• いつでも、そばに

     昭和15年、時代の波にのまれ倒産した炭問屋の番頭の息子、明良(アキラ)は、過労で倒れた父の代わりに一家の生活費を稼ぐため、丁稚奉公にでることになった。だが、明良には、医者になるという夢があり、なかなか気持ちの整理がつかない。奉公に出る日の前夜、小さなことで母に叱責された明良は、行き場のない悔しさで胸が張り裂けそうになり、家を抜け出て、夜の山に走り出した…