SSK2

12月12日( 1 / 4 )

高瀬さんたちが拘束された。

 

病棟からは、全身の骨を、ボロボロにされた、動物実験を行っていた人たちの死体が見つかった。

 

僕は、駅の反対側にある同じ系列の店に移籍して、新しい店長の下で働いている。

 

最近は、朝までのシフトに入ることが多くなった。

 

今日は、忘年会の予約が、びっしりと詰まっている。

12月12日( 2 / 4 )

「葛西君、休憩取れなくて、ごめんね。もう12時過ぎちゃったけど、いまから休憩入って」

 

「はい」

 

新しい店長は、本当に頑張っている。僕よりも早い時間に店に来て、一番最後に帰っていく。

 

これが生きるということなのか?

 

生まれて初めて、やる気というものを感じている。

12月12日( 4 / 4 )

「おい、葛西・・・大変なことになってるぞ」

 

「どうしたんですか?」

 

倒れこんでいる人たちと、救急隊員

 

『山手線沿線を中心にして発生した、超大規模集団食中毒事件は、拡大を続け・・・』

 

「テロの可能性有りだってよ。いまの時点で、被害者は数千人・・・」

 

僕たちが、適当に生き続けてきたツケが一気に回って来たんだ。

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