ヒフミンは、はっきりと将棋のプロになると言いたかったが、今の段階では恥ずかしくて言えなかった。「とにかく、金持ちになると決めたんだ。きっと、なってみせる。ボクは、ヒデキのような金持ちのボンボンじゃないけど、ボクだって、金持ちになってみせる。“歩”だって、“と金“になれるじゃないか。絶対、”と金“になってみせる。アキちゃん、約束する。必ず、”と金“になって、ピースを迎えに行く」
亜紀は、“と金”、と聞いてヒフミンのプロへの決意を確信した。その時、大きな目標に向かって走り出すヒフミンの勇気が感じ取られた。小さくうなずいた亜紀は、大きな声でエールを送った。「ヒフミンなら、きっと名人になれる」