ここ数カ月間、私のもとには最近リースされたボブ・ディランの新譜CD、LPに関する問い合わせが数多く寄せられている。「このアルバムには何が収録されているのか?」「マテリアルのうち、新音源はどのくらいあるのか?」「アルバム間で重複はどのくらいあるのか?」「音質は?」という質問とともに、とりわけ多いのが「これはブートレッグではないのか?」という質問である。
2011年9月(ISIS #158、p.48 未邦訳)でも、ヨーロッパ連合におけるパブリック・ドメインをめぐる当時の法律と著作権法の改正についての小さな記事を書いたが、最近のディランのアルバムの乱発状態によって、コレクター諸兄姉の間では、この件に対する関心が再び高まっているようだ。
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もくじ1. ロックとパブリック・ドメインの歴史
2. EUにおけるパブリック・ドメインの考え方
3. 著作権法の改正
4. 50周年記念コレクション
5. 収録曲について
6. 《フリーホイーリン》セッション
7. 疑問だらけのリリース