病院のリハビリがダメにした症例 実はこんなに回復します!(完結)

ファイルナンバー3 別の肩手症候群( 1 / 4 )

ショルダーハンドシンドローム 悪化事例 その1

今度は、お客様の状態が悪化してしまったということを考えてみたいと思います。

????

いえいえ、一時的には症状が改善したんですけど

その後の展開として、実際には、症状が悪化したということ

ま、元に戻ったという言い方もあると思いますけど。

そういう方のことを説明します。

 

男性か女性かとか、そういうことも申し上げませんけどね

一応、左麻痺としておきます。

ファイルナンバー2の人とは比べ物にならないくらいの

とんでもない重症事例なんですけどね。

ほとんど肩を動かせない状況であり。

さらに、手指の伸展拘縮の極端なお客様でした。

、、、、

ま、ほとんど、状態は改善しないでいたものの

それでも、少しは痛みもラクになってきたかという程度でしたが

微妙ながら変化はみられるようになってきたんですね。

いえいえ、管理者のリラクゼーション対応の結果です。

????

それなのにどうして悪化事例なのか?

、、、、

、、、、

ですから、このお客様も、もはや、とんでもない状態であったというのが

実は、病院の入院期間中に状態が悪化していたということを

入院していたところの退院時要約に書かれていたんです。

????

よくわからなくてもいいんですけどね。

肩手症候群というのは、どうして生じるかといいますとね。

片麻痺のお客様には

急性期において、麻痺側の上肢を動かせる機会があったときに

麻痺の程度によっては、肩への負担が非常に大きかったり

不用意に動かしてしまったということで

間接周囲のダメージがこじれたようになる場合があるんですね。

、、、、

もちろん、そこには、亜脱臼などの所見も絡むかも知れません。

で、気がついたときに、痛みが発生していますとね。

そうでなくても、麻痺の上肢は、相当の重さを持っていますので

日常的に、痛みが緩和するということへのコントロールは

思いのほかできにくいんです。

つまり、腕の重さが直接、そして持続的に肩関節にかかっているということです。

で、肩周辺は炎症を起こし、腫れたような状況を認めるわけです。

肩を通過しているのは、別に筋肉だけではなく

指先にまでいく血管も、神経も通っていますよね。

そうでなくても、ただでさえも、動かせない腕が

手先、指先まで腫れてしまう、むくんだ状態があるということですから

さらに、自律血管調節機能というもの、つまり、手のひらの発汗ってありますよね。

緊張すれば、手に汗をかきますけど。そういうことです。

そのバランスがくずれ、いつでも手のひらが汗ばんだようになります。

このよう状況を、肩手症候群と呼んでおります。

 

勉強になりますかね。

ま、それで、このお客様が、どうして、悪化事例になってしまったのかは

このあと続けて説明します。では。

 

ファイルナンバー3 別の肩手症候群( 2 / 4 )

ショルダーハンドシンドローム 悪化事例 その2 病院の送りより

では、ファイルナンバー3のお客様の検証を行っていきます。

この方は、猫背の極端な感じの姿勢を呈しています。いえいえ、円背とは

異なって、要するに背中の上部が極端にかがんだようになっているんです。

で、歩行の話もしますけどね

歩行は、非常にスモールベースです。

????

ですから、足の左右の足の開きといいますか

その幅に余裕がない、つまり、一本橋の上を歩くような

非常に足元の狭い歩き方をしているんですね。

、、、、

、、、、

病院からの送りには、こういう記載があります。

病院のリハビリで書かれたものです。

上肢の緊張の強さ、硬さは、歩行練習とも関係して、強くなっているということです。

????

今、管理者の説明において、ヒントがあったのをわかりましたか?

足元の狭い歩行を認めているということです。

つまり、上肢は、最初から硬いはずはありません。

 

いくら片麻痺であるからといって、最初から

上肢そして手指にまで、関節の硬さが簡単に構築される、形成されるはずは

ありません。

しかし、この方には、すでに退院されてデイケア開始のころには

とんでもない、運動制限ができていたということになります。

その原因はなんなのか?

それが金緊張の亢進というのであれば

まず、どうしてこの方に、それだけの緊張の亢進が生じたのかを

説明しなければなりませんけど。

病院での理学療法において、つまり歩行練習において

それとリンクして緊張は強くなったとありました。

、、、、

これは、歩行練習が悪いといえば、それはそうなんですけど

実は、支持基底面面の狭さをそのままにしてしまったことが

はるかに問題になると思うんですね。

????

したがって、問題の鍵は、もちろん上肢の肩とか背中とか

猫背の問題にもおよばなければいけないんですけど

それだけでなく、下肢の内転が強くなっていたということ

このことの説明をしなければいけないと思うんです。

????

なぜならば、この方のステージですけど

下肢は5近い状態であったわけですね。

したがって、普通に考えれば上肢は動かせないはずはないんですが

それが、下肢の状態、歩行の状態も関係して、実際に動かせなくなったんです。

その理由は、下肢内転筋などの短縮にあることは

もはや、説明するまでもないと思うんですけどね。

????

ま、これもみなさんには、わからないかも知れませんけど。

おそらく、もし、お客様の日常の生活で

このように、下肢の股関節の開きが悪いという話があったとすれば

それは、病気になる前からの状態として理解できるんですけどね。

ま、実際に、それほどの下肢の硬さがあったのか?

といえば、普通に考えますと

そんな極端に、日常から下肢の開き、股関節の開きが悪いという人は

あまり多くないと思うんですね。

、、、、

しかし、このお客様は、とんでもない腕から手指にかけての所見を認めたまま

退院して、デイケアを利用することになったんです。

実に解せない話なんです。

そして、病院からの送りには、肩のレントゲン所見などの説明は

書かれておらず、それでもリハビリには関節可動域のことが

書かれているんですね。

????

ま、しつこくなりますので、一度、この記事は、ここまでにしておきましょうね。

引き続き説明いたします。では。

ファイルナンバー3 別の肩手症候群( 3 / 4 )

ショルダーハンドシンドローム 悪化事例 その3 病院での手落ちなのか?

皆さんには、少し考えてほしいんですね。

リハビリのお客様にたとえば、肩の運動制限がみられる

それがもし片麻痺の起因しているのであれば

いつ、肩の運動制限に対しての、整形外科的な処遇をしてもらえるのか?

ということです。

????

片麻痺は、当然、脳の問題として診断を受けるんですけど

主治医というのは、通常は内科が主となりますよね。

もちろん、専門の先生がおられれば別ですけど

、、、、

で、そこで整形外科的な判断がいつきちんと行われるのか?

ということが、意外と見落とされていると思うんですね。

したがって、もし仮に、関節運動制限の原因を

片麻痺のともなう筋緊張の亢進が原因であるとなれば

当然ですけど、肩の運動制限に関してですけど

それを整形外科で診察する、つまりは

レントゲン所見をいつ確認しているのか?

ということは、本当に実行されているのかどうかは

実に外部からはわかりかねるということです。

、、、、

ですから、このお客様にも、肩のレントゲンのことを確認しても

なんだか、はっきりとした答えを聞くことができなかったんですね。

????

????

で、ここで、皆さんにお尋ねしたいんです。

肩のレントゲン所見がはっきりしないのに

とにかく、肩を動かせないお客様に、リハビリを行わなければならない

そのときに、あなたならどうしますか?

という質問です。

、、、、

、、、、

いかがですか?

答えは、何もしなくてもいい。となります。

なぜならば、原因がわからないのに、何を根拠に

他動的な処置を安全と言い切れるのか?

ということであるからです。

、、、、

、、、、

で、私の、このお客様に対しての判断、対応をこの次に書きますけどね。

その前に、何をこのお客様にリハビリとして実施してきたのかを

説明しておきます。

、、、、

ま、答えは、リラクゼーションです。

もっとも、痛みへの対応ということでは、ホットパックも行いましたけど

で、どこをリラクゼーションしたのか?

ということですが、ずばり、下肢のわけです。

両下肢ということです。

、、、、

、、、、

これには、やはり理由があるということですけどね。

病院からの送りにありましたけど

歩行での問題ということに対しての、ひとつの見解です。

いかに、ワイドベースに近づくか、そのことによって

お客様の上半身、上肢の過緊張が改善するということを

実行しやすくしたわけですけどね。

で、この考えは正しいと認識しましたけど

やはり、上肢の問題に対しては、指導、対応しにくいために

この方への対応、つまり、デイケアのリハビリは、強制終了することとしました。

それは、次に書きましょうね。では。

ファイルナンバー3 別の肩手症候群( 4 / 4 )

ショルダーハンドシンドローム 悪化事例 その4 再受診の結果

介護保険の現場では、お客様と関係しているサービスの事業所職員が集まっての

担当者会議というものがあります。

で、このお客様にも、デイケアのリハビリの状況についての説明も行うわけです。

そこで、このお客様の方向性については

このように説明させていただいたわけです。

、、、、

肩の痛みの原因が不明であるために、リハビリの対応を行えといわれても

それは、厳密には安全策の中での処遇しかできないので

入院していた病院での整形外科受診をお願いしたい。

必要であれば、外来での治療結果も踏まえて、指導をいただければ

それにあわせてのリハビリを行うこととします。

ということです。

これは、間違いのないことを申し上げたので

このお客様は、デイケアは終了とし、つまり、医療でのリハビリをある程度

きちんと受けている間は、デイケアを終了するということになったんですね。

で、しばらくしてから、

病院から、次のような情報をもらったわけです。

、、、、

肩の運動制限は、非常に強いため、リハビリでは現状維持程度の回復しか

期待できない。そのため、物理療法などの継続で対応する。

というものでした。

、、、、

いかが、思われますか?

こういう情報を、後から、建設的に指摘されてから、レントゲンを撮影したという

証拠なんですね。

つまり、この方の肩の運動制限、言い換えれば、肩手症候群については

すでに、症状固定ということで

退院させるようにしたのは、実は病院対応の不備があったということなんです。

実にひどい、あきれた話です。

当然ですけど、退院時のリハビリの要約もあるわけですね。

ということは、何人もの専門職がいるはずですけど

誰も、お客様のリハビリのことは考えていますけど

肩のレントゲンのことまでは、考えていなかったということになります。

、、、、

間違っていますよね。

、、、、

この方の顛末です。

しばらくは、デイサービスを利用されていたようですけど。

その後の話は、わかりません。

つまり、医療的なリハビリも、効果を認めることなく

徐々に状態を悪化させていったと考えられます。

、、、、

しかし、それでも、デイケアの対応として

このお客様に、リラクゼーションを実施していたとき

このお客様の全身状態は、悪いながらもベストに近いものであったと

思っています。

医療に差し戻した時には、時すでに遅しだったんですね。

 

ま、なんとも情けない話もあったものです。

では、この方の説明については、ここまでにしておきます。

 

M-CCアドバイザー 寅 加太夫
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