なきまくら





ある まんげつの夜

ゆめちゃんが なかなかねつけずに おきていると 
まくらが きれいな 歌をうたいはじめました

それは いつもとちがって 高い声でした
ことばは わかりませんが それは赤ちゃんのような かわいい声でした

ゆめちゃんがねむるまで 歌いつづけてくれました
  
なきまくらには 赤ちゃんやこどもの ねごとはごちそうです
なんだか おもしろいですね




ある日 ゆめちゃんにお母さんがいいました

「 ゆめちゃん 今日これからね お母さん お出かけしなくちゃいけないの
おかあさんが 帰ってくるまで おるすばん おねがいね 」

「 うん だいじょうぶ まかせて 」
ゆめちゃんは元気よくこたえました




「 それとね もうすぐしたら はなちゃんが おばあさんと 
ここにくるから なかよく あそんでてね 」

「 えっ ほんとうに! うわーい やったあ 」




きょうは まくらであそぼうとおもったけど・・

はなちゃんがくるまでに どこかに しまっとかなくっちゃ

ゆめちゃんは いそいでまくらを おしいれに かくしました

しばらくして


ピンポーン 「 ゆめちゃーん 来たよー!  こんにちわー 」

    あ もうきちゃった 

「 はーい いまいくよー! 」
由井青朗
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