1.スワップ金利の威力とは
金利といいますと、銀行の普通預金口座にお金を貯めて、微々たる金額を得ることを考える方がいらっしゃるかもしれません。
ゼロ金利政策を導入した日本の銀行金利は本当に少ないです。
それと比べればFXのスワップ金利は遥かに高いです。
例えば豪ドル/円で考えてみましょう(「そんなこと知ってるよ!」という方はすっ飛ばして読んでください)。
豪ドル/円の通過ペアを1000通貨分、購入したとします。
豪ドル/円=80円としたら、約3,000円前後です。
1日保有するだけで、7円前後のスワップ金利が生まれます(豪ドル金利=3.50%の場合)。
7円/日です。
すごいと思いませんか?
10日で70円、100日で700円ですよ!
約3,000円分のお金を100日間、FXにて豪ドル/円を1,000通貨分保有しただけで700円です。
1年間で、2,555円(365日×7円)になるのです!
85%の利益が生まれます。
よく考えたらびっくりしますよね。
FXの世界ではこんなことが可能なのです。
2.FXは資金管理が命
こんなに魅力的な利益率なのに、なかなかうまくいかない人が多いです。
FXは基本的に失敗する人が多いです。
そのため「FXは危険だから手を出さないほうがいい」と言われたことのある方がたくさんいるでしょう。
大事なのはリスク管理をしっかりすることです。
これがなかなかできません。
その3つの理由についてカンタンに説明します。
①欲が深くなる
FXは、ゲーム感覚でカンタンに利益を生むことができます。だからこそついつい欲が深くなりがちです。
1分間の売買で1万円、10万円、100万円を稼ぎだす方も存在します。
数回PCのマウスをクリックしただけで、「給与の1ヵ月分を稼いじゃった」なんて例はザラにあります。
そのため「アリのように毎日働くのがバカらしくなった」「お金はすぐ儲かる」と錯覚しがちです。
とくにビギナーズラック的に大金を稼いだ方は危険です。
どんどん大金で勝負をし始めて、「気がついたら大金を損していた」なんて例もザラにあります。
②資金管理に失敗
①の話の延長上の話です。
資金管理に失敗することが、FX最大のリスクです。
つまり大負けするということです。
FXには「証拠金維持率」というものがあります。
例えば、10万円のお金をFX口座に入金して取引をする場合、最低でも4万円は証拠金を維持しないといけないといったFX独特のルールです。
パーセンテージによる証拠金維持率の設定も表示されることが多いです(むしろこれが多い)。
アメリカドル/円の相場価格が100円から90円に突然大暴落したら、価値が10円分下がります。
もしもあなたが5万円分の取引をしていた場合(500ドル分購入)、1ドルの価値が10円下がったとしますと、合計価値が45,000円になります。
つまり5,000円分の損が出ます。
これが個人が日本国内でできる25倍の信用取引ですと、125万円分の取引ができ、損失もその25倍。
つまり12万5,000円分の損が出ます。
逆に10円分暴騰しますと12万5,000円分の利益が生まれます。
利益が生まれたときはバンザイ!です。
おめでとうございます。
しかし問題は損が出た場合。
ここでやっかいなのは証拠金維持率のルールです。
損が大きく出た場合は、口座に入れているお金の価値も大幅に減少しています。
そうしますと証拠金維持率が下がってロスカットの対象になります。
ロスカットとは、証拠金維持率が著しく悪いとき、FXの口座を管理するFX会社が、あなたに代わって強制的に取引を成立させることです。
数日経てば、またアメリカドル/円の価値が元通りになるかもしれない。
だから損失が大きい状態を我慢して、損失が縮まるのを待つことができます。
しかし証拠金維持率があまりに悪いと、FX会社が強制的に損失の大きいまま取引を成立させてしまうのです。
先ほどの例ですと、12万5,000円の損失が出た状態で取引を成立させてしまう、ということです。
取引できるギリギリの額で勝負して、そして負けてロスカットをくらうのは、典型的な負けパターンです。
「勝てば利益が莫大」という欲深い考えに捉われてしまって、資金管理に失敗してしまうのです。
かくいう私も3日で50万円ほど損失を出して失敗したことがあります。
初めて大きな損失が出たときの夜は、悔しくて悔しくて仕方ありませんでした。
市場価値の暴騰・暴落には要注意なのです。