日本で発表される失業率は、どんなものをどう計算してその割合を算出しているのでしょうか。
ザッとではありますが、「求職しているにも関わらず就労できてない人の割合」という名目で
算出されてはいますが、
この中にはニートや、真剣に職探しをしていない人、疾病や怪我で働けない療養中の人、
あまりに内定がもらえずに就職をなかば諦めている人、生きていくために仕方なくつなぎで
アルバイトをしながら就職を探している人=少しでも収入がある人は含まれていません。
私達は、ニートは失業しているじゃないか、事情があって働けない人も失業じゃないか、と
常識的には思うはずです。 でも、そうじゃないのです。
この統計は、任意の4万世帯に「いま働きたくて仕事がないか」と「今週少しでも働いたか」
をアンケートにかけて集計しているというだけなのです。
ようは、「労働力人口」に対して、求職しているにも関わらず内定していない人の割合を
単純に計算しているだけです。
実際は、ここが肝心な数値なのですが、非労働力人口=子供とお年寄り+働けない、働か
ない人の数が、日本全国の人口に対して約51%ということ。
そして労働力人口=残りの49%の働いている人の中から、「少しでも収入がある人」は失業
していない、と判断されているわけです。
そしてその49%の人口の中から、働きたくて求職していても職がない人=これが4%の失業率
というカラクリなのです。
この統計内容から、次のことが言えます。
「日本人総人口約1億2千万人のうち、働かない・働けない人が約6120万人、逆に働ける
(バイトや超低賃金の非正規社員も含んで)人は5880万人、この5880万人のうち仕事を探して
いるのに雇われない人が全国で240万人である」という意味なのです。バイトは除きますよ。
つまり、きっと皆さんが思っている日本全人口から見た失業率(ニートや療養中者)を表すと、
いま日本総人口の約3.5割がお年寄りで、1割が子供くらいなので(あくまでも推定計算です)
・労働力人口=5880万人のうちニートやフリーターが約10%として588万人、
・精神や身体疾患で働けない人が15%として882万人、
・さらに本当に求職中でありつつ失業している人が4%で240万人(さきほどの計算で)
このあたりが実社会で考える「現実的な失業率」でしょう。 ではその計算をすると…
単位は万人です:(588+882+240)/5880=29% という恐るべき数字になります(笑)
参考までに、非労働人口=6120万人でしたから、これに働けない人口を加えると
非労働力人口6120+588+882+240=7830万人が日本中で働いていない人、という計算です。
この割合、じつに65.2%です。
これで、いま日本で6割以上の人が働いていないことになりますよね。
こういう事を「知る機会」って、学校や会社ではまずないですからね。意外にビックリでしょう?
ちなみに…正社員になりたくてもワーキングプア状態(年収200万円未満の自活ギリギリ世帯)
の人は労働力人口に含まれていますので、、、
働いても働いても最低限の自立生活ができるだけで、働いたお金が貯蓄にほぼ回らない人の
割合は労働者人口の約2割以上(ということは約1200万人くらい)といわれていますから、
たいへんショッキングかも知れませんが、以上の事実をまとめますと…
日本総人口1億2千万人のうち、
働いてない人7830万人+ワーキングプア人口1200万人=「9030万人」(75%)が貯蓄が増えない
状態である、ということが推測できますね?
そういう 「いまの現実の日本」 という背景を考えると、これまで生きてきた自分自身の生活
環境を見る目が少しは変わるのではないか、と思います。
ニュースでは「アメリカは8%、イタリアは10%、日本の失業率は4%です」などと平気で発表
されたりしてますが、こうやって冷静に計算してみたら日本の実生活的な失業率は29%くらい
だという事を知ると、「マスコミなんて嘘つきじゃね?」…なんて目線で考える事もできるように
なるわけですからね。 …まあギリシャなんかよりははるかにマシっちゃマシですが。。。。
さて、
こういうマスコミによる一方的に国民を誘導するような報道の方法を、「情報統制」と呼びます。
情報統制とは、「統治者が国内に多様な思想を拡散するのを防止するため、発表する情報を
コントロールすること」 をいいます。
かつて、いまから70年昔に第二次世界大戦(太平洋戦争)が起きましたが、その時も内閣が
国民を戦争へ総動員するためにシビリアン・コントロール体制を敷きました。
当時の同胞、ナチス・ドイツも同じです。プロパガンダによって 「国民に思い込ませる」という
統治を徹底したのです。
現代は、日本ももう戦争はしないと誓いましたから、あんな惨劇はもう起こらないとは思いますが
ただ、そんな現代日本で、なぜ今情報統制なんてする必要があるのでしょうか?
現実にはものすごい失業(働く事が叶わない人も含めて)数なのに、なんか多少安心できるよう
な曖昧な失業率にあえて納めてる?みたいな。
それは、国内パニックによる政治不満から国民を遠ざけるためのものです。
国民を表面上安心させておくための統制をしたいからです。
他にも、いま日本の国債(国の借金)総額は2012年現在で約954兆円ですが、この国債をマスコミ
は「国民一人当たり赤ちゃんからお年寄りまで公平に、一人あたり約800万円の借金」と
いう、とてつもない破壊的なイメージをいつも皆に植えつけてくれています。
なぜ、こんなネガティブイメージをわざわざ植えつけるような情報をニュースで流すのでしょうか。
これは、経済評論家の三橋貴明氏も強く論じていますが、ずばり「増税をするのに国民
を納得させるため」という説が正しいと私は思います。これも情報統制のひとつです。
その国債は2013年には、発行総額でついに1000兆円を突破するのは間違いなさそう
ですが、単純に「国債=国の借金=みんなの借金」で日本中の福祉や公共にお金を
国が使ってますよ、だから皆さんはもっと税金を払ってこの借金を減らす努力をしなけれ
ば、国の借金はもっともっと増えていきますよ。
…というような事を説得したいわけです。 これで国民の消費税増税アンケートに、
「これだけの借金をわが国は抱えているんだから、今でも苦しいけどもっと努力して国の
ために税金を払う協力をしなければ」という回答を期待するわけです。
朝から晩まで休みもロクになく働き、保険もロクにかからず、常に解雇されるリスクを負って
それでも年収200万円も稼げないワーキングプアが労働者の2割=1200万人もこの世に
いて、生活にますます苦しんでいるのに、です。
情報統制によって国債=国民の借金というイメージは、確かに国内にかなり浸透している
ようですね。
私の身の回りでも、「国債発行総額ついに1000兆円」などのニュースを見ると、ほとんど
の人たちが「ああーまた借金が増えているのか」と嘆く反応がかなり多いですから。
私は三橋貴明氏の経済学を知り、国債は国民の貯蓄だという事を勉強しているので、
実はそのほとんどが国内国民貯蓄だという事も知りました。