臨床心電図学講義

wide QRS tachycardia

80歳代 男性 階段で転倒キャプチャ.JPG

HR 170bpm  regular   wide QRS>120msec  
上方軸(QRSベクトルaVRで上向きⅡ Ⅲ aVF下向き)
下からの刺激・興奮 心室性の可能性高い 
Ⅱ誘導でP波とQRS波のAV dissociation 房室解離


cf) Brugada approach ( Circulation 1991; 83: 1643-59 )
   下記いずれかの項目にあてはまればVTの可能性高い
1.前胸部誘導でRS pattern が無い
2.RS pattern があるとき Rの始まりからSの谷までRS>100ms
3.AV dissociation
4.V1-2かつV6誘導でVTの形態的基準 

 RBBBパターン  
V1を診ると monophasic R  ないしqR ⇒ VT
            SVTであれば rSR pattern
V6を診ると QS pattern (or R/S<1)
             SVTであれば R/S>1
心尖部VT.png


Ⅲ群薬無効だったため、150Jの除細動により洞調律に

キャプチャ.JPG1.JPG
冠動脈造影でLAD#7 total、RCAよりcollateral、
心尖部にaneurysm
VTの極性、シンチ所見などによりaneurysm境界の
虚血部位が起源と考えられアブレーション施行

 OMI 症例 LOS    虚血性心疾患のVT症例

wide QRS tachycardia の鑑別

40歳代女性 動悸
46歳女性 精神病.JPG46歳2.JPG
HR180 bpm リズムは regular
もし不整であれば
rapid atrial fibrillation with a w
ide QRS complex
in a patient with pre-excitation  syndrome
いわゆる和製英語 pseudo VT を疑う
WPW症候群の方がpafを起こすと、
変電所である房室結節で調節されたrushious af より
さらにレートの速いafの刺激がKent束を伝わり、
RR間隔が不整でVT様のwide QRS tachyを起こす。

左脚ブロックpattern  上方軸
VTか左脚ブロックを伴う上室性頻拍か
一般には左脚より右脚の不応期が長いため,変行伝導(機能的な脚ブロック)の頻度は
右脚ブロック>左脚ブロック と言われているが
LBBB の鑑別ポイント
V1のRが小さく、続く下向きの振れにノッチなどなく急峻 V6にQ波がない
SVTならば V1: small r & fast descent  V6 q(-)
VT         V1: broad R & slow descent  RS >60msec  V6 Q(+) 

AVRT wide QRS.png




実際の臨床では血行動態が破綻していれば
心室性頻拍としてDCなど緊急対応とし
血行動態が落ち着いていれば
治療診断的にATP静注にて房室伝導を抑制

ATPで.JPG

ATP20mg静注にて改善⇒上室性

AVRT    房室回帰性頻拍
Antidromic Wide Tachycrdia  症例

cf) Brugada アルゴリズム
1.胸部誘導にRS波が無い → V5-6にRS 
2.RS 間隔が100ms以上    →  R始まりからS先端まで2目盛り半いってそうだが
3.房室解離を認めるか      → はっきりしない
4.VTに特徴的なV1、V6誘導の所見
   RBBB    V1: monophasic R       QR or RS     Triphasic  
                     V6: R/S<1      QS or QR   Triphasic   
      LBBB  V1 or V2: R>30msec  Nadir S , Notched S まで>60msec 
                    V6: QR or QS   monophasic R

cf) Vereckei アルゴリズム  Heart Rhythm 2008,5:89-98
aVRに着目 
1.initial R wave を認める  → 認めている、、、
2.initial r もしくはq波 >40ms
3.陰性QRSの初期下降線上にノッチ



 

aVR のQRS波形が上向き 電極の付け間違い?

70歳代男性 高血圧症

内臓逆位.png

四肢誘導を診ると極端な右軸で aVR のQRS波形が上向き
のため,すぐ電極の付け間違いではと思うかもしれませんが
胸部誘導でも心臓の興奮ベクトルが遠ざかって行く事から
容易に診断されます。

内臓逆位 右胸心
12523_706_20170904090545.0.jpg

四肢誘導、前胸部誘導の電極を左右対称につけ直して
記録しましょう。

右胸心2.jpg

aVR の ST上昇

70歳男性   aVR の ST上昇

aVRのST上昇.JPG
aVRのST上昇3.JPG

運動中、突然の胸痛出現、ショック状態で搬送された。

LMT のAMI 

IHDではaVR誘導は普段あまり着目されませんが、
心臓の興奮を唯一見下ろす誘導であり、そのST上昇は
近位部病変で広範囲な重症虚血が疑われ注意が必要。




山下恭寛
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