嘘ばかりの脳卒中リハビリ その実態を斬る! 第1巻(完結)

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記事1 創刊号 片麻痺リハビリのブログです!

こんにちは。

寅やんあらため寅×3(とらさん)です。

今回、専門的な記事をついに書くことを決意しました。

なぜなら、現在のリハビリテーションの世界で、

片麻痺の患者様に

いかに多くの後遺症を残しているのかということに

まだ、気がついていない医療関係者が多すぎるためです。

これは、医療関係者を非難するのではなく

同業者としてのリハビリ専門職、そして、専門職を目指す

学生にも共通して認められることなのです。

ですから、患者様、ご家族様にも、このブログを通じて

少しでもわかりやすく、片麻痺症状を科学し

症状の回復のための一助として、活用されることを望みます。

少しでも、皆様のお役に立てるよう

具体的、かつシンプルに説明を加えてまいりますが、

よろしければ継続してお読みいただきますようにお願いいたします。

では、今後の記事予定を書いておきましょう。

1.片麻痺を呈する病気の分類

2.片麻痺の純粋な症状(急性期)としての運動麻痺

3.片麻痺の純粋な症状(急性期)としての感覚麻痺

4.症状の回復を阻害する後遺症

5.あってはならない生活上の症状悪化要因

6.リハビリテーション治療の考え方

7.ブルンストロームステージとは

8.右麻痺と左麻痺の症状の違い

9.回復予後とは?

10.症状別リハビリテーションの実際とその落とし穴

などなど、すべて予定ですので、タイトルや内容、説明順など

変更することがありますけれど、その点はご容赦くださいね。

では、興味のある方は今後ともお読みいただきますよう。

寅×3(とらさん)からのお知らせでした。

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記事2 片麻痺を呈する病気について

こんばんは。

それでは

初回の記事です。

片麻痺というと、脳卒中ということになりますけれど

最近は脳血管障害として説明することも多くなりました。

細かなことは書きませんけど

脳血管障害といっても

脳梗塞 脳出血 クモ膜下出血 硬膜下出血 あるいは脳血栓 

脳塞栓 頭部外傷

などなど区分することができます。

さらに、脳のダメージされた部位も様々です。

大脳、小脳、脳幹(橋、延髄など)

したがって、いろいろと細かな説明をしていくと

きりがありませんけれど、それは、おいおいと書き足していくことに

します。

これらが、やはり梗塞や出血により、脳神経の損傷が大きければ

大きいほど、その周辺の脳神経のカバーがされたとしても

やはり症状は重くなることは、あえていうまでもありません。

このようにいうと、麻痺が重症であれば、改善が困難なことを意味する

ように思われますが、必ずしもそうとはいえないのも事実です。

とはいえ、確率や統計的にどうだとは言い切れませんけれど。


中枢神経については、一度ダメージを受けるとその再生はありません。

したがって、損傷部位が大きければ大きいほど、失われた部位が

関係していた身体諸機能に影響が大きいことになります。


さて、片麻痺という症状は、脳の機能解剖により、左脳は右半身、右脳

は左半身の運動・感覚をつかさどっていることになっていますので、

脳のどこが損傷されたかによって、すなわち、大脳動脈およびそこから

分岐した血管により栄養補給される部位によって、麻痺の左右という

状態がもたらされます。


どうして出血するかとか、梗塞するかとかは、内科的な所見や脳血管の

異常などにもよりますので省略します。また、前駆症状とか、発病に

おける所見ということもかなり違いがあるのも確かですけれど

あえて、ここでは省略します。


今回は、簡単に診断名の整理をしてみましたが、次回からは、皆さんの

興味のあるところの、運動麻痺について少し考えてみたいと思います。

では。

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記事3 片麻痺を呈する病気の補足

こんばんは。

昨日の第2号の記事で一部説明が抜けていたところがありました。

一過性脳虚血発作(TIA)

がありましたよね。

これって一般的には、ほとんど麻痺という感じでもないんですけど

一見すると片麻痺がどんどんよくなっているように

観察できることがあります。


せっかくですから

追加記事も書いておきましょう。

脳出血と脳梗塞の麻痺の回復ということで

補足しておきましょう。

これは第3号でも書きますけれど

どんな違いがあるのかといいますと

出血の場合には

いえね、一般的とはいいませんが

症状そのものはかなり固定してしまう感じがあります。

これは、やはり脳のダメージ(浮腫)が長続きしてしまい

要安静状態が長くなってしまう傾向にあることから

くるのかも知れませんね。

一方、脳梗塞については、出血とはことなり、意識レベルの

改善は比較的早いのかも知れませんが

意外と症状についてははっきりしない回復を呈する感じが

多くあります。

そして、体調などについても、脳出血の方は比較的脳全体

のダメージがありながら、それが吸収されるようなことにより

全身的に症状固定はあるものの、比較的元気な方が多いように

感じられますよね。

ま、これは私の経験からの話ですので、あまり染まらないように

してくださいね。

では、第3号に引き続きます。

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記事4 急性期の運動麻痺の特徴

こんばんは。

第3号は急性期の運動麻痺についてです。

なんだ? と思う方があるかもしれませんね。

いえいえ、急性期の運動麻痺ってね

はっきりいって、随意性があるかないかということしかありません。

なぜならば、関節運動制限が起こりようがないからですね。

しかし、

さきほどもちょっとふれましたけれど

要安静状態が長くなる、言い換えれば意識が戻るまでに

相当の時間がかかってしまうようなときに

浮腫による手指の関節運動の制限、重力によって生じている

亜脱臼とか尖足などの状態が

ベッド上では起こる可能性が非常に高いのです。

もっとも、これは片麻痺だけの話ではありませんので

ここまでの説明としますけど。

すなわち、運動麻痺の症状としては

どれだけ、ある程度手足が動かせるかということにより

ほとんど、筋収縮が起こりえない状態、

よくいわれるところの 完全麻痺

そして、ある程度動かせる状態にある麻痺を

不完全麻痺 と呼ぶことがあります。


あれ?

弛緩性麻痺とか痙性麻痺とはいわないの?

って思った方、いないかな?

こう思う人は相当鋭い人ですよね。


でもね、急性期では、痙性麻痺ってわからないんですよね。

だってほとんど意識のない状態ですから

相当、発病からの時間がたたないと、現象としての痙性というものが

みえてこないんですよね。


ですから、弛緩性とか完全麻痺という状態が

ほとんどの割合で起こるといってもいいんですけど

これが意識が戻ったときに

実際にどの程度の筋収縮、あるいは、関節運動ができるかという

そのことにより、私達はすでに麻痺の予後予測が

ある程度できてしまうのです(ただし経験上です)。


では、続きで痙性ということを書いておきますね。


それでは、痙性ということを書いておきましょうね。

痙性って英語では spasticity

とあらわしますけどね

これをはっきりと説明できる現象として

ジャックナイフ現象があります。

ただし、ジャックナイフ現象は

肘の伸展制限がある、すなわち屈曲拘縮がないことが

大前提になる現象です。

肘の屈曲に関係する筋群が最大限に伸ばされる直前になり

被動運動(すなわち、他動的にリラックスしている筋群を

最大の長さまで伸ばすこと)において、今まで持続的に

抵抗感があったものが、すっと抜けるような感じになることです。


表現が難しいですが、いわゆるジャックナイフのように

開くまでは少し抵抗感があり、それがカシャって開ききるように

肘が伸びることをいいます。


痙性って、これに代表されるような現象が認められることと

あきらかに錐体路障害による、腱反射や病的反射などの所見が

しっかりと加わって総合的に判断しなければいけないものです。

これが、実際にはわかっていない人が多すぎます。

もう一度いいますよ。

ジャックナイフって肘の屈曲筋群でみとめられますけど

すでに、肘が曲がってしまっていたら、確認できるすべが

なくなってしまうことになります。

ですから、

急性期でなければなかなか確認できない現象なのです。

もちろん慢性期でも比較的みられることではあるのですが

経験上、100人の慢性期の患者様がいたとして

はっきりとジャックナイフ現象を認める人はほんの数人くらい

しかいないように思います。

このことがなぜ起こるのかは、いずれ説明しますけど

まとめておきますが

急性期の運動麻痺では、かなりの割合でジャックナイフ現象が

みられることがありますけれど

肘が屈曲拘縮を起こしていると、これをはっきりと確認は

できないのです。それなのに痙性としている人が

かなり多いんですね。


まとまりませんが、今回の肝は

急性期では、関節拘縮ということがありませんので(多くの場合)

早い話、運動麻痺といっても

筋収縮があるかないか、意識レベルが低くても

関節運動が見られるか?

あるいは、被動運動時に抵抗感があるか?

病的反射がみられるか?

これらをしっかり確認することが大事です。


裏返すと、こういうことになります。

慢性期では、上記の検査はあてになりません。

なぜなら、拘縮があり、筋の短縮があり、同時収縮があり

バランス反応があり、過剰な努力による連合反応があったり

と、様々な要素が、純粋な状態を覆っているからなのです。

では、今日はここまでにしておきましょうね。

M-CCアドバイザー 寅 加太夫
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