悪魔に無関心な歌
ジャック・レヴィ・インタビュー
聞き手:デレク・バーカー
1937年にニューヨーク・シティで誕生したジャック・レヴィは、ディランと
《欲望》収録曲を共作し、彼が行なった最高のコンサート・ツアーと目されているローリング・サンダー・レヴューのディレクターを務めた人物だ。
レヴィはミシガン州立大学で臨床心理学を学び、博士号を取得。その後、カンザス州トピカのメニンガー・ファンデーションで働くかたわら、趣味として地元のシアターで演劇監督としての腕を試す。1965年にレヴィは精神科医の仕事を辞めてニューヨークに戻り、演劇監督という新たなキャリアを追求することになる。
レヴィの大志は間もなく実を結び、長らくニューヨークでプロの演劇監督として活躍し、2004年9月に死去するまでコルゲート大学で後進の指導も行なった。彼が監督を務めたブロードウェイ作品の中には
『オー!カルカッタ!』『ドゥーンズベリー』などがあり、前者はジョン・レノン、サミュエル・ベケット、サム・シェパードらと共に脚本スケッチも担当した。
オフ・ブロードウェイ作品の代表作には
『Scuba Duba』『Red Cross』『Geography Of A Horse Dreamer』等があり、後者2作品は劇作家サム・シェパードが脚本を担当している。レヴィが劇中歌の作詞を担当したミュージカル版
『フェーム』は、ロンドンを含むヨーロッパの主要都市で上演された大成功作である。
レヴィはまた、作詞家としてロジャー・マッギン、ザ・バーズと共作。彼が作詞を担当した曲をレコーディングしたアーティストには、ジョー・コッカー、カーリー・サイモン、ジェリー・リー・ルイスらがいる。ボブ・ディランとの出会いはロジャー・マッギンとのコラボレーションがきっかけだった。
(デレク・バーカー)
左から:
ハワード・アーク、ボブ・ディラン、ジャック・レヴィー