大人のピアノ

大人のピアノ その百じゅうきゅう

 同じ頃、田原慎之助は朝霧テレビ最上階の編成担当取締役の役員室に呼ばれていた。

「忙しいところわざわざすみませんね」

 役員室に入ると戸田編成担当取締役は座っていた椅子を立ち上がって田原を出迎えた。

 朝霧放送の出演がほとんどの田原だが、身分はあくまでフリーのジャーナリストである。いわば局にとってはプロ野球で言うところのある程度勝星の読める外国人助っ人、視聴率がある程度読める重宝なゲストである。部下を呼びつけて何かを申し伝えるというスタンスではない。

 しかし役員室に田原慎之助を呼んだ戸田の本音は、その弱り切った顔と、応接ソファに先客として座っている平取の役員袴田の姿に現れていた。

 戸田と袴田が並んで座るソファの前に田原も不承不承腰を下ろした。





「まあ、そんな不機嫌な顔をしないでくださいよ」

 警察庁からの天下り役員の袴田がタバコに火をつけながら田原に言った。

「警察から何かありましたか」

 先手を打って田原が袴田の目をまっすぐ見て言った。

 袴田は元警察官僚らしい鋭くほの暗さを秘めた瞳の中に田原の視線を吸収した。

「正式要請じゃありませんがね」

「正式要請ではないけれど、あのホットラインの主を明かせと」

 袴田は肩をわざとらしく揺すって笑い声を出した。

「そんなこと言ったってあなたは取材源の秘匿を理由に拒否なさるでしょう」

「最高裁判例に従って法治国家日本でのすべての取材源には秘匿の権利があると解釈しています」

「まあ、そんなことはいいです。その取材源には警備局公安が動きましたので特定できるのは時間の問題です」

 公安…。動きが早い。田原は何も知らない篠崎の笑顔が浮かんだ。

「番組を中止しろなんてこともいいません。あなたは『徹夜で生テレビ』の編集権も契約書できっちり保証されたフリーのジャーナリストです。私にも戸田さんにも今すぐに解雇ということはできません」

 解雇という言葉に戸田がギョッとして袴田を一瞥したが、そんなことに一切無頓着な袴田は平然とタバコをくゆらせている。

 戸田は「すみませんね」という目で田原をそっと見た。



「このまま藤井組組長を電話で生出演させながら番組を続けるつもりですか」

 戸田が袴田に代わって田原に訊ねた。

「すでに番組中にそのように視聴者に予告してありますので今更変更はできません。どうしても変更するならば、変更に至った理由を生放送でそのまましゃべります」




 二人の役員は静かに笑った。

 袴田取締役は不気味に陰にこもり、それと対照的に戸田編成担当取締役は諦めたような苦笑をもって。



「警察に勝てると思ってるのですか」

 袴田が不敵な笑みを浮かべて田原に言った。

 田原は平取の袴田よりも本来上席の常務取締役である戸田に視線をやった。しかし、こと今回のこの件に関しては力関係は逆転しているようだった。警察組織を敵に回すという判断は局全体としては避けたいところなのは田原にもよくわかっている。袴田の思惑に積極的に加担せず、のらりくらりと適当に相槌を打っているのがせめてもの抵抗なのだろう。


「勝ち負けじゃないですよ」

「ほう。ではジャーナリスト魂とかいうものですか」

 問いただすまでもなく、その言葉に幾分かの揶揄のニュアンスが籠っていることは先刻承知だったので、田原は笑って受け流した。





「あえて言えば"B面の真実"ですかね」

「何ですかそれは」袴田は少し興味を持ったようだった。

「例えば討論の中で、賛成反対の正しさとか正義みたいなのを超えて、ふっと一瞬、誰一人として見えていなかった世界が浮かび上がる瞬間です。みんながA面しか知らなかったのが急に同じレコードの反対側の世界が見えてくる」

「ほう」

「今日本人なら誰でも知ってる曲も世に出た時にはA面の付録としておまけでついていたような曲です」

「ふむ。例えば?」

「『リンゴの歌』『スーダラ節』『ドレミの歌』『伊勢佐木町ブルース』『翼をください』『学生街の喫茶店』『港のヨーコ、ヨコハマ・ヨコスカ』『ビューティフルサンデー』『浪花節だよ人生は』『矢切の渡し』『釜山高に帰れ』…」

「ほう。有名な曲ばかりですな」

「『もしもピアノが弾けたなら』」

「おお。それは警察時代からの私のカラオケの18番ですな。私もピアノが弾けないが思いだけがある、といった気持ちで生きてきた」

「そうですか」

 田原は袴田が意外にも話に興味を持ったことに多少の驚きを感じた。

「誰一人として見えていなかった世界が浮かび上がる瞬間…ね」

 袴田はもう一本タバコに火をつけ腕組をして目を閉じた。

「真実はいつも一つとは限らない。しかし真実は一つであるとしなければ世の秩序は保たれないのもまた真実だ。そこには大きな犠牲ももちろんある…しかしながら……」

 田原は袴田の独白をじっと聞いていた。




「もう少しお話ししたいですな」

「しかし私には番組が…」

 入室してからすでに10分少々過ぎている。スタジオは衝撃の舞台裏のフリップボードの内容について、パネリストたちが喧々諤々の放談をしている。そろそろ田原の仕切りが必要なタイミングのはずだった。

「田原さんの強い決意は十分にわかりましたので、何もわざとらしく引き止めようというわけではないんですよ」

 袴田が不気味に笑った。

「…といいますと」

「しばらくは中継メインで討論によって"B面世界が浮かび上がる"どころじゃなくなるということです」

「どういう意味ですか…」



 役員室はしんと静まり返った。






 田原が口を開こうとしたその瞬間だった。

 役員室のドアが強くノックされ、女性秘書が緊張した顔で戸田に視線をよこした。

 戸田はすっと立ち上がって自分のデスクの上に置いてあった部屋の大画面のプラズマテレビのリモコンのスイッチを入れた。秘書には会議中にかかわらず何か大きな動きがあれば知らせるように伝えてあったようだ。



 画面からは望遠カメラで写した藤井城周辺と思われる風景が映し出され、激しい銃弾の発射音が連続して流れてきた。

「警察の藤井城への突入の前哨戦が始まったんだよ」

 あっけに取られている戸田と田原に袴田が解説した。袴田は関東管区警察局長榊原ドアから藤井組組長をテレビに出さないための警察の突入前倒しの報告をすでに極秘に受けていたのだった。



「すこしこのテレビで事態の推移を見守りましょう。先ほどの"B面世界論"は非常に興味深い。ぜひその話をしながらね」

 袴田が満足そうに声をあげて笑った。




続く

大人のピアノ その百にじゅう

 藤井組長は上機嫌だった。

 武志を含めた四人は地下室を出て、国宝姫路城を模した白亜の藤井城屋上にいた。夜風が頬を撫でる中、三浦が訓練した組の若い者に迫撃砲を打たせている。

 警察からは遠距離からの威嚇射撃的な散発的な銃撃があったが、本格的なSITおよびSATの突入はまだだった。特殊警察が本領を発揮するのはあくまでも突入した後の近距離の銃撃および格闘戦であり、そのためにはまず空からの隊員のパラシュート降下が欠かせなかった。しかし近づこうとする警察のヘリは迫撃砲により命中寸前の危険に何度も晒されて容易に近づくことができない状況だった。



「しかしよ、三浦」

「はい」

「元陸上自衛隊のお前が最初に打った二発がものの見事に空中の警察庁のヘリと、地上の首都大東京放送の中継車に命中したのにも驚いたが…」

 藤井は若い組員たちが、右肩に背負った長さ二メートルほどの筒から狙いをつけて空中を旋回するヘリコプターにロケット弾を発射している様を見ながら言った。

「はい」

「素人を訓練したにしちゃ、どいつも殆どヘリに当たりそうじゃねえか」




 藤井がそう言った時、バックファイアの爆発音と爆風とともに新しい一発が空中に発射された。ミサイルは白い煙を吐きながら一直線にヘリに向かいそのままヘリを射抜いた。

 三浦が最初に撃墜した時と同じようにオレンジ色の閃光が闇に浮かび、やや遅れて標的が空中爆発する音とともにヘリは幾つかの機体にひき千切られて地上に落下していった。



「当たっちまった」

「はい」

 藤井が驚いていると三浦が苦笑して相槌を打った。

「当たるもんなんだな」

 南方も少々驚きの顔で三浦を見た。

 武志は膝の震えが止まらない。無言のままこの状況にかろうじて息をしていると言った様子だった。




「実は当たるのと当たらないのがあるんですよ。撃墜用と威嚇用と言ってもいいんですが、当たる方はアクティブホーミングなんで武志が発射しても当たります」

 三浦は藤井にそう言ってから武志の方を向いてニヤニヤ笑った。

「なんだそのアクティブホーミングってのは」

「ミサイルの中にレーダーが仕込んでありまして、そのレーダーが目標物に光線を当てて距離と方向を修正しながら勝手に飛んで行くんです。一発がかなり高価なんでうちにもそれほど数は多くないんですが、少し精度の落ちる目標物の熱を感知して追尾するパッシブホーミングミサイルと合わせて使ってます」

「なるほどなあ」

「だから若い連中には12発パッシブホーミングを打ったら一発アクティブホーミングを使えと指示してあります。とりあえずは私の指揮がなくてもこの威嚇射撃は若い者だけで続けられます」

「いや、お前がそこまで訓練してくれてるとは思わなんだ」

 藤井はそう言って三浦の肩をねぎらうようにポンポンと叩いた。

「恐縮です」



 藤井はヘリの消えた真っ暗な夜空をしばらく無言で眺めていた。

「ところでおめえ、何で自衛隊に入ったんだ」

 三浦を振り返った藤井が人懐こそうな笑顔で訊ねた。

「話せば長いんですが…」

 あらたまった言葉に三浦も照れと戸惑いの色を浮かべた。

「ちょうどいい、その話聞かせてくれや。それとどうしてうちの組みに入ることにしたのか。そっちは聞いたことはあったが今回のことで改めて聞きたくなった。作戦会議含めて一旦地下に戻ろう」

 藤井は三浦、南方、武志の三人に言った。



「それと、篠崎さん経由のテレビ朝霧の電話生出演の件も話を詰めておきましょう」

 南方が言った。

「ああ、そうだったな。あの朝子お嬢ちゃんのパパがなんかやる気満々みたいじゃねえか。俺はなんだかめんどくせえけどそのチャンネルは大事なことになりそうだ」

「よろしくお願いします」

 南方が頭を下げた。



 さっきまで上空を数機旋回していたヘリは仲間のヘリの炎上を機に後方に後退し、再び不気味な静寂が辺りを支配していた。





続く

大人のピアノ その百にじゅういち

 硝煙の匂いの立ち込める屋上から無臭完全防音の地下室に降りてくると、三浦は壁に縦横に多数埋め込まれているモニター類にスイッチを入れた。

 数チャンネルのテレビ放送、屋上の様子とそれに主要地点の地上と空中の映像だった。

 さっきまで田原慎之助がフリップを使ってさかんに事件の裏を説明していた『徹夜で生テレビ』を含めて、テレビ各局は今しがたの二機目のヘリ撃墜の模様を興奮気味で報道していた。




「あ、三浦。おめえがいっぱい映ってるじゃねえか」

 テレビ各局は、警察のヘリが一暴力団の攻撃であっさり空中で大破撃墜されたことに一様に驚き、その理由として藤井組の豊富な資金源と確かなルートからの最新鋭の武器を推定を交えながら解説していた。
 また、武器だけがあってもそれを使いこなせる人間がいない場合にはこのような事態は起きないことは一般の視聴者にも容易に理解できる。
 各局の番組は藤井組のナンバーツーが元自衛隊機甲課陸士であることを素早く突き止め、それを三浦の顔写真入りで盛んに報道していた。






「しかしそれにしても江頭さん、元自衛隊士長が内部にいるとはいえ、こんな風に民間の家屋から発射されたミサイルが警察のヘリコプターを撃ち落とすなどということがあり得るんでしょうか」

 江頭と呼ばれた軍事評論家は、二十代の綺麗な女性アナウンサーに一九分けにした髪の毛を弄りながら粘着質の表情でうんうんと頷いた。

「ミサイル発射と言いますと一般市民の方はとてつもない職人芸だと思われる方もいらっしゃると思いますが、実はそうでもないんですよ」

「それは驚きです」

「ええ。自衛隊に入隊しますとすぐに前期研修というのがありまして、これはまあ言ってみれば試運転期間みたいなものなんですが、その後直ちに後期研修課程が始まります。この時「MOS」資格を三ヶ月で最低一つ取得します。いくつも取る隊員も大勢いますが、その中に迫撃砲の訓練も入っています」

「その「MOS」というのはこちらですね」

 女性アナウンサーがフリップカメラに向けてオープンした。

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「Military Occupational Spesiality」
「ミリタリー・オキュペイショナル・スペシャリティ」
◼︎軍事用特技区分

◻︎語学:国賓に対する通訳支援・諸外国からもたらされた出版物等の翻訳に従事
(基礎情報隊の任務)
◻︎地誌:公刊情報の収集・整理等
(情報処理隊の任務)
◻︎地理空間情報・測量・地図作成
(地理情報隊の任務)
◻︎シギント:電波情報の傍受
(情報本部通信所、方面通信情報隊等)
◻︎スパイ・防諜
(情報保全隊の任務)
◻︎ヒューミント:現地情報隊
(中央情報隊下部隊の任務)
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「こちらですが、これらが資格みたいなものでしょうか」

「そうですね。つまりそういうことができるようになることが二年の任期の最終目標なのではなくて、研修期間を終わって配属されるまでに取っておくべき前提みたいなものなんですよ。それぞれの資格がないと部隊に配属されてもその実務ができないことになっていて、必要に応じて舞台配属後に短期研修で取得するということも普通です」

「迫撃砲もそうなんですか」

「ええ。自衛隊では例えば手榴弾ひとつにしても、通常「アンコ」と呼ばれる決して爆発しないものを使用してて、二年の任期の中で爆発する手榴弾を手にとる隊員はほとんどいません。迫撃砲も操作方法に習熟するのに実際にミサイルを打つ必要は全くないんです」

「そうすると、扱い方を知っている人が一人いれば、誰でも迫撃砲を打てるようになるということでしょうか」

 女性アナウンサーが大げさに怖がる顔をして江頭を見る。

「そうですね。あとは実際の迫撃砲があればいい。重要なのはむしろ実弾の性能で、現代のミサイルは相手を探しながら命中させる技術が仕込まれていますから」

「そうすると、今回のような信じられない光景も起こりうるということですね」

「はい。十分あり得ます。しかしそれよりも民間人がこうした軍隊が持つような武器をどうやって入手し、しかもそれを警察当局に押収されずにこうして保持し続けていたのかということの方が驚天動地のあり得ないことだと私は思いますね」

「それについては、警察組織自らが自作自演の拳銃取り締まり件数実績向上のため、藤井組を利用していたという疑惑が上がっていますが、これについてはまた後ほどお伝えいたします」

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「三浦の言ってたとおりだな。それにしても自衛隊ってのも資格社会か。なんか拍子抜けする気もするな」

 藤井組長は豪快に笑って武志を見た。

 武志はなんと反応して良いやらわからず、あいまいに頷いていた。

「良くも悪くも一般社会と同じですよ。全員が国防意識に燃えてるわけじゃないですし、脱走する奴、隊では脱柵っていうんですが、そういうのも初期研修中には結構いますし、見学や体験入隊した人がみんな驚くのはセキュリティは基本セコムです」

 これには南方も笑い出した。

「国家の安全を守る自衛隊のセキュリティがセコムか。何かあったらセコムが駆けつけるのかよ」

「ええ。唯一例外は弾薬庫で、そこを守るのは自衛隊員ですが実弾は一人三発だけしか供与されていません。ここでもまず敵が発砲してから応戦せよの原則が抜かれてます」

「ふーん。なんというかいかにも戦後日本だな」

 呆れながらも藤井は面白そうに話をしていた。





「戦後日本…。そうですね」

 やや間があって三浦が口を開いた。

「どうした」

「組長はさっきなんで自衛隊を辞めたのか聞いてみたいとおっしゃってましたよね」

「ああ」

「私も組長にお話ししたくなりました」

「おう。聞こうじゃねえか」







続く







参考資料(自衛隊を描写する各回共通)
後藤一信『自衛隊裏物語』basilico
坂本明『現代の特殊部隊』文林堂
杉山隆男『自衛隊が危ない』小学館新書

大人のピアノ その百にじゅうに

「きっかけは陸自のトップである幕僚長が商業誌に発表した「太平洋戦争の真実は日本にあり」っていう文章でした」

 三浦がポツリポツリと話し始めた。

「…続けろ」

「はい。自分は難しいことはさっぱりわかりません。幕僚長が論文に書いた時にはそれこそ上の人たちは蜂の巣を突ついたようになってました。現在の日本政府の公式見解とはかなり違ってて、わかりやすく言えば戦前の公式見解ほぼ同じだったからです」

「ふーん。俺も難しいことはさっぱりわからねえが、あれか、太平洋戦争は聖戦だったってやつか」

「はい。いえ…自分は読んでもわからなかったんで頭のいい同僚に内容をかいつまんで教えてもらったんですが、要するにそういうことです」

「何だよ頼りねえなあ。じゃあ別にそんな読めもしねえ文章で自衛隊やめなくちゃならねえってのはおかしくないか」

 藤井は大きな声で笑った。

「いや、まあそうなんですけどね」三浦も頭を掻いた。

「まあいいや、それで?」

「辞めたくなったのは、幕僚長がマスコミや政府や世論に突き上げを食った時の反論だったんすよ」

「なんて言ったんだ。俺はそういうことには疎いんだが、南方知ってるか」

 話を振られた南方は思い出そうとしてるようだった。




「確か自衛隊のトップにだって言論の自由はあるんだ、とかいう反論じゃなかったっけ」

 南方が三浦に言うと、三浦は目を輝かして喜んだ。

「そう!それです。南方の兄貴もやっぱり変だと思ったでしょ」

 三浦の打ち解けた態度に南方は少々戸惑った。おそらく自分が幕僚長の言葉を覚えていたことを、自分と同じ感じ方をしたのだと理解したので、「ああ」と言っておいた。

「なんて言うか、言論の自由っていう言葉がものすごい違和感があったんですよ、俺」

 さっきまで使っていた「自分」という言葉がいつに間にか「俺」になっていたが、三浦は気がついてはいないようだった。

 しかし三浦の熱気につられて南方も今度は本当に幕僚長の弁明の記者会見の様子をテレビで見たことを思い出した。

「確か基本的人権がどうのとかも言ってたよな」

「あああ!それです、それです!それで一気に辞めたくなったんでした」

 南方は三浦が言わんとしていることが多分すべて分かった。その違和感は多分自分が幼年時代の頃から感じ続けていたあの違和感だったからだ。




続く
ゆっきー
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