知能が高い虫達が、高度で精密なアリ塚を多く造っていた。
しかし、それは、冷たいオブジェに見えていた。 働きバチがあせっくらしく働く中、潤滑油や砂糖を与えたみたいに、尚もあわただしく動いていた。
一夜にしてマスコミや署や大勢の関係者が、擦れ違っていた。
何故ならば警察界では、ナンバー3に入る“生きる伝説の狩人”と呼ばれる
斎郷敬盛32歳が謎の飛び降り自殺事件を起こしていたからだった。
遺書は、残って無かった!?
何か怪しいと思っている仲間達は、多かった。
頭をひねり考える・・・・・・悩む・・・・・・深みに落ちていく・・・・・・闇の低中に・・・・・・!?
(何かある・・・・・・!?)
(裏で何か動いている・・・・・・!?)
(暗殺・・・・・・!?)
大勢の人の頭の中や現実は、混沌としていた。
世間では、約一週間か、次の興味のある記事が出る迄は。
仲間は、一生記憶に残る事件だった。
・・・・・・アンダーワールドで互いに動き始める・・・・・・。
清楚な真っ白いシートが、テーブル上にあった。
そして時と共に多くの夕食ディナーがキャンパスを彩られていく。
「あっ、すみません」と
椅子をエスコートした店員さんに笑顔で答えた。
「ね~ね~、裕ちゃん、
ちょっと高級感的な雰囲気な~い」
「気に入ってくれた」
「うんっ」
バラ色の人生を手に入れようとしている二人の微笑みが溢れ出ていた。
「あ~、もうお腹いっぱい~」 小さく両腕を小脇近くに折り畳み腕を前後に
小刻みに振った。
「料理もいっぱい出たし、可愛らしいやら、綺麗やらで凄く良かったっ。 有難う、裕ちゃん」
「ん~んっ、俺からの誕生日プレゼントだよっ。・・・・・・はい」
濃紺の75×75×75ミリ位の品物を目の前に差し出された。 そして手渡される。「え~・・・・・・」
目を合わせる朝比奈裕紀と仁科沙織だった。
二人とも微笑む。
「開けてもいい!?」
「うん、いいよっ」
関心を持ってゆっくりと蓋を開ける・・・・・・!?
しかし、中には、何も入ってなかった。 目を合わせる。
「あれっ、あれれれっ!?」 瞬きをする。
「あれ~、ないっ!?・・・・・・」
すると ゆっく~りと右手を彼女の前に持っていき、指をしなやかに動かし始めた。
「ハンド・パワーです」
彼女の左手を取っていき、右手をその上にそっと乗せた。 そして・・・!?
「エターナル ラブ」
二人とも目をつむって唱えた。
時が経つ。
コポッ、チャリーン。
音と共にゆっくりと目を開けた。
「えっ、ええ~・・・・・・!?」
人差し指を唇にあてる裕紀。
「シー」
「シー・・・・・・!?」
二人 同じ仕草だった。
変に見えていた。
しかし、ワイングラスの中には、輝きを放ったダイヤの指輪があった。
「俺からの婚約指輪。
受け取ってくれる」
目を合わせた。
「わっ、私でいいの・・・!?」
「うんっ」
「君じゃないとダメなんだ、オレッ」
時間がそこだけ止まったように成っていた。
各々の世界の頭の中で”時間よ止まれ”と"LOVE LOVE LOVE"が流れてコラボをしているといった雰囲気があった。
はたから見ていると・・・何この人達お互いにいつまで見合っているのと、言われる位
に長く見つめ合っていた。
「受け取って・・・くれるねっ」
目でうかがう。
・・・!?・・・!?・・・!?
「うんっ、私で好ければ・・・お願いします」
二人見つめ合って微笑む。
お互いに腕を伸ばして手の甲が触れ合う。 赤いハートが飛び交う。
沙織は、自宅のアパートに帰って浴室でシャワーを浴びていた。
「フッ、フフフッ~フ~・・・・・・」
流行の『恋の唄―mirai―』を鼻で奏でている。
長い髪をバスタオルで拭き、別のバスタオルで胸から腰までを隠し、洗面台に向かった。
魔法の箱が輝き始める。
髪に整髪料を付けたり、ブラシを通したり、顔にローションを付けたりして美容に手をかけてから、部屋に向かった。
微妙な香りを放つ。
パソコンを立ち上げる。ネットサーフィンをして楽しむ。 ミス・キュートでショッピングモールを歩いて楽しむ。
見て判る位の赤橙黄緑と色を美しく変えていく。
沙織の鼻に微妙で悪魔的な甘い香りが届く。
フッフッ、嗅覚を刺激し、脳へ。 目を瞬かせる。元を探し始め、顔を左右に振る。