間違っている常識 育児編 ① 赤ちゃんや幼児の昼寝を寝室でさせる

4.第1章 著者の夜泣き対策のルーツ

第1章 著者の夜泣き対策のルーツ

 

育児で大切なのは経験より観察

 お母さん達の中には、「中谷は男で子育ての経験もないのに何を言っている」とお考えの方もおられることでしょう。現在、先輩ママさんと慕われている人達が夜泣きに関して多くの情報を発信していますが、夜泣きを完璧に治すことをつきとめた人はいるでしょうか。第二次世界大戦終了までは「産めよ、増やせよ」の政策で、子育て10人以上のお母さんは珍しくありませんでした。そのようなお母さん達の多くは、幼少の頃は子守、老いては孫の世話をし育児経験はとても豊富でした。それでも昔から多くのお母さん達は夜泣きで悩んできました。

経験は大切ですが、単に経験すればよいのではありません。昔から現在も先輩ママさん達が経験で知ったことをまとめると以下のようなことではないでしょうか。

夜泣きには、はっきりした原因はない。時期がくれば治る。ある程度は耐えなければならない。泣くのは赤ちゃんの仕事。子育てで避け難いこと、などなど。ただ辛かったことだけ、これが全てであるかのように新米ママさん達に発信しているのではないでしょうか。

大切な事は、常に観察し工夫することです。観察と言っても身構えるのではなく、育児をしながら赤ちゃんや幼児のことをそれとなく観察するのを習慣にすることです。

 

子守 私は小学4年生の時、弟の子守りをし昼寝の時間が毎日規則的にズレルことを自分の目で見て知りました。さらに、親達が「昼寝が夕方近くになると夜泣きする」と話しているのを耳にしていました。1970年代前半までの夜泣きは、生後6か月以降に始まり1歳半頃まで続きました。勿論、夜泣きしない赤ちゃんも多くいました。

私の育児経験

 家内は、息子の出産後、体調を崩し約2年間入退院を繰り返しました。そのため、家内が自宅にいる時でも朝と夜、土曜の午後(当時、土曜日の午前中は勤務)、日曜日や休日は主に私が育児をしました。ミルクで育てたのでミルクを用意するのも飲ませるのもオムツを替えるのも私がしました。

 息子は、生後6か月を過ぎたある夜、夜泣きしました。私は、睡眠リズムが規則的にずれることを知っていたので翌朝から私が起床する時、息子を起こしました。毎朝規則的に起こすと睡眠覚醒リズムはずれないと考えたからです。案の定、夜泣きしませんでした。数か月後、連続して数日間朝起こさなかったら夜泣きしました。息子に夜泣きさせたのは、この2晩だけです。

 

 注)睡眠障害の夜泣きは朝起こしただけでは治りません。睡眠障害の夜泣きは対策をしなければ6歳前後まで続きます。6歳頃になると夜泣きが治るのではなく忍耐力がついて泣かなくなるだけです。大人は睡眠障害でも声をあげて泣きませんね。睡眠障害は治せます。

 

 息子は、産院から退院後1歳過ぎまでは、午前1時頃お腹をすかせて泣きましたが、オムツを替えてミルクを飲ませると午後8時頃から朝起こすまで眠りました。幼児になってからの昼寝は、午後1時頃から約2時間半寝ました。夜中にお腹をすかさなくなってからは、午後8時頃から朝起こすまで連続して眠りました。これが赤ちゃんや幼児の普通の眠りです。

 

育児は普通に

 人間の赤ちゃん、特別ではありません。育児は、難しく考えず、ごく普通に楽しくすることが大切です。ちまたの情報を鵜呑みにし惑わされないよう気を付けましょう。

体内時計の研究

 体内時計に関する学問は新しく、研究が本格的に始まったのは1960年以降です。私は、育児に関わっていた頃はウイルスの仕事をしていたので体内時計など全く知りませんでした。私が体内時計の研究を始めたのは育児が終ってからです。

体内時計の研究で小学生の時、知った昼寝の時間が規則的にズレル理由を理解しました。さらに、体内時計が狂うと睡眠覚醒リズムがずれたり、昼夜に関係なく睡眠と覚醒の状態が12時間毎の細切れになることも知りました。

 

夜泣きと体内時計との関係

最初のホームページを掲載するにあたって“夜泣き 体内時計”のキーワードでwebを検索してみましたが、1件も検索されませんでした。夜泣きと体内時計とが密接に係っていることを最初に指摘したのは私です。現在は体内時計と夜泣きとの関係について掲載されているwebなどは多数ありますね。実際に体内時計の研究をしたことのない人に体内時計のことが判るでしょうか。

 

夜泣き相談

 私が最初に公開したホームページは、『夜泣きの原因と対策(対処法)』でした。当時、夜泣きの原因と対策という題目のwebは1件もありませんでした。これを公開したら夜泣き相談など受けつけていなかったし、公務とは全く関係がないのに相談メールが沢山きました。この相談で、体内時計が狂い睡眠と覚醒との状態が12時間毎の細切れになると赤ちゃんは、夜に覚醒の時泣くことが確認できました。すなわち、相談メールの多くは夜12時間毎に泣くと言うことでした。私のアドバイス通りに対策を講じた相談者は夜泣きを治しましたが、当初は体内時計など信じないお母さんが多かったと感じました。

7.第2章 祖先達を想像し本質を見直すことが大切

 

第2章 祖先達を想像し本質を見直すことが大切

 

祖先達のすがたを想像してみましょう

 人間は高度な文明を築き、私達はそれにどっぷり浸かって生活しており、太古の祖先達のすがたを忘れがちです。太古の祖先達のすがたこそ人間本来のすがたであり忘れてはならない大切なことです。

現代人の身体も太古の祖先達と同じです。太古の祖先達は裸であったし、現代のような住居や衣服はなく熱帯や温帯地域に住んでいたことは想像できます。祖先達は常に猛獣に襲われる危険の中で生活していました。赤ちゃんや幼児は、猛獣から逃げたり抵抗することはできないから常に親が守ってあげなければならなく、いつもお母さんと密着していたことでしょう。寝ている時は最も危険です。また、真っ暗闇は、猛獣が近づいても見えないから大人にも恐怖です。そのため現在でも暗闇は本能的に恐怖を感ずるのです。このような恐怖、または猛獣に対する警戒心が遺伝的に組み込まれているので、赤ちゃんや幼児は親と添い寝をすると安心して眠れるのです。1歳以下のお子さんに添うのは寝付かせる時だけにしましょう。

 

昼寝はお母さんがいる普通に明るい部屋で

 赤ちゃんや幼児の昼寝は、直射日光は避けて普通に明るく、お母さんがいる部屋で寝させるのが大切です。大人が昼寝をする時も居間で眠る人が多いでしょうが、寝室で寝るとより落ち着いて眠れますね。これは大人だからです。赤ちゃんや幼児を1人だけ寝室で寝かせてお母さんが居間にいたらどうでしょうか。赤ちゃんや幼児は、寂しい以上にお母さんから離れることが本能的に恐怖を感じます。
中谷 勇
作家:中谷 勇  理学博士 元山形大学理学部生物学科教授
間違っている常識 育児編 ① 赤ちゃんや幼児の昼寝を寝室でさせる
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