サラリーマンからリタイヤする手順

会社を辞めて何をする?にかかわるリタイヤのメリットとデメリット( 5 / 5 )

リタイヤのデメリット

2.再就職が困難化する

 人生には想定外のことが起きるかも知れません。万全の準備で飛び込んだリタイヤメントが頓挫して、再就職を決心しなければならないことは想定から外してはならないでしょう。リタイヤメントは死ぬまで再就職しないで済むというような保障はありません。でもしかし、リタイヤ生活が長くなればなるほど再就職は難しくなるでしょう。


 こうなる理由は歳を重ねると融通がききにくくなる他に、リタイヤして生活していると、その間に離れていた集団生活や会社生活そのものに再適合し難くなりがちだからです。リタイヤ生活に身も心も慣れきってしまうということでしょう。もしこのような状態で再就職が困難になると、努力は非常に大きくなるでしょう。これはリタイヤする上での大きなリスクと言えます。 


3.一人の時間を持つことは意外に難しい

 メリットのところでリタイヤは家族と結びつきが強くなると書きましたが、ここでは同じことがデメリットとして書かなければなりません。これは矛盾ではなく両方の場合があるわけです。「家族と過ごす時間は長い方が良いけれど、やっぱり自分ひとりの時間もすごく大事」しかしリタイヤメントのホームグラウンドはまさに自宅です。そこには家族が居ます。思うように自分ひとりの時間が取れないかもしれません。会社帰りの一杯も無くなり、居心地の良い会社の机もありません。逆に単身者のリタイヤメントでは、完全一人になってしまうリスクがあるかもしれません。 



 以上のメリットとデメリットは多くのリタイヤメント志願者に共通的に直面する項目だと考えています。特にデメリットについては安易に「何とかなる」とか「やってみなければ分からない」と思わないで、それぞれに実現できる対策か、最低でも解決の見込みを持たないと将来に困難に直面してしまいます。

「何をするか」を考えるときに、合わせて考えたい自分の性格( 1 / 1 )

「何をするか」を考えるときに、合わせて考えたい自分の性格

「何をするか」を考えるときに、合わせて考えたい自分の性格


 私はリタイヤしてしまってから気がつきましたが、幸いにも私の性格はリタイヤメント向きでした。リタイヤ後の「やりたい事」は夢を追いかければ見つかるのですが、実際は毎日そればかりやっているわけではありません。


 気分が良くていっぱいできる日もあれば、気の乗らない日もあります。会社では仕事に強制力が働いているので、それで乗り切ってしまうことができますが、リタイヤメントは何をするのも自分次第ですし、収入をそれに頼ることもありませんから結局だらけてしまうこともけっこう多くあります。 


 何もしないで居ることが苦痛にならない性格の人はリタイヤメント生活がうまく進むと私は実感します。私はそんな性格だったので、それがよく分かりました。また自己満足できる人はリタイヤ生活に向いているでしょう。リタイヤしたら「今日は裏の畑をよく耕した」とか「街に出て写真を100枚も撮った」など自己満足するような生活が多くなるのです。


 会社では上司や客先から「よくやった」と評価され充実感を得られましたが、リタイヤするとそれはもう無いです。もし「人から自分は必要だと思われたい」と切望する人は、ボランティア活動などでその欲求を満たすことを主眼に置いた方がいいでしょう。


 私のリタイヤ後は、ネットでできる活動で少々の収入を得ることにしました。その収入はとても小さいのでビジネスと呼ぶにはゆる過ぎますが、その収入で海外旅行をするというような「セミリタイヤ」スタイルを続けていくことにしました。ネットビジネスであれば海外旅行中でもネットが使えるので、時間にも場所にも囚われない生活ができると、私は期待しています。

リタイヤするための手続きについて( 1 / 1 )

リタイヤするための手続きについて

リタイヤするための手続きについて


1.家族の理解を得ること

 安定した収入があったサラリーマンを辞めようと考えているとき、家族に「将来は定年より前に会社を辞める」「会社を辞めたらこんな事をする」これを何度も何度も話して納得してもらわなければなりません。


 私の場合は幸いにも説明して納得させる家族とは妻と子供だけで済みましたが、これも人によって大差があります。同居の家族だけでなく、親戚なども含めて、自分のリタイヤをしつこく反対する可能性がある人物には多分説明して納得することが要るでしょう。他人であれば反対されても被害はあまり大きくないでしょうけど、親や親戚がもし反対派に残ることになると、リタイヤしてから精神上深刻な事態にならないとも限りません。このような理解活動にもある程度長い期間がかかるのです。

 

2.リタイヤのベストタイミングを探ること

 いつ会社を辞めてリタイヤするべきか。タイミングを見るべきです。会社都合退職は会社を辞める最良の機会だと私は思います。一番オーソドックスな定年退職という退職方法は、かなり多くのリタイヤの障壁を自動的に取り払ってくれる効果があります。家族も「定年ご苦労さま」と言ってくれるでしょう。


 ただし今後はもし60歳で定年退職しても、公的年金生活までの空白期間が生まれますから、60歳定年退職でも生活費をそうするかという課題が目前にぶら下がります。「60歳の定年退職の後はリタイヤすることでよいか?」と考える必要性は今後だんだん大きくなるでしょう。 


 もし定年前のアーリーリタイヤを希望するなら、リタイヤするきっかけとして会社都合退職がベストだと私は経験上実感します。多くの場合、会社都合退職の機会は会社の行うリストラという形で現れるでしょう。リストラはまだ勤務したい人には最悪な出来事ですが、アーリーリタイヤ志願者にとっては最高の機会です。なぜなら退職条件や退職後の元同僚との繋がりなどが自己都合退職のそれらより格段に良くなるからです。まだ勤めなければならない人達にリストラは悲劇であることは言う間でもありませんが、アーリーリタイヤ志願者にとってのリストラは円満退職につながるでしょう。

会社に勤めているうちから始める、生活の練習( 1 / 1 )

会社に勤めているうちから始める、生活の練習

会社に勤めているうちから始める、生活の練習

 リタイヤしてやりたい事の構想も将来生活費も検討したら、会社勤務を続けながらでも実行可能なことは開始してみると、見逃していたことを発見できることがあります。

 会社を辞めてから始めようと考えていたことでも、会社に居ながらできる部分はあるでしょう。生活費は予算に沿ってうまく実際の家計はついてくるかどうか、立てた計画に無理がないのかまだ給料をもらって生活しているうちから、辞めたつもりになって実際に家計を管理してみると見落としなどが発見できます。このようなリタイヤメント生活の試行は、備えを完璧に近づけることができるし、家族に対して安心させることにもつながることにもなります。

 私が会社に居ながら行った「リタイヤの練習」は、計画どおりに家計が進むかどうかのチェックと、ネットでブログを始めたことでした。

 会社に勤めて給料をもらっていても、将来いつまでにいくら貯蓄するかを決め、残りのお金で生活するように計画を立てることはできます。課題ははたしてそううまく行くかどうかです。実際に子供が浪人したり、高い研修会に参加したりという想定に無かった出費が出ました。あまり厳しい予算を組むと妻が怒り出すこともありました。そのような経験をしながら、将来の出費はさらにどんなものがあるのかを連想し、家族が無理なく生活できるための予算を調整していくことができました。

このような経験はまだ私が勤めている間でしたので、資金が不足しそうなら退職を延ばすこともできます。しかしリタイヤしてからこんな経験をすると自分も含めてどの家族にも悪い影響が出ることは容易に想像できるでしょう。

そういう意味で、リタイヤする前に「練習期間」という試行を行うことは大事なことです。
大庭夏男
作家:大庭夏男
サラリーマンからリタイヤする手順
0
  • 0円
  • ダウンロード