一人戦争

戦の準備1 ~心構え~


いじめられている間は自分を守ってくれる人間はいない。
慰めてくれる人同情してくれる人それは味方ではない。

傍観者である。

学校生活、社会生活、特異なコミュニティの中で起こるいじめ問題に
解決を見出す第一歩は味方が居ない事を認識する事から始まると言える。

同情や安易な正義感で近寄ってくる者は少なからず手のひらを返すように
敵となる場合が多い。

誰しも自分が可愛いのである。

いじめられる者になる事、傍観で安全な位置で居続ける事を天秤にかければ
おのずと答えは出る。

味方はいない。

味方であっても味方と認識しない。
いじめられている間は、手を貸すもの慰めてくるものは全て
戦う為の武器であると認識する。

この割り切りを徹底する。

そこから戦いの準備が始まる。

戦の準備2 ~現状確認~



いじめの理由を認識する。

いじめられる理由に大小関係なく理由が存在する。
外見、内面、その他様々な理由があるがいじめられる理由は
事の根源であると共に抜け出す最大の武器でもある。
現状を明確にする事でこの戦いのゴールを設定する。


設定するゴールは必ず事前に決めておく。

ゴールが見えない戦いほど苦しいものは無い。
設定する事で戦いに終りがある事を自身に自覚させる。
ゴールはけして妥協して決めてはならない。
必ず納得のいく結末に設定しそこにたどり着く事だけを
考える。
納得のいく結末こそが気持ちを強くしそして強い武器となる。



ゴールする為に必要なものを考える。

抜け出す為に必要なものはその理由によって様々であるが
必ず抜け出す為の武器は存在する。
逆に言えば武器無くこの戦いに勝利は無い。

まず手に入れる事が出来るのは「理由」である。
理由とは改善する事で解決する場合もあるが、多くはその理由
から又別の理由に変わり自己認識が出来なくなる場合が多い。
まずは最初の理由を手に入れる。
変化していく理由の一つ一つも武器となる為、必ず出来る限り
全ての理由を手に入れる事が必須である。

次に威力の高い武器は人である。
自分に同情する者を効率よく利用する事は必要不可欠である。
多くのいじめの中で最も有効な武器といえる。

細かい武器として、事の状況から物であったり、環境、立場、
と様々だがこれらの武器は日々有効打の変わる変則武器
と認識しておく。

どちらの武器も大事に取って置けるものと、そうでないものの
タイミングをしっかりと見定める必要がある為、ただ手に入れる
のではなく、必ず使い道を同時に模索する必要がある。


はらをきめる。

ここまでの準備と心構えが出来るまでは戦は始まらない。
中途半端に始めても負けるだけの今までと変わらない生活しか
おくれない。
はらをくくり、今の自分とは別の戦う自分を作り出せたなら
それが戦の始まりである。



~開戦~



開戦の狼煙

現状起こりうることに対し必ず拒否の声明をあげる。
それは気持ちを込める必要は無い。
ただ声に出し拒絶の声を叫ぶのである。
これが狼煙となり、一人で始める戦争への幕が開くのである。
ここで大切なことは第三者にも届く環境と状況の中
で叫ぶ事である。
第三者を強引に巻き込む事で後に役立つ武器として
育て上げるのである。


記録をとる

現状に起こる自分への仕打ちを客観的に見つめなおし
全てを記録する。
この繰り返しがやがて武器となる。
戦において楽と言う概念は無い。耐えることもまた戦いであり
耐える中で拾い上げる情報を収集する事で武器とする。


戦略を構築する

人を武器へと育て、状況を記録したものを武器となった人と
組み合わせていく。
この組み合わせは慎重に組み合わせなければならない。
最大限発揮する組み合わせを構築し、それぞれを一つの
武器として認識する。

簡略的に例題を挙げると、「暴行+警察」 「嫌がらせ+記録」

組み合わせの作業を行う際最も心がける事は非情になる事である。

時、場所、環境、組み合わせ使うタイミングはそれぞれではあるが
躊躇無く使う事がもっとも必要である。
出し惜しみは時間を延ばすだけになる為、使えるものは必ず即使う。


繰り返す事が攻撃。

武器の強化、戦略の構築と実行、主な攻撃はこの二つのみである。
ただひたすらこの2つを繰り返し実行する事こそが重要である。
少しでも手を緩める事があれば隙を突かれやられると認識する事を
徹底する。

攻撃をすれば反撃もされる。それも全て糧とする。
つらく険しい状況になればなるほどその環境は記録となり武器となる。
迷わず武器とし攻撃をする。


引き際を見定める。

押せば反発する。この繰り返しが攻撃となる訳だが、必ずしも全て
において押すことだけが全てではない。

敵が複数の場合には、中には反発を止め武器へと変簿するものが
現れる事がある。その見極めが重要である。
更なる強力な武器となる物を見落としてはならない。

又、単独の敵の場合、戦いの中で始めて武器となる第三者が発生
する事がある。
ただ目の前の敵を攻撃し続けることで見落とす可能性を最小限にする
為に目線を変え武器になりうる人間の存在を探す。


武器はありすぎると言う事は無い。

状況を好転させる上で必要な武器は無限大に必要である。
同じ攻撃は耐性を持ち力衰える。
より長く持続させるには、より多くのバリエーションを生み出すだけの
数の武器が必要である。
数こそ力であることを忘れてはいけない。

偽善的であろうと使える者は武器とする。
自分に有利な発言を吐く者は記録し武器の強化へと繋げる。
何度も繰り返すが、味方などいない。いるのは自分と敵、武器となる
素材のみである。

人を武器とし武装する。
この徹底こそが全てである。

~交戦~


抵抗も糧に。

戦いを始めた以上、反撃は避けられない。
やられるがままの今迄を改善する為の戦いに
無抵抗は必要が無い。抵抗も又武器となる。
抵抗すると言う意思表示を武器とするのである。
第三者、いじめに徹しきれない敵に見せ付けるのである。

物理的な攻撃にも、精神的な攻撃にも必ず声をあげ
抵抗する事が重要である。
防御する事さえも攻撃と意識し実行する。


引くタイミングと押すタイミング

幾度と無く攻撃と反撃を繰り返すうちに、必ず波がある事を
感じ始める。
それは反撃されこちらがうろたえる様を見る事に優越感を
感じる者が最も多い。
その感情がきわまっている間は必要以上の反撃はまず起きない。
より優越感を得ようとする者は波があるのである。
その波のタイミングを逃さない様にする事が重要である。
優越感に浸る敵に対し攻撃を与えるタイミングを徹底する事で
敵は、優越感を上回る恐怖感が芽生えるのである。

恐怖感はいじめをエスカレートする場合が多いが同時に罪悪感
も同時に生まれ始める。
取り返しのつかない、引っ込みが付かない状況となる敵に対し
徹底的な攻撃を仕掛ける事で恐怖感と罪悪感を育てるのである。
この二つの感情が大きく育つことで優越感は徐々に得られなくなる。

ここまでの流れでいじめの攻撃は殆どの場合収まり始める。


和解はない

ここで勘違いしてはいけないのが、和解と言う二文字は存在しない
と言うことである。
必ず敵に敗北、もしくは敗北感を与える事が重要である。
いじめとは伝染性のウィルスである為、他の矛先が見つかれば
そちらに移り又発生する。
そしていつか又自分に帰ってくるのである。

ウィルスを根絶して初めて終戦と認識する事。
それがこの先自分自身に降りかかる火の粉を払う最大の方法
である事を忘れてはいけない。








鏑木 宗治
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