WARNING MARK

「やだ~」
「まじ、マジ、まじっ!?」
「うっそ~」
「本当だって・・・ホントッ!?」
  そんな会話が近くで聞こえて来ていた。
  声のする方を見ると川縁の外灯のしたでカップルが歩いているのが見えた。
  遠くから怪しまれないように少しの時間 見ていた。

  うらやましかった。
(クッソーッ)
  酔っていた私は、思わず左掌を見た。
  マリッジリング(結婚指輪)をしごき上げ、外して暗闇の中へ、流れている見えない川に向かって投げ込んだ。
  手を離れた輪は、闇の中で一瞬だけ、白い羽毛に それから黒い羽毛に、そしてカラスに、そしてリングに変わって流されて行った。

  何もかも忘れようとしていた・・・流されて行った・・・いつのまにか埋もれていった・・・しかし、どこかに記憶だけが残っていた。
(ぅぁあアァ~!?・・・)
  過去の物と成り、ツラさも痛さも無くなり、平和な日々を暮らして行く・・・・・・。

  雲一つ無く透き通るような青い空だった。 まさに快晴。 天気予報でも現実でも。
  普通だとあり得ない、雷の音、音、音、音ばかりしてみんなが気になっていたのだった。

  動物の条件反射なのか、多くの都会人が変わらぬ空を見上げていた。
  まるで異世界が直ぐ隣にあるみたいだった。
  みんながキツネにつままれたみたいに成っていた。
  肉眼では、見えにくい上空で多くの球電が漂い、舞い始める。

  その時には、すでに事件が始まっていたのだった。  誰もが、もう止められない事が。
  今までの歴史上になかった事が起こされようとしていたのだった。

  過去のデーターから日時や人数や場所を検索し、ピックアップし、計画し、試作品!?を実行した。
  指一本で悪気なく、軽くゲームをするようにキーボードを押した。
  何を考えているのか、頭の中がどうなっているのか、常人の人!?では、理解出来ない事をしていた。

《暴力団撲滅総決起集会》警察官のトップの集まりと日本最大の指定暴力団とが、某場所の某ビルディングでマトモにぶつかり合う事を余儀なくされる破目になる。 
  そして・・・・・・!?
  みんなが一瞬にして眩しいばかりの光の中に放り込まれて、エレベーターに乗ったような気持ちの悪い体感をさせられる。

  夢の中なのか、眠りから覚めたばかりなのか、光が引いていった。
  瞬きをする、頭に手をあてる。
  ほとんどの人は、しゃがみ込んでいたが、動物的条件反射からか、体を動かして立ち上がり始める。
  脳をしっかりさせる、辺りを確かめる。

  見て直ぐにお互いが黒目の服装を着ていても、敵同士だという事が分かった。
  何か反発し合う《職業柄の感や臭いで》、片方は、スルド過ぎる目と恐い威圧感、また片方は、厳し過ぎる目と正義の圧力感だった。
「何だよ~、オイッ、コラッ」
「ア~、テメイこそ、何だよ~」
  たちの悪い口ケンカと共に激しい取っ組み合いが始まり、バンバンッという発砲事件が、そこらじゅうで始まってしまっていた。

  弾が飛び交う、白い煙が宙を浮遊する、薬莢が飛び散る、死者が増えていく。  命が欲しくないのかと思うように敵に真っ向勝負し撃ち合っていく。
  頭を冷静!?冷酷!?にしてスナイパーの如く、計算して正しい射撃姿勢で敵を倒していく。
  獣ながら少人数やグループで敵と戦う奴らもいた。

  その戦闘対戦中に建物のそこら中で音の無い眩しい稲光が発生した。
  ほとんどの奴らが、目をそらすか、瞑るか、しかめるか、手を目の前にかざした。
  何なんだ!?、何が始まったんだ!?、何が起こったんだ!?、その場所にいる獣達がみな、そう感じた、動揺した。

迷 彩映 (mei saiei・メイ サイエイ)
作家:MONALI PADORA
WARNING MARK
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