小説の未来(6)

⑦の企業犯罪シリーズ「地下室の妖気」では、高度経済成長期に起きた四大公害病の一つ「水俣病」を取り上げました。水俣病は、化学工業会社チッソの水俣工場が水俣湾に工場廃液を流し込み、その廃液に含まれていたメチル水銀が原因で起きた奇病です。1956年に公式確認され、水俣病とみなされる罹患者は、約7万人にも及んだ。今なお、損害賠償を求める訴訟は続いている。

 

主人公は、八代水産社員、大野聡(おおのさとし)30歳。八代水産社長夫妻には、水俣病に罹患した一人息子、シノブがいた。障がい者のシノブは、出生届がなされておらず、生まれてから現在に至るまで37年間、地下室で夫妻に保育され、歩くこともしゃべることもできないシノブは、あたかも植物人間の様に生き続けている。夫妻は、シノブに八代水産の跡取りを作ってほしいとかねがね思っていた。

 

ちょうどそのころ、社長は、皇太子妃の出産にかかわる極秘情報を懇意にしている私立探偵から入手した。千載一隅(せんざいいちぐう)のチャンスと奮い立った社長は、早速大野を呼びつけ、将来社長にするという約束と引き換えに、彼に皇族の社長令嬢との偽装結婚を持ち掛けた。またとないチャンスと思った大野は、社長の申し出を受け入れた。

 

そして、とんとん拍子に、社長令嬢春日雅美との偽装結婚が成就した。社長との約束を信じていた大野は、もはや社長気取りで有頂天になっていた。そのころ、社長と専務は、事故死を装った暗殺の手はずを着々と進めていた。そうとも知らず、能天気な大野は、北アルプスの登山に意気揚々と出掛け、不可解な墜落事故で死亡した。

 

政府と癒着した企業チッソによる水俣病は、皇族とも関係しており、この点を絡めたドラマ展開になっています。

⑧の理絵シリーズ「恋占い」では、兄妹の恋愛を描いてみました。兄と妹の恋愛は、自然に起こり得ても不思議ではないのですが、問題は、結婚です。民法734条、近親婚の禁止があり、直系血族または三親等内の傍系血族の間では、婚姻することができない、とある。主人公は、実兄祐司との恋愛に苦しむ高城亜季と親友の恋占い部、部長北原。ある日、高城は、小学校5年生のころから続いている兄との関係を打ち明けた。

 

高城は、祐司の愛撫を5年間ほど受けていて、クリによるオルガスムまで覚えてしまい、クリが疼き始めると自分から愛撫を求めるまでになっていた。お互い愛し合っていたが、どんなに愛し合っても法律上結婚はできないことは承知していた。そのことを打ち明けられた北原は、兄との関係を一刻も早く断ち切ることを提案した。解決策として、早急に彼氏を作り、彼氏の存在を兄にアピールするように勧めた。ところが、今現在は彼氏がいないため、北原が彼氏に成りすまし、毎晩のようにメールして、兄に彼氏がいるように思わせた。

 

ところが、メールを送ってくる彼氏に嫉妬した祐司は、メールを送ってくる彼氏に会いたいと言い始めた。困り果てた高城は、即座に北原に相談した。すると、北原は、彼氏とデートするお芝居の提案をした。そして、北原は演劇部の服部に彼氏役を演じてくれるようお願いした。祐司も一緒に働いている女性社員の詩織を連れてきて、結果的に愛宕神社でのダブルデートは成功した。

服部の名演技のおかげで芝居はうまくいき、首尾よく祐司を騙すことができた。それを機に、祐司は、詩織との恋愛がうまくいき、妹の体から離れることができた。ところが、祐司の愛撫を失った高城の巨クリは、寝床につくと愛撫を待つかのように毎晩勃起し、うずき始めた。ついに我慢できなくなった高城は、北原に祐司の代わりに愛撫してくれるように懇願した。

 

今後、兄妹(祐司と亜季)と女子同士(高城と北原)の禁断の恋が展開されていきます。また、親指ほどの巨クリをクローズアップして女性のオルガスムについても考えていきます。いまだ、アフリカなどでは割礼があり、女性に対する迷信と偏見がいまだ存続しています。近親婚の禁止、同性愛、などを通して“性と倫理”について考察しました。

サーファーヒカル
作家:春日信彦
小説の未来(6)
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