おにいちゃんとわたしは、いつもなかよし。
あるひ、「ひとつでわるいんだけど……よかったら、なかよくはんぶんにわけてたべてね」きんじょのおばちゃんが、そういって、ドーナツをひとつくれました。
「じゃあ、はんぶんずっこな」そういったけれど、
おにいちゃんは、まるまるひとつ。そのドーナツをいもうとのわたしにくれました。
「はんぶんずっこだよ、おにいちゃん」
「うん、だからおまえがはんぶん、おにいちゃんがはんぶんだ」
「これじゃあ、はんぶんずっこじゃないよ。おばちゃんがなかよくはんぶんずっこにしてわけなさいっていってたよ。はんぶんずっこにしなくちゃいけないんだよ、おにいちゃん」
「いいんだよ、これで。さあおたべ」
そしておにいちゃんは、にっこりわらいながらこういいました。
「ここにくろいハンカチがあります。これをたたんで、おまじないをかけると・・」
そこにはさっきとおんなじドーナツがあらわれました!
「これでだいじょうぶ」
「えええ!?さっきわたしがたべたドーナツはなに?ドーナツじゃなかったの?
どーゆーこと?ねぇおにいちゃん!」
「てじなってすごいよね」
おにいちゃんへのナゾがひとつふえました。