WARNING MARK

  獣達や武闘派達とは、また違った超武術派達が輝いた瞬間に現れたのだった。
  目をかばうような眩しい光の中から、矛先がヒモに繋がれて放たれ、一番威勢の良かったヤクザの右掌を突き破った。
  両手でヒモを力強く捕らえる。

  敵が何かを喋った。
「・・・なにっ!?・・・」
  威勢のいいヤクザを越えて人が一人  背後にストンッと立った。
「フンッ」
  鼻を少し鳴らすと遠ざけるようにゆっくりと歩き始めた。
  するとストンッ!?コロコロ~と音がして首が落ち、主を失った体は、バタンッと倒れた。

  光から出て来たのは、光とは、対称的な闇からの使者!?  暴れん坊のチャイニーズ  マフィアだった。  長い槍を器用に振り回し、トンファーやサイや剣や青龍刀を上手く使いこなし、ヤクザや警察をゲームの如く倒していった。
  もう、ここには、法は、無かった。

  一人一人  確実に関節や急所をせめて獣や職人を倒していった。
  プロの仕事というか、スピードや技の切れが惚れ惚れする程、凄かった。
  はたから見ていても近付いて戦う事  事態に恐怖を感じさせていた。
  チャイニーズマフィア各々が闘いを楽しんでいるように見えていた。 一瞬だけ微笑んで、またリズムカルに技を決めていく。

  カンカンッ、ザクザクッ、ズボッ、ズボッ、緊迫する怪音がそこかしこで響き渡った。
  既に闘いでは、なく、リトルウォー(小さな戦争)に成っていた。
  周りに似合わず、その場所、ビル内だけが戦場化していく。

  互いに鋭い目で見つめ合っていた。
  喧嘩好きの奴と格闘好きのヤクザ、空手を特技とする奴と中国拳法をする警察官、そして、たまたまその場に居合わせた奴と興味津々で集まったチャイニーズマフィアの計六人が鉢合わせをしていた。

  先手必勝といったところか、威圧して静の状態から一番始めに動いたのは、チャイニーズマフィアの二人だった。
  両手を握り合い、相手を回転させて飛ばし合うようにし、爪先とかかとにナイフを出して四人に急襲をし出した。

  シュルシュル×2 足を開いたり、閉じたりと四本の武器が軌道を変えて倒しに掛かっていく。
  だが突然、竹を割ったようにスパンと止め、二人は、並んで立った。
  怪しげな微笑みを顔に浮かべて。
  ケガ人四人、死者ゼロ。  ギ~ィ、バンッ、爪先とカカトのナイフをしまう。

「アーアッ」×2、
「ターアッ」×2
  一番始めにヤクザが走り出した。
  つられて警察官、無口でチャイニーズマフィアが走り出した。

  右腕を背中に取られ、ロックされ、身動きが取れなく成った奴がいた。
  相手は、一回り体が小さな奴だった。
「もう最後だ、あきらめろ、楽に殺してやる」
  後ろから笑みを浮かべ、左手でナイフを取り出した。
「お前、殺すのが遅いんだよ」
「なに!?」
  取られた右腕を持っていたが、相手は、こちらを向いていて、左のこめかみに銃口が当てられていた。
  プシュッ、ドサッ、
「右腕をかえして貰うよ、ヤクザ屋さん」
  無表情で歩いて行く。

 

  死闘を繰り返している建物内で突然、 
「グオオオオ~」
と地を揺るがす程の低い声が響き渡った。
  六人で死闘を繰り返していた警察官とヤクザとチャイニーズマフィアの中の一人のヤクザが
「ウグッ・・・アッ」
という叫び声を出して瞬時に暗闇に消えていった。

  同時にチャイニーズマフィアに赤い物がかかり、一人に異変が起こる。
「・・・アッ!?・・・アッ!?・・・」
  時差式に体中に電気が流れているみたいで、声のトーンも高く成っていった。
  続いて体にも変化があり、膝や手を床に付けるように成っていった。

「アァアアッ」
  ジュ~ウ~ウ~、体中から白い煙が立ち上る。
  そして膝を付いて前のめりに倒れた。
  体は、ピクリともしなかった。
  残った四人は、チャイニーズマフィアを見ていたが、次第に顔を見合わせて暗闇に消えていったヤクザの方を見るようになった。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
WARNING MARK
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