はじめに( 2 / 2 )
それほどに重大な、まさしく隔世(かくせい)の感の一大事件でもあれば、奇(く)しくも新星にすら知らされた、誕生のその時からでも、直(す)ぐに 『 旧約 』 に書き足されてさえ良さそうなものなのに、何故かそれすらの一切為(な)されず、はたしてどうにも不可思議でなりません!
それに、たとえ 『 旧約 』 に追記されないにせよ、事実を有りの儘(まま)にも伝えたければ、もっと早くにも書き留められて然(しか)るべきであり、それこそリアルタイムのドキュメンタリーさながらに、記録の残されもされるべきで、事実を事実として伝え残すならば、本来それこその最もにも望ましく、むしろ当然なのではないでしょうか?
ところが、そうもしなかった、あるいは、そうも出来なかった、何かそんな事情があってのことではないかと、弥(いや)が上にも疑惑の挟(さしはさ)まれてなりません。
はたして、あなたはどう想われましょうか?
いかにも怪(あや)しく、胡散(うさん)臭いばかりにも、想われてならないのは、この疑り深い、私一人だけでしょうか ・・・?
著 者 主 代 宗 元