よく朝になると なきまくらたちはみんな おしいれに入っていくと
たたんだ ふとんの上にのってねむりました
「 まくらが おしいれに入っちゃった 」
「 ちゃんと自分たちのお部屋にかえるのね おりこうさんね 」
「 まったく たいしたもんだ むかしから
『 なきまくらのやどる家には ねずみはでない 』と いわれているしね 」
ゆめちゃんは 「 すごいね! 」と かんしんしました
お父さんは にこにこしながら いいます
「 いつもきれいで ふかふかなふとんのある おしいれをこのむというし
お母さんが きれいにしてくれているから ここにきたのかもしれないね 」
お母さんは 「 まあ 」といって えがおになりました
「 それにしても ほんとうに いいまくらだよ しごとのつかれも すっかり とれたみたいだ 」
「 そうね なきまくらは人をぐっすりとねむらせて
しあわせなゆめがみられる といいますものね
なぐさめまくらとか 子守まくらとも いわれていて わらべうたも あったんだもの 」
「 ゆめもね たのしいゆめをみたよ
えーとね はねがはえた ライオンにのって 空をとんだの 」
「まあ それは たのしそうなゆめね ゆめちゃんよかったわね 」
「 うん! おかあさんは? 」
「 お父さんの およめさんになった日のゆめよ 」
おとうさんと おかあさんは しあわせそうにわらっています
それから
「 ありがとう またね 」と まくらさんたちに手をふって
おしいれをしめました