アリシアと千鳥足じゃなくて駆け足で学校へ向かっていると、新装開店のお店が眼に入った。ふ~ん、今度チェックしなきゃね。なんて思いを空っぽの風船の中に詰め込みながらちょっとはみ出し気味の校門をくぐり抜けた。何がはみ出しているかって?そんな細かい事に気を回していると禿げちゃうぞ。
「アリシア、まずアビゲイル先生の所に行かなきゃいけないと思うんだけど、多分職員室にいらっしゃると思うんだ。」
「そうね、だったら図書室を探した方が良いね。」
「なんでそうなるんだよ~っ。」と疑問いっぱいの僕。
「だって、ウィズの勘は九割外れるからね。」って当然という顔のアリシア。
「え~っ、そんなに酷くないよ。八割くらいだよ。」
「それじゃ、譲歩して八割五分ね。」
「うん、それがいいね。じゃ、図書室だね。」なんて言いながら幽霊の出るかもしれない、本より埃の数のほうが多い図書室に向かった。
「えっへん、おっほん、ぶはっ、いっきしん、へ~っきしゅん、ぐじゅん」
「なんか盛大な音が聞こえない?」図書室に向かう廊下を走っていると、ガタンゴトンの音に混じりながら、何やら奇妙な音が聞こえていた。
何かな?と二人して図書室を覗き込むと、アビゲイル先生が図書室をサングラスが要るくらいピカピカな禿げ頭よろしく、床を磨いている最中だった。