体がホテッテ良く眠れないから嫌だと言っていた親父が・・・足湯をしていた。
おしっこをしに行って出て来た俺は、タマゲタのだった。
オカンに何度も×2 足を綺麗に洗って貰っていたのだった。
それも《お風呂用の湯葉な》を入れて色を変えて貰って、そして終わったら
「ありがとねっ」だって、日頃 聞いた事が無いよ・・・!?
一般家庭の日頃と何ら変わらない夕食をしていた。
「美味くない・・・!?」
「こんなにいっぱいいらないって!?・・・」
「これっ、イランから・・・」
病気でストレスが溜まっているのか、味が解らなくなっていてイライラしているのか、体がキツクてカッカッしているのか、精神的に参ってきているのか・・・怒っているのが声から分かった。
会話が無くなり、シーンと成っていく・・・・・・。
もくもくと食事をしていく・・・。
そして交流がなくなった・・・。
カチンッ・・・コンッ・・・コツンッ・・・、と音だけが響いていく。
「・・・悪いな~、俺の為に・・・」
「・・・あれ、ヤダ、これ、ヤダなんてわがまま言って・・・俺もこんな体に成っちゃったから嫌に成っちゃってさ~・・・」
「・・・まあ、五月蝿くてヤダかもしれないけど、ストレスが溜まっていると思って許してくれや・・・」
もっと早くから素直に成ればいいのにと思った・・・・・・。
今までのわだかまりが、ほどけていく感じがした・・・・・・。
一日が終えようとしていた。
午後五時から始まる『笑点』を見ていたら、夕食の準備が徐々に始まっていった、机の上が満杯に成っていく。
そして夕飯を食べ終えてゆっくりとしていた。
お茶碗類を片付けていき、卓上をすかしていく。
「ご飯 美味かったね、茶碗洗いご苦労さんねっ、お母さん」
みんな顔を合わせていた。
「・・・ホ~、覚えてたんだ。 ボケてなかったな~・・・嬉しくて涙が出てくるよ。 ウ~、ウ~・・・」
涙を流す真似をする。
すると親父は、
「それもツレ~な~」
だって・・・。
外が暗く成っていき、後は、面白いテレビ番組を見ながら、軽く呑んで寝るだけという感じになっていた。
気持ち良くなった位で止めにする。
軽く飲むくらいなら、良いとお医者さんに聞いていたから、軽く飲んだ勢いで話し掛けたのだった。
「親父~、酒 飲むか~」
親父は、顔を合わせて言ってきた。
「・・・ありがとう、気持ちだけ貰っておくわ・・・」
だって。 病気をする前の親父とは、全然 違う人のように思えた。
いつも朝が早いから、前の日にお弁当を作っておいて冷蔵庫に入れておいた。 そして寝る前に会社に持って行くバックの中に入れておく、それが習慣だった。
「悪くなるといけないから、弁当 バックの中に入れとかないと!?・・・」
すると直ぐに俺と顔を合わせた。
「バックの中に入れとかないと!?」だってと笑っていた。
《悪くなるといけないから、弁当を冷蔵庫に入れておかないと》が正解。
「死ぬー、シヌー、しぬ~」
「ウッ・・・ゥ・ォ~・・・!?」
「子・・・!?」
嫁さんの名前を小さく囁く。
真夜中に寝言を多く言うように成ったという話しだった。
「こんなもんなんだろうな~!?・・・・・・」
「イヤんなったっ・・・・・・!?」
参った・・・とか、人生を後悔しているように頭をずっとず~っと、何回も何回も下げ続けていた、懺悔するように!?・・・諦めたように!?・・・祈るように!?
独裁者!?や我が道を行く!?みたいな感じで人の声を聞き入れずに煙草に酒といったように健康診断もせずに過ごしていた。
亡くなった婆さんいわく《煙草は、百害あって一利無し》という言葉を言っていたが・・・。
人生 後悔 先に立たずだと思った。
「クッソーッ!?・・・」
「オーシッ、その意気だ」 何か外野から聞いていると(オー)怒っているのか~、偉い元気いいな~って感じにとらえていた。
まあ、元気がいい方がいいんだけど・・・。
「ヨイショッ、よいしょっ」
立とうとしていた。
「そんな小さい尻でて上がらないか~」だって、
確かに痩せていたから、お尻は、小さく成っていたんだけど。
「オッとっto、なんだよっ・・・!?」
寝ようと思って立ち上がり、歩き出した時だった。
まるで足元に障害物があるか、丸い猫がいるみたいように周りには、見えていた。
「・・・何をやっているの!?・・・」
みんながキョトンとしていた、そのあと笑いが盛り上がる。
「お休み」
「うんっ」
普通の会話が凄く新鮮味があり、良く感じられた。
何かを極めるように深い眠りについていた。
風邪薬や抗がん剤を飲んで。
頭は、バリカンを使ってスキンヘッドになり、まるで修行僧のよう。
俺は、こういう頭は、好きだった。
昔の頭の固い堅物親父の背中を見て育ってきた。
いつからか、お経が聞こえてきていた。
コンコンッ×∞、焦げ茶色の木魚を叩く音が規則正しいリズムで響き渡る。
「・・・南妙法連華経・・・」
聞いた事のない言葉が永遠的に唱えられていく。
なぜだか、聞いていて嫌では、なく、心の中に自然に染み込んできていた。
俺には、出来ないが、担当者は、親父だった。
さすが修行僧。
迷いがあって!?良く寝たのか、目を覚まして起きてきた。
お互いが顔を合わせてから、目が合った。
「おはよう」
「おはよっ」
元気が出た様子で親父から挨拶をしてきた。
「ご飯を食べないとな、死んじゃう」
いい心掛けだと思った。(が・ん・ば・れ)と無音声で言っていた。