そこへ おばあさんがやってきました
「 なかよしのふたりが なにしているの けんかはおよし 」
そして まくらをとりあげて いいました
「 ほら なきまくらが くるしそうに ないているじゃないか 」
「 それって なきまくらっていうの おばあちゃん? 」と はなちゃんは たずねました
「 そうだよ しあわせな家の おしいれにやってきて
まくらにやどる めずらしいおばけだよ 」
「 えっ!おばけなの? 」と はなちゃんは おどろいて めをまるくしました
「 でも いいおばけなんだよ わるいことしないもん 」と ゆめちゃん
「 おばあちゃんの おばあちゃんもね はたけしごとからかえってくると
よく おなかに顔をうずめて いたもんだよ 」
「 おなかにかおを? そうやってつかう まくらなの? 」
「 ああ なきまくらは つかれをとってくれる おばけなんだよ
むかしの人は そうやって まいにちのつかれを とってきたんだよ 」
「 どうして その おばけが いまここにいるの? 」と はなちゃん
「 どうしてだろうねぇ どの家でも来るって わけじゃないんだよ
それでも 昔は よくみかけていた ものだけどね
さいきんは あまり見なくなったねぇ 」
「 はなちゃんもほしい! 」と はなちゃん
「でもね なきまくらも いいことばかりとは かぎらないよ
つかいかたを まちがえたら こわいんだからね 」