間違っている常識 育児編 ① 赤ちゃんや幼児の昼寝を寝室でさせる

体内時計の研究

 体内時計に関する学問は新しく、研究が本格的に始まったのは1960年以降です。私は、育児に関わっていた頃はウイルスの仕事をしていたので体内時計など全く知りませんでした。私が体内時計の研究を始めたのは育児が終ってからです。

体内時計の研究で小学生の時、知った昼寝の時間が規則的にズレル理由を理解しました。さらに、体内時計が狂うと睡眠覚醒リズムがずれたり、昼夜に関係なく睡眠と覚醒の状態が12時間毎の細切れになることも知りました。

 

夜泣きと体内時計との関係

最初のホームページを掲載するにあたって“夜泣き 体内時計”のキーワードでwebを検索してみましたが、1件も検索されませんでした。夜泣きと体内時計とが密接に係っていることを最初に指摘したのは私です。現在は体内時計と夜泣きとの関係について掲載されているwebなどは多数ありますね。実際に体内時計の研究をしたことのない人に体内時計のことが判るでしょうか。

 

夜泣き相談

 私が最初に公開したホームページは、『夜泣きの原因と対策(対処法)』でした。当時、夜泣きの原因と対策という題目のwebは1件もありませんでした。これを公開したら夜泣き相談など受けつけていなかったし、公務とは全く関係がないのに相談メールが沢山きました。この相談で、体内時計が狂い睡眠と覚醒との状態が12時間毎の細切れになると赤ちゃんは、夜に覚醒の時泣くことが確認できました。すなわち、相談メールの多くは夜12時間毎に泣くと言うことでした。私のアドバイス通りに対策を講じた相談者は夜泣きを治しましたが、当初は体内時計など信じないお母さんが多かったと感じました。

7.第2章 祖先達を想像し本質を見直すことが大切

 

第2章 祖先達を想像し本質を見直すことが大切

 

祖先達のすがたを想像してみましょう

 人間は高度な文明を築き、私達はそれにどっぷり浸かって生活しており、太古の祖先達のすがたを忘れがちです。太古の祖先達のすがたこそ人間本来のすがたであり忘れてはならない大切なことです。

現代人の身体も太古の祖先達と同じです。太古の祖先達は裸であったし、現代のような住居や衣服はなく熱帯や温帯地域に住んでいたことは想像できます。祖先達は常に猛獣に襲われる危険の中で生活していました。赤ちゃんや幼児は、猛獣から逃げたり抵抗することはできないから常に親が守ってあげなければならなく、いつもお母さんと密着していたことでしょう。寝ている時は最も危険です。また、真っ暗闇は、猛獣が近づいても見えないから大人にも恐怖です。そのため現在でも暗闇は本能的に恐怖を感ずるのです。このような恐怖、または猛獣に対する警戒心が遺伝的に組み込まれているので、赤ちゃんや幼児は親と添い寝をすると安心して眠れるのです。1歳以下のお子さんに添うのは寝付かせる時だけにしましょう。

 

昼寝はお母さんがいる普通に明るい部屋で

 赤ちゃんや幼児の昼寝は、直射日光は避けて普通に明るく、お母さんがいる部屋で寝させるのが大切です。大人が昼寝をする時も居間で眠る人が多いでしょうが、寝室で寝るとより落ち着いて眠れますね。これは大人だからです。赤ちゃんや幼児を1人だけ寝室で寝かせてお母さんが居間にいたらどうでしょうか。赤ちゃんや幼児は、寂しい以上にお母さんから離れることが本能的に恐怖を感じます。

 そのため安心して眠れなく、眠りが浅く短時間で目を開け、お母さんの姿が見えないと激しく泣きます。これが毎日続くと赤ちゃんは、午後1時頃からの昼寝が30分位しかできなくなります。赤ちゃんや幼児が昼寝をまともにできないと悩んでいるお母さん達、赤ちゃんの気持ちになって考えてください。

 現在は、昼間赤ちゃんを寝室で寝かせて、お母さんは居間からベビーモニターで見ることも可能になりました。しかし、赤ちゃんはモニターでお母さんを見てはいません。お母さんはモニターで見ていても赤ちゃんが寝室で恐怖を感ずることには変わりありません。実際に、このようなことで赤ちゃんが昼寝できないと悩んでいるお母さんがいました。

 赤ちゃんや幼児の昼寝が30分位しかできないからと、昼間寝室内を暗くするのも間違っています。昼寝と夜の眠りとは別です。昼夜の区別をはっきりさせることは、正常な睡眠覚醒リズムの維持に大切です。

 

現在の家庭内の育児環境

 多くの家庭では、寝室内にベッドがあり、夜間赤ちゃんをベビーベッドで寝かせている家庭もあるでしょう。このような場合、赤ちゃんが夜に眠れなくても当然です。寝室内を暗くすると赤ちゃんにとっては、真っ暗闇の中へ1人置き去りにされたのと同様になります。

 赤ちゃんや幼児は、畳の上に布団を敷きお母さんのすぐそばで寝かせ、泣いたらすぐに添えるようにすることが大切です。赤ちゃんや幼児が短時間目を開けた時、暗くてもお母さんの寝息の声を聞くと傍にいることを知り安心することがあります。

 文明がいかに発達し、家庭内が大人には便利になっても赤ちゃんや幼児には、それが地獄のようにも感ずるのではないでしょうか。育児は、親の基準ではなく人間本来のすがたを想像してお子さんの立場でしなければなりません。

 赤ちゃんはベビーベッドよりお母さんに体を密着させていると安心して眠ります。おんぶや抱っこをしていると気持ちよさそうに眠りますね。お母さんとしては、最初から布団に寝かせた方が気持ちよく寝れると考えるでしょう。これは大人の考えです。赤ちゃんや幼児は、お母さんに直接体が接している時が最も安心して眠れるのです。昼寝の寝付きがよくない場合は、おんぶや抱っこで眠らせてから布団に移して寝させましよう。勿論、布団で添って寝かせてもよいです。おんぶや抱っこでないと昼寝をしないと悩んでいるお母さんもいますが、寝なくても当然です。徐々に慣らすとおんぶや抱っこでなくても布団で寝付けるようになります。

夜の就寝は、特に体内時計の周期の長さが24時間より長い赤ちゃんや幼児には添って寝付かせるのがよいです。ただし、お母さんも眠って事故を起さないよう充分気を付けてください。

 ベビーベッドを買ったのなら居間に置いて昼間寝させるのに使うとよいでしょう。
中谷 勇
作家:中谷 勇  理学博士 元山形大学理学部生物学科教授
間違っている常識 育児編 ① 赤ちゃんや幼児の昼寝を寝室でさせる
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