私は約1年ほど、ある病院に入院中だ。思うように病状が良くならない。そこへ先日主治医から、退院して自宅へ帰るか、他の「療養型」の病院を紹介するから移ってくれと申し出があった。私や家族は途方に暮れている。療養型病床のある病院は郊外にしかなく、都内の自宅からは遠くて、年老いた両親や家族なども面会にも事実上来れないので、冗談でもなく両親とは「今生の別れ」になるのである。何しろ病状が悪いので、動くに動けないのだ。ご存じのように、いまの医療行政は、長期の入院を減らそうという政策だ。「こんな病状の病人に、出て行けって言うのは変でしょ?」などと若いナースに言っても仕方ない、などと私は思わない。そう言うのもいわば大人の責任だ。彼女は言う「でもここは長く居るところじゃないからねえ」。私は思う「刷り込まれている」と。厚生労働省や政権与党の医療行政は、憲法で保障された生存権の侵害に当たる。入院期間が3か月超は診療報酬を引き下げるという政策は、ただ人道上不当なだけでなく。法律問題だと私は思う。私の場合はそれでも1年も置いてくれた今の病院には文句はない。主に行政サイドに申したい。私は、大多数のつまりいわゆる公共の福祉あるいは利益のためには、少数者は我慢すべきと言う論調にはくみしない。私と同様の苦難に困っている方も多いと聞く。なんとか皆様に訴えたい。