冬ぽか物語

冬ぽか物語102の有料書籍です。
書籍を購入することで全てのページを読めるようになります。
冬ぽか物語を購入

冬の仲間たち     

毎年冬になると我が家の庭には、どこからともなくスズメたちが

 

たくさんやって来てます。

 

 

日を追うごとにその数が増えていき、最終的には20羽近くになって

 

大賑わいな冬の日々が始まります。

 

 

一年中ずっと庭に居ついている、ひとつがいのスズメが、

 

 

「ここに餌があるよー」

 

 

と、親切に呼んで教えてあげているのかもしれません。

 

 

 

というのも、毎年、木枯らしが吹く頃、

 

時おり空を飛んでいく小さな鳥(スズメ?)を見上げては、

 

 

チュンチュンッ チュンチュンッ

 

 

ひときわ大きな声で鳴いている時があるからです。

 

 

 

いえ、ひょっとするとそれはあべこべで、餌場を見つけたほかのスズメたちを

 

 

「来るな、来るなっ、しっ、しっ」

 

 

と、追い払っていただけなのかもしれませんが・・・。(笑)

 

 

 

どちらにしても、餌場の在り処がスズメたちの間で口コミ的に広まり、

 

あれよあれよという間に、今年の冬も、

 

また大賑わいなスズメたちとの日々が

 

始まろうとしているのです。

 

 

 

田園の片隅で、木陰に転がる木の実のように

 

ひっそり暮らす私にとっては

 

餌代も結構なものです。

 

 

でも、冬場はスズメたちもエサが無いのでしょうね。

 

一日中必死になって地面の上をつんつくつんつく

 

突いて歩きまわっています。

 

 

それに、元々居るつがいの分をみんなが食べてしまうので、

 

少しずつですが、公平に当る程度の分量を与えるようにしています。

 

 

あとは冬場の運動をかねて、自分でエサを探すんだよ、

 

スズメちゃんたち。

 

 

というわけで、おせっかいな私は、ちょっとだけスズメたちに

 

お世話を焼くことにしています。

 

 

 

見た目は小さくかわいいスズメですが、以外に気の荒い性格で、

 

しょっちゅう仲間同士でケンカをしています。

 

 

さっきまで庭の木陰でみんな静かにお昼寝かと思いきや、

 

急にバタバタ飛び出て来て、音を立ててのケンカが始まります。

 

 

と思っていたら、またみんなで仲良くエサをつんつくつんつく・・・。

 

 

エサを食べ食べ、ケンカをしているものも・・・。

 

 

 

 元気 元気~っ!   (^^  

 

 

 

そして夕方、最後の腹ごしらえをしっかりしたあと

 

スズメたちはいっせいに木のてっぺんに集まり、

 

にぎやかなおしゃべりを交わしていたかと思うと

 

先頭を切って一羽がサッと飛び立ち、

 

それを追いかけるように全員ひとかたまりになって

 

あっという間に遠くへ飛び去っていくのでした。

 

 

向かっていく先は、いつも同じ方向です。

 

 

ずっと離れていますが、その方角には小さな山があるので、

 

きっとそこをねぐらにしているのかもしれませんね。

 

 

小さな体で、雪の降る日も風の強い日も暗いうちからやって来て、

 

ケンカをしたり、にぎやかにおしゃべりをしたり・・・。

 

 

春が来るといつしか居なくなってしまうスズメたち。

 

自分でエサが取れる時期になると、

 

 ちゃんと自力でやっていく、そのたくましさ、賢さ。

 

 

我が家にやって来るそんなスズメたちの姿を見ていると、

 

私は、いつしかこころがぽかぽかしてくるのでした。

 

 

「スズメちゃんたちの元気に負けていられないっ」 と。^^

 

 

寂しがりやで寒がり屋なこんな私に、

 

スズメたちはもしかすると

 

毎日元気を届けてくれるために

 

はるばる遠くからやって来ている・・・、

 

 

何だかそんな気がしてくるのです。

 

冬ぽか物語102の有料書籍です。
書籍を購入することで全てのページを読めるようになります。
冬ぽか物語を購入
そよかぜ
作家:そよかぜ
冬ぽか物語
5
  • 102円
  • 購入

5 / 44

  • 最初のページ
  • 前のページ
  • 次のページ
  • 最後のページ
  • もくじ
  • 購入
  • 設定

    文字サイズ

    フォント