人ではない。それを知っている雄犬は、あらん限りの鳴き声を上げた。
「わんっ! わ…んぅ、わん……ふっ…わ、んんんっ!」
「ほら、後一回だよ。君の淫乱な声、しっかり聞かせて」
男は囁き、ペットの中に、ペニスを早く挿入した。
「わ…んぁぁっ! んおっ、くぅぉん!」
最後の一鳴きとほぼ一緒に、ペニスのベルトが外され。
雄犬の直腸に、主人の体液が注がれた。大量の白い液体はペットの体内に収まりきらず溢れ、ペットが床に出した白と混ざり合った。
そこに、ペットの体液もまだ混ざっていく。一日淫猥な犬のコスプレ姿で焦らされていた分、大量の精液が床に放出された。
「ふふ…よく鳴けました」
「あぅ」
アナルから主人のモノが抜け、体の芯も抜けたように犬はへたり込んだ。
目を潤ませ、快感の余韻に浸る愛しい雄犬の唇に、主人がキスをした。
「んむ…んちゅ、んっ、んん」
残りの力を吸い取る激しいキスを、雄犬は息も絶え絶えに、幸せな表情で受け続けた。
お互いの口に淫らな糸を引き、深いキスが終わる。
男は立ち上がりながら、ペットに言った。
「ご飯を作るから、その間に床をキレイにしておきなさい。できなかったら…またお仕置きだよ」
もちろん、分かっている。こんな状態で、床に出された大量の液体を舐め取る事なんてできない。
主人も、雄犬自身も、ちゃんと分かっている。これはただの口実。
この後の行為に及ぶ為の、口実。
だから、雄犬は顔を赤らめ、了承のサインとして…小さく主人に向かって、鳴いた。
「……わん」
「良い子だ」
主人は笑って、ペットの頭を撫でてやる。
ペットは本当に嬉しそうに、幸せそうに、笑って男に撫でられて続けていた。